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城島健司

「相手が困るバッターになるためには、
半個でも1個でも、 打つポイントを身体に近づけたい。
そのためにトレーニングしなきゃいけない」。

野球と筋トレとプロテイン

父の教えで、中学卒業と同時にウェイトトレーニングをはじめました。15歳からずっとトレーニングとプロテインはセットです(笑)。当時はプロテインがまずくて、鼻をつまんで飲みましたね。
でも、それをずっと続けてこられたのは、技術の練習だけでなく、筋トレで自分の力を上げることも野球がうまくなる要素であることを教えられてきたから。筋トレ自体が僕にとって野球というスポーツの一部になっていたのです。
筋トレをすると筋肉が壊れ、その壊れた筋肉を直すことで、筋肉は成長していく。壊れた物を直すには材料が必要なのは当然ですよね。その材料となるのがたんぱく質なのです。理にかなっているから、プロテインがまずくても我慢して飲んでいました。やっとつらいトレーニングが終わったのに、もう1つつらいことが残っているといった感覚。
幸いDNSのプロテインは昔のプロテインと違ってとても飲みやすくなっているので、毎日のトレーニングの中の1つ嫌なことが省けました。これが続けられた理由ですし、今はプロテインの嫌なイメージは、払拭できたんじゃないですか。昔のプロテインを飲む必要がない若いアスリートがうらやましいくらいです。

日米の違い

あいつら、とにかくデカイ。客観的に見て食べ物もそうだと思うし、身体の大きさに関しては、勝てないですね。やはり筋肉の大きさはパワーに比例しますから、そこがまず大きな違いだと思います。
メジャーリーグの場合は、「ウェイトトレーニングを週4回しなさい」などというルールがあり、それをしないと罰金になります。強制的にやらされるのです。メジャーでもそうですからね。ピッチャーでも野手でもメニューの中に組まされて、必ずウェイトトレーニングをしなさいと教育されている。
日本はそういうことないですよ。むしろレーニングをしすぎたら注意されるぐらいです。それに、水泳はするな、とかいう。ウェイトっていってもエキスパンダーを広げているようじゃ到底勝てない。日本野球がアメリカに近づいたという人がいますけど、スケールという意味では全然追いついていないと思います。
打つ筋肉とウェイトの筋肉は違う、という人がいるけど、鍛えた筋肉を野球に活かせばいいだけ。それが技術です。

筋力vs技術

日本人はまだまだ前で打てといわれていますよね。でも、メジャーでは球を呼び込んで、なるべく身体の近くで打てと教わります。この差は筋肉の差だと思います。日本人は跳ね返すだけの力がないから、前で打てといわれるんじゃないかな。
身体の近くまで球を呼び込むことによって、前で打っている人たちが振ってしまうようなボール球を、ちゃんと見極める選球眼が身につく。だからボール球を振らない良いバッターになる。それが身体の力であり、技術です。相手が困るバッターになるためには、半個でも1個でも、打つポイントを身体に近づけたい。そのためにトレーニングしなきゃいけない、こういう順番です。
今から選球眼が飛躍的に向上するとか、技術が10%以上上がるとは到底思えません。でも、90mだった飛距離を100mにすることは可能だと思います。フェンス際のレフトフライが、オフのトレーニングであと2m飛ぶようになったら、たった2m遠くに飛んだだけで、今までアウトだったものがホームランになる。これが年に数回あっただけでも、打率は1分も2分も変わってきます。だから、トレーニングを続けるんですよ。

今後、僕たちがアメリカで経験した、日本にはないアメリカのトレーニングの良さや考え方を、日本に少しずつ伝えていくことが大切だと思っています。そうすれば、日本の野球は、細かい技術がもっとダイナミックになって、結果が出てくると思います。
最初から、かなわないからと諦めるのではなく、少しでも追いついていこうとすれば、日本は変わっていくはずです。

● DNSビデオ


城島健司(じょうじま けんじ)
182cm 90kg
1976年、長崎県生まれ。 1994年、ドラフト1位で福岡ダイエーホークス(当時)に入団。1997年には捕手として史上最年少の21歳で打率3割をマークする。 2003年、パ・リーグMVPを獲得。翌年のアテネオリンピックでは日本代表の4番打者として活躍した。 2005年、日本人捕手として初めて米国へ移籍し、開幕戦から2試合連続本塁打を放つなど鮮烈なデビューを飾る。 2007年、守備率と盗塁阻止率で両リーグNo.1の数字を残し、大リーグを代表する捕手となる。 2009年、第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では全試合に出場。日本の2連覇に大きく貢献する。 2010年から日本球界に復帰し、阪神タイガースに入団。

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