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運動時の水分補給について考える-Part 1

Part 1 [運動時の水分補給について考える]

一昔前までは、運動中に水を飲むなんてもってのほか。部活動の最中に抜け出して水を飲みに行ったりしたら、必ずコーチからの雷が落ちたものです。今では運動中に水分を補給することに非を唱えるような指導者はいなくなりましたが、なぜ昔は禁止されていたのでしょうか。
主な理由としては、水を飲んでもすぐには吸収されず、胃にもたれてしまって身体が重くなる、カラダが冷える、飲みたい欲求を我慢することで精神面を鍛えるといったようなものでしょう。精神面についてはさておき、ここでは生理学的な観点から運動時の水分摂取について考えて行きたいと思います。

● 水分摂取のメリット

運動をすると、当然ながら体温が上がります。ウォームアップというのは神経系を活性化させるだけでなく、体温を上げることも目的であり、体内におけるさまざまな代謝は、少しだけ体温が高いほうが上手く働いてくれるのです。

しかし、体温が上がり過ぎてしまうと、かえって代謝は滞ります。私たちのカラダは汗をかくことによって、体温が上がり過ぎないように調節しているのですが、水分が足りないと十分な汗をかくことができません。つまり十分な水分を補給することによって、しっかりと汗をかけるようにして、体温が上がり過ぎないように調節することができるのです。

また、脱水そのものが運動のパフォーマンスを下げることに繋がります。まず体内の水分が減ると、血液の量も減ります。さらに体温が上がってくると、皮膚の血流を増やして冷却効果を得ようとするため、心臓に流れ込んでくる血液はさらに減ります。血流が悪くなると、酸素や栄養素をスムーズに運ぶことができなくなるため、運動のパフォーマンスも低下してしまうのです。また血液が少なくなれば、必要なだけの酸素を送るために心臓も余計に働かなくてはならなくなります。つまり運動時の水分補給は、血液の量が減らないようにして酸素や栄養素の運搬能力をキープし、心臓の負担を増やさないことに繋がるのです。

● どれくらい飲めば良いのか?

では、運動中にはどれくらいの水分を摂取すれば良いのでしょうか。重要なのは、「喉の渇きを覚えた時点で、すでに脱水は始まっている」ということです。ですから、できれば運動を始める前にある程度の水分を摂取しておき、運動開始後は喉の渇きを感じないうちに、意識的に水を飲むようにしなければなりません。
なお口腔咽頭反射というものがあって、ほんの少し水を飲んだだけでも、喉の渇きは収まってしまいます。また「水が入ってきた」と脳が判断することにより、汗の出る量も増えます。ですから、喉の渇きが収まったらそれで十分というわけではなく、さらに追加して飲む必要があります。次に運動中の水分摂取に関する簡単なガイドラインを紹介しておきましょう。

運動時水分摂取のガイドライン

  • ・1~2時間の競技の場合...競技の30分前に250~500ml、競技中に1,000mlを飲みきる。
  • ・2時間以上の競技の場合...競技の30分前に500ml、競技中は1時間あたりに500~1,000mlを飲む。
  • ・一度に飲む量は200ml前後、それを10~15分置きに飲む。

もちろん夏季の場合はさらに増やして考えたほうが良いでしょう。次回は「理想的なスポーツドリンク」について考えてみます。

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