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運動時の水分補給について考える-Part 3

運動時の水分補給について考える-Part 3

今回は運動時に補給するドリンクのレシピについて考えていきましょう。前回までの内容で、「ナトリウムを中心としたミネラルが含まれ」、「ある程度の糖質が含まれる」ことが必要だということがわかりました。これらについてもう少し掘り下げていきます。

● 小腸での吸収について

胃から小腸に移行する速度を速めるには、ある程度のミネラルや糖質が含まれ、浸透圧が等張性になっているほうが良い。前回はこのように解説しました。しかし胃から小腸に移行したあと、さらに小腸から体内に吸収されるときのことも考えなくてはなりません。
小腸での吸収においては、浸透圧は低いほうが有利となり、ただの水のほうが等張性の溶液よりも速く吸収されます。ですから水分補給のことだけを考えた場合、胃内容排出速度と小腸での吸収を考え合わせると、等張性よりも浸透圧が低い「低張性(hypotonic)」のドリンクがベターだということになります。
数々の報告から考え合わせると、だいたい糖質濃度として2.5%程度がもっとも水分補給において有利だということになりそうです。

● 糖質の量を考える

低張性のドリンクのほうが、水分吸収は早くなります。しかし浸透圧が低いということは、配合される糖質の量も少ないということ。水分はうまく補給できても、今度はエネルギーが不足してしまいます。運動時の栄養補給に役立ち、しかも水分の吸収速度を犠牲にしないためには、どれくらいの量を配合すれば良いのでしょうか。
いくつかの研究によると、糖質濃度が6%を超えた時点から徐々に吸収速度が落ちてしまうようです。よって糖質濃度としては、最大でも5%が限度でしょう。以上より、運動時に飲むドリンクの糖質濃度としては「2.5%~5%」の範囲内に収めるようにしたいところです。

● 糖質の種類を考える ~果糖の問題点

最近では果糖を配合したスポーツドリンクが多く見受けられます。果糖はインスリンの影響が受けにくいというのがウリなようですが、運動中はアドレナリンやグルカゴンなどのホルモンの影響により、インスリンの反応は抑制されます。ですからブドウ糖やデキストリンを摂取したからといって、インスリンショック(血糖値の低下)を心配する必要はありません。
他にも果糖は中性脂肪を高める、AGE's生成、尿酸を増やすなどの問題がありますので、ドリンクとして積極的に摂取するというのは考えものでしょう。
ちなみに砂糖は「果糖+ブドウ糖」ですので、砂糖を摂るということは果糖を摂ることにも繋がります。ですから砂糖も残念ながら却下。次回はブドウ糖とデキストリンについて考えて行きます。

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