健康・体力・美容UP

ケガをしにくい身体づくりとは

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ケガをしにくい身体づくりとは

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「無事これ名馬」

才能あるアスリートがケガによって選手生命を絶たれたということを耳にしたことはないだろうか。または、才能はあるが、やたらと肉離れが多く、「ガラスの脚」なんて呼ばれた選手もいなかったか。

アメリカでは、どんなに才能ある選手でもケガが多ければ、ダメな選手とみなされることもある。結局ケガによって才能を発揮できないからだ。また、若いアスリートであれば、スポーツに費やせる時間がケガによって削られていくのは非常にもったいない。「無事これ名馬」という言葉もあるが、本当に優秀なアスリートの条件とは、コンスタントに好成績を出し続けることができ、選手寿命が長いということ。そのためには、ケガをしにくい強靭な身体をつくりあげ、それを維持していかなければならない。

ケガをする場所を大きく分けると、「骨」「筋肉」「関節」の3つに分けられる。特にアスリートの関節は非常に痛みやすい。パフォーマンスをあげるための日々のトレーニングによって組織が削られて行くからだ。しかし、栄養摂取に気を遣うことで、ケガをしにくい身体をつくりあげることが出来る。
今回はケガをしにくい強靭な身体をつくる為の栄養摂取について解説する。

■骨のケガを避けるために

骨の主成分は実は「たんぱく質」。そのため強靭な骨をつくりあげるためには、十分なたんぱく質を摂取しておくことが欠かせない。もちろん骨折してしまったような時も、たんぱく質をしっかり摂取することで治癒を早めることが期待できる。また成長期の子供の身長を伸ばしてあげるためにも、たんぱく質の摂取がカギとなる。 そのため、普段から肉や魚、卵、プロテインパウダーなどからしっかりとたんぱく質を摂取するようにしておこう。

また「マグネシウム」も重要。日本人の食生活ではマグネシウムが不足しがちなのだが、マグネシウムが不足していると、骨に蓄えられているマグネシウムを溶かしだしてしまう。またこのとき、同時にカルシウムも溶けだしてしまうため、骨の強化からは遠のいてしまう。

マグネシウムはバナナナッツ類海藻類葉野菜などに多く含まれる。これらの食材を採り入れるようにするとともに、できればマグネシウムのサプリメントも摂取するようにしたい。
さらにカルシウムの吸収を助け、骨密度の維持に大きくかかわるビタミンDも忘れてはならない。
日光に多く当たるアスリートの場合は体内で自然にビタミンDが合成されるが、屋内スポーツで日光にあまり当たらない場合、ビタミンDの不足が起こりがち。
最近ではビタミンDの他の作用(さまざまな生活習慣病の予防)も注目されるようになっており、サプリメントとしてのビタミンD摂取が脚光を浴びるようになってきている。
ビタミンDを多く含む食材としてはイワシサンマなどの魚類、シイタケなどが代表的なものとなる。海産物の苦手な場合、ビタミンDの多く含まれるマルチビタミンサプリメントを摂取するとよい。

■筋肉のケガを避けるために

筋肉のケガといえば、「肉離れ」が代表的なものだろう。肉離れの場合、筋肉の細胞そのものではなく、細胞どうしをつなげている「細胞外マトリックス(ECM)」の損傷が主となる。ECMの主な構成物質は「コラーゲン」であり、肉離れを予防するためにはコラーゲンを強化する必要がある。
コラーゲンの材料となるのは、まず「たんぱく質」。また「ビタミンC」もコラーゲンを体内で合成する際に必要となる。 さらにコラーゲンそのものを摂取することも有効である。ひと昔前までは、「コラーゲンを摂取してもアミノ酸に分解されるだけなので効果はない」とされていた。しかし近年になって、「コラーゲンを分解してできたペプチドが繊維芽細胞の増殖を促すことにより、体内でのコラーゲン合成が促進される」ということが解ってきている。簡単にいうとコラーゲンを摂取すれば、身体の組織が強化され、肉離れの防止が期待できるということ。
コラーゲンはフカヒレ豚足魚の皮手羽先牛スジ肉などに多く含まれる。

■関節のケガを避けるために

関節を構成するのは「コラーゲン」「プロテオグリカン集合体」である。プロテオグリカンとはたんぱく質と「GAG:グリコサミノグリカン」という糖類が結びついた化合物のこと。 そしてプロテオグリカン集合体とは、ヒアルロン酸を幹とした木に、プロテオグリカンの枝が付いているような構造になっている。

ほとんどのGAGはグルコサミンが材料となっているため、グルコサミンを摂取することによってプロテオグリカンを合成することができる。またヒアルロン酸もグルコサミンが材料となっている。 ただしコンドロイチン硫酸というGAGはグルコサミンではなくガラクトサミンが材料となっているため、別に摂取する必要がある。
グルコサミンコンドロイチンは、動物の軟骨山芋オクラカニエビなどの甲殻類の殻に多く含まれる。強靭な関節をつくり、ケガを避けるために、これらの食材を採り入れるようにしたいところだ。

しかし、あまり日常的にこういった食材を食べることはない場合、(特に甲殻類の殻など日常的に食べる人は少ないだろう)サプリメントによるグルコサミンコンドロイチンの摂取が不可欠となってくる。次号ではサプリメントを上手に利用してケガに強いカラダをつくっていく方法を紹介する。

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「無事これ名馬」

才能あるアスリートがケガによって選手生命を絶たれたということを耳にしたことはないだろうか。または、才能はあるが、やたらと肉離れが多く、「ガラスの脚」なんて呼ばれた選手もいなかったか。

アメリカでは、どんなに才能ある選手でもケガが多ければ、ダメな選手とみなされることもある。結局ケガによって才能を発揮できないからだ。また、若いアスリートであれば、スポーツに費やせる時間がケガによって削られていくのは非常にもったいない。「無事これ名馬」という言葉もあるが、本当に優秀なアスリートの条件とは、コンスタントに好成績を出し続けることができ、選手寿命が長いということ。そのためには、ケガをしにくい強靭な身体をつくりあげ、それを維持していかなければならない。

ケガをする場所を大きく分けると、「骨」「筋肉」「関節」の3つに分けられる。特にアスリートの関節は非常に痛みやすい。パフォーマンスをあげるための日々のトレーニングによって組織が削られて行くからだ。しかし、栄養摂取に気を遣うことで、ケガをしにくい身体をつくりあげることが出来る。
今回はケガをしにくい強靭な身体をつくる為の栄養摂取について解説する。

■骨のケガを避けるために

骨の主成分は実は「たんぱく質」。そのため強靭な骨をつくりあげるためには、十分なたんぱく質を摂取しておくことが欠かせない。もちろん骨折してしまったような時も、たんぱく質をしっかり摂取することで治癒を早めることが期待できる。また成長期の子供の身長を伸ばしてあげるためにも、たんぱく質の摂取がカギとなる。 そのため、普段から肉や魚、卵、プロテインパウダーなどからしっかりとたんぱく質を摂取するようにしておこう。

また「マグネシウム」も重要。日本人の食生活ではマグネシウムが不足しがちなのだが、マグネシウムが不足していると、骨に蓄えられているマグネシウムを溶かしだしてしまう。またこのとき、同時にカルシウムも溶けだしてしまうため、骨の強化からは遠のいてしまう。

マグネシウムはバナナナッツ類海藻類葉野菜などに多く含まれる。これらの食材を採り入れるようにするとともに、できればマグネシウムのサプリメントも摂取するようにしたい。
さらにカルシウムの吸収を助け、骨密度の維持に大きくかかわるビタミンDも忘れてはならない。
日光に多く当たるアスリートの場合は体内で自然にビタミンDが合成されるが、屋内スポーツで日光にあまり当たらない場合、ビタミンDの不足が起こりがち。
最近ではビタミンDの他の作用(さまざまな生活習慣病の予防)も注目されるようになっており、サプリメントとしてのビタミンD摂取が脚光を浴びるようになってきている。
ビタミンDを多く含む食材としてはイワシサンマなどの魚類、シイタケなどが代表的なものとなる。海産物の苦手な場合、ビタミンDの多く含まれるマルチビタミンサプリメントを摂取するとよい。

■筋肉のケガを避けるために

筋肉のケガといえば、「肉離れ」が代表的なものだろう。肉離れの場合、筋肉の細胞そのものではなく、細胞どうしをつなげている「細胞外マトリックス(ECM)」の損傷が主となる。ECMの主な構成物質は「コラーゲン」であり、肉離れを予防するためにはコラーゲンを強化する必要がある。
コラーゲンの材料となるのは、まず「たんぱく質」。また「ビタミンC」もコラーゲンを体内で合成する際に必要となる。 さらにコラーゲンそのものを摂取することも有効である。ひと昔前までは、「コラーゲンを摂取してもアミノ酸に分解されるだけなので効果はない」とされていた。しかし近年になって、「コラーゲンを分解してできたペプチドが繊維芽細胞の増殖を促すことにより、体内でのコラーゲン合成が促進される」ということが解ってきている。簡単にいうとコラーゲンを摂取すれば、身体の組織が強化され、肉離れの防止が期待できるということ。
コラーゲンはフカヒレ豚足魚の皮手羽先牛スジ肉などに多く含まれる。

■関節のケガを避けるために

関節を構成するのは「コラーゲン」「プロテオグリカン集合体」である。プロテオグリカンとはたんぱく質と「GAG:グリコサミノグリカン」という糖類が結びついた化合物のこと。 そしてプロテオグリカン集合体とは、ヒアルロン酸を幹とした木に、プロテオグリカンの枝が付いているような構造になっている。

ほとんどのGAGはグルコサミンが材料となっているため、グルコサミンを摂取することによってプロテオグリカンを合成することができる。またヒアルロン酸もグルコサミンが材料となっている。 ただしコンドロイチン硫酸というGAGはグルコサミンではなくガラクトサミンが材料となっているため、別に摂取する必要がある。
グルコサミンコンドロイチンは、動物の軟骨山芋オクラカニエビなどの甲殻類の殻に多く含まれる。強靭な関節をつくり、ケガを避けるために、これらの食材を採り入れるようにしたいところだ。

しかし、あまり日常的にこういった食材を食べることはない場合、(特に甲殻類の殻など日常的に食べる人は少ないだろう)サプリメントによるグルコサミンコンドロイチンの摂取が不可欠となってくる。次号ではサプリメントを上手に利用してケガに強いカラダをつくっていく方法を紹介する。