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Part 12「ワン・アンド・ア・ハーフ」

Part 12「ワン・アンド・ア・ハーフ」

トレーニングの基本はフルレンジによるエクササイズ。つまり関節の可動範囲いっぱいを使い、しっかりと筋肉を伸ばしてから完全に収縮させていきます。しかし、重力その他の関係によって、「可動域の一部では強い負荷がかかるのに、別の一部では負荷が軽くなってしまう」、ということも多々あります。

バーベルカールを例にとりましょう。スタートでは比較的楽に持ち上げることができます。しかし、ヒジの角度が90度近くになるに従って重く感じられるようになり、ヒジを曲げきる頃には、また軽く感じられるようになります。つまり、ギリギリまで頑張ってやったとしても、限界まで追い込めるのはヒジの角度が90度付近のところだけで、動作の最初のほうと最後のほうでは、まだまだ余力が残っているわけです。
もう一つ、スクワットも例にとってみましょう。一番深くしゃがんだところでは、かなりキツくなります。しかし、ヒザを伸ばしていくに従って軽く感じられるようになり、ヒザが伸びきる寸前では、もう楽勝で上げることができてしまいます。

このようにフリーウェイトを使ったエクササイズでは、動作の一部において、刺激が弱くなるところが存在します。この問題点を克服するためのテクニックの一つが、「ワン・アンド・ア・ハーフ」です。ここでの「ワン」はフルレンジで行うということ、そして「ハーフ」というのはハーフレンジで行うということを指します。では、スクワットとベンチプレスを例にとって、ワン・アンド・ア・ハーフのやり方を紹介しましょう。

ワン・アンド・ア・ハーフのやり方 ~スクワット編

  • ・まずはフルスクワットを1レップ行う。ボトムまで深くしゃがみこみ、完全に立ち上がる。
  • ・次のレップでは半分までしゃがみ、そこで立ち上がるハーフスクワットを行う。
  • ・以下、フルスクワットとハーフスクワットを交互に行う。
フルスクワット ハーフスクワット
フルスクワット
ハーフスクワット

ワン・アンド・ア・ハーフのやり方 ~ベンチプレス編

  • ・まずは普通にベンチプレスを1レップ行う。胸までバーを下ろし、ヒジが伸びきるまで完全に持ち上げる。(フルレンジでのベンチプレス)
  • ・次のレップでは胸までバーを下ろさず、半分ほど下ろしたら、そこで挙げてしまう。(パーシャルレンジでのベンチプレス)
  • ・以下、フルレンジでのベンチプレスとパーシャルレンジでのベンチプレスを交互に行う。
フルレンジベンチプレス パーシャルレンジベンチプレス
フルレンジベンチプレス
パーシャルレンジベンチプレス

このように、動作が楽に行えるレンジでのパーシャルレップを間にはさみつつ、フルレンジでの動作を行うようにします。こうすることにより、楽に行えるレンジでも、通常よりも強い刺激を与えることができるのです。
さて、スクワットやベンチプレスでは動作の前半がキツく、後半が簡単になります。このような場合は、動作後半でのパーシャルレップを行えば良いわけです。
しかしバーベルカールのように、動作の中盤がキツく、最初と最後が軽くなるエクササイズではどうすれば良いのでしょうか。この場合、基本的には自分が弱いほうを優先させて行うようにします。つまり動作前半(ヒジが伸びた状態から90度まで)が弱ければ、そこのパーシャルレップをフルレンジでのカールの間に挟み、動作後半(ヒジが90度の状態から完全に曲がりきるまで)が弱ければ、そこのパーシャルレップを挟むようにするわけです。

なお、その両方をやるという方法もあります。古くから伝わる「21カール」と呼ばれる方法を紹介しましょう。

21カールのやり方

  • ・ヒジを伸ばした状態から、ヒジが90度になるまでのパーシャルレップを繰り返す。全部で7回行う。
  • ・次にヒジが90度の状態から、完全に曲がりきるまでのパーシャルレップを繰り返す。全部で7回。
  • ・最後にフルレンジでのカールを行う。これも全部で7回。合計で21レップスとなる。
ヒジが90度になるまでのカール 90度から曲がりきるまでのカール フルレンジでのカール
ヒジが90度になるまでのカール
90度から曲がりきるまでのカール
フルレンジでのカール

もちろん、7回ずつというのにこだわる必要はありません。「5回→5回→5回」の「15カール」にしても良いですし、「6回→4回→8回」というように各局面でレップスを変えても良いのです。自分に合った方法、レップスを見つけてトレーニングのバリエーションとして役立たせてください。

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