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Part 22 「リバースグリップ・フロアプレス編」

Part 22 「リバースグリップ・フロアプレス編」

現在では当たり前のように行われているベンチプレスですが、ひと昔前はベンチプレス台が無かったため、床に仰向けに寝た状態で行っていました。このエクササイズのことを、「フロアプレス」と呼びます。このエクササイズは、ベンチプレスの使用重量が伸び悩んでいる時などに、筋肉に新しい刺激を与えレベルアップをサポートしてくれます。

[フロアプレスのフォーム]
※ リンク先下段の記事ご参照

フロアプレスの場合、床に上腕部が触れたときに、動きが一瞬静止します。そのため「伸展反射」を使うことができません。よって通常のベンチプレスより可動域は狭いものの、使用重量としてはかえって低下してしまいます。ただし、伸展反射を使わないことにより、「静から動」へのコーディネーションを学習することができるのです。それを新しい刺激とし、今まで以上の筋力や筋肉量、爆発的なパワー発揮を得るための引き金にできるのです。

もう一つ、フロアプレスには「安全性」のメリットもあります。通常のベンチプレスの場合、力尽きて持ち上げられなくなったり、バランスを崩してバーを落としてしまったりすると、重大な事故を招く恐れがあります。しかしフロアプレスの場合はプレートが先に床に当たるため、バーが身体にぶつかることはありません。ですからベンチプレスに比べて安全に行うことができます。この安全性のメリットを活かしたエクササイズが、「リバースグリップ・フロアプレス」です。

なお10kgプレートや15kgプレートでは直径が小さいため、プレートが床に当たる前にバーが身体に触れてしまいます。必ず片側1枚ずつは20kgプレートを使うようにしてください。

リバースグリップ・フロアプレスのやり方

  1. バーベルをセットし、身体をその下に差し入れて、バーが腹部の真上に来るようにする。
  2. 肩幅よりやや広めのリバースグリップ(アンダーグリップ)でバーを握る。
  3. ベリートス(※)によって、バーベルを持ち上げる。
  4. 腰を床に付けるように戻す。両膝は立てておく。
  5. ヒジを閉じ気味にしながら、バーを下ろしていく。この時バーを落とさないように注意。
  6. 上腕部が床に触れるまで下ろす。
  7. 同じ軌道を通るようにして、バーを持ち上げていく。この繰り返し。
バーが腹部の真上にきた状態 ベリートスによって持ち上げた状態
バーが腹部の真上にきた状態
ベリートスによって持ち上げた状態
上腕が床に付くまで下ろしたスタートポジション 持ち上げたフィニッシュポジション
上腕が床に付くまで下ろしたスタートポジション
持ち上げたフィニッシュポジション

[※ベリートスの方法]


●フロアプレスとの違いは?

普通のオーバーグリップによるフロアプレスと、リバースグリップによるフロアプレスの違いはなんでしょうか。

オーバーグリップの場合はヒジが自然と張り気味になります。この場合、肩関節の動きとしては「水平内転」となり、大胸筋の中部から下部にかけて主に動員されます。

一方、リバースグリップの場合はヒジが閉じ気味となります。この場合、肩関節は「屈曲」の動きとなり、三角筋前部と大胸筋上部の働きが強くなります。またヒジの曲がる角度も深くなるため、上腕三頭筋が強く刺激されます。

三角筋や上腕三頭筋が強く大胸筋が弱い場合は、オーバーグリップよりもリバースグリップのほうが高重量を扱える傾向があります。また、リバースグリップによるベンチプレスだと前述のような危険性がありますが、フロアプレスとして行うことによって高重量でも安全に行うことができるのです。

また逆に、三角筋や上腕三頭筋が弱い場合は、リバースグリップ・フロアプレスを行うことによって弱点を強化することができます。ナローグリップ・ベンチプレスやディップスなどのエクササイズに比べても手首や肩へのストレスが少なく、動作に慣れてくれば快適に高重量を扱えるようになります。

ベンチプレスの記録が伸び悩んでいる方や、三角筋前部や上腕三頭筋、大胸筋上部の発達が今一つだという方は、是非「リバースグリップ・フロアプレス」をお試しいただければと思います。

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