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Part 23 「クロスケーブル・アップライトロウ編」

Part 23 「クロスケーブル・アップライトロウ編」

三角筋のための多関節運動としては、バックプレスやダンベル・ショルダープレスなどのプレス系エクササイズが代表的なものとなります。しかしプレス系エクササイズは三角筋前部や僧帽筋への刺激が主となり、三角筋中部や後部には強い刺激を与えることができません。そこで今回は、これらの問題をクリアした「クロスケーブル・アップライトロウ」を紹介します。

三角筋中部を刺激できる多関節運動として、一般的なトレーニング方法にアップライトロウが挙げられます。しかしこのエクササイズは意外に難しく、僧帽筋のほうに効いてしまったり、手首を痛めてしまったりして、思うように三角筋中部に効かせることができないものです。

アップライトロウ
アップライトロウ


なぜアップライトロウでは上手く効かせることができないのでしょうか。三角筋中部の働きは「肩関節の外転」です。つまりサイドレイズのように肩関節を支点とし、上腕を真横に挙げていく動きです。

肩関節の外転
サイドレイズ (肩関節の外転)


しかし重力は地面と垂直にかかります。アップライトロウでは負荷が垂直にかかるのに対し、三角筋中部は上腕を横方向に動かそうとするわけです。このように「動作の向きが重力のベクトルと合致していない」ことが、アップライトロウの問題点となります。一方で僧帽筋上部は肩甲骨を真上に動かそうとします。この動きはアップライトロウの負荷ベクトルと合致しているため、僧帽筋が働いてしまうのです。


これらを解決するのが、「クロスケーブル・アップライトロウ」です。「クロスケーブル・アップライトロウ」ではロープーリー(※)を使っているため、負荷ベクトルの向きは斜め下から斜め上への方向となります。これは三角筋中部の働く方向と合致しているため、ダイレクトに負荷を受けることができます。僧帽筋に刺激が逃げるようなこともありません。
※ ロープーリーマシーン ... 下記画像をご参照ください。


クロスケーブル・アップライトロウのやり方

  1. 1.左右両方のロープーリーにハンドルを装着し、ケーブルマシンの中央に立つ。
  2. 2.左のハンドルを右手で、右のハンドルを左手で持ち、身体の全面でクロスさせる。ヒジは軽く曲げておく。これがスタートポジション。
  3. 3.サイドレイズの要領で、肩関節を支点としてヒジが円を描くように上腕を真横に開いていく。
  4. 4.上腕を横に開きつつ、ヒジを自然に少しずつ曲げていく。
  5. 5.上腕が地面と水平になるまで挙げる。このとき、ヒジが90度よりやや深く曲がっているようにする。ここがフィニッシュポジション。
  6. 6.ヒジを伸ばしつつ、同じ軌道を通るように意識してスタートポジションに戻る。

なお1セット目で左手が前にくるようにクロスさせた場合、2セット目は右手が前にくるようにクロスさせてください。

[ ロープーリーマシーンで行うトレーニング ]
スタートポジション フィニッシュポジション
スタートポジション
フィニッシュポジション

このエクササイズのポイントは、肩を支点としてヒジが円を描くように動かしていくことです。これはサイドレイズと同じ動きです。しかしサイドレイズはヒジの角度が一定となる単関節運動なのに対し、クロスケーブル・アップライトロウではヒジを徐々に曲げていく多関節運動となります。そのためサイドレイズに比べるとヒジへの負担が少なく、またより高重量を扱うことができます。

ダンベルでも同じような動きでアップライトロウを行うことができます。しかしダンベルだと重力による垂直の負荷ベクトルとなるため、クロスケーブル・アップライトロウの持つ「動作の向きが負荷ベクトルと一致している」メリットは得られません。

このエクササイズのバリエーションとして、スタートポジションからサイドレイズを行い、できなくなったらアップライトロウに移行するという方法もあります。三角筋中部の発達にお悩みの方は、ぜひトライしてみてください。

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