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【Vol.1】女性にとっての「脱げる」身体作りとは?

【Vol.1】女性にとっての「脱げる」身体作りとは?

今月の特集テーマ「忘年会で脱ぎまくる!」。これって、実は男性だけの話ではないと思います。
自分の身体が「いい状態」にある時は、女性だって脱ぎたい。見せたい。「ねぇ私、見て見て!」という気持ちになるものです。もちろん、時と場所は選びますが(笑)。

では、女性にとっての「脱げる」身体とは、どのようなものでしょうか。
男性のような分厚い胸板や太い腕、たくましい太ももを作り上げても、それが脱げる身体かというと、ちょっと違う気がします。女性が女性らしく、美しく、きれいに見えるボディ。それはやはり、出ているところは出て、締まるところは締まっている「メリハリのある身体」。そんなボディをメイクするには、どうすればいいのでしょう。今回は、そのためのトレーニングのポイントを考えていきましょう。

最初に、男性と女性では、鍛えやすい箇所に違いがあることを知っておいて下ださい。
女性が鍛えやすい箇所は腰から膝まで。臀筋群と大腿四頭筋群は男女差が少なく、女性でも鍛え方によっては男性の85%程度まで鍛えることができるとされています。しかし、上半身、特に胸~肩まわりから腕にかけては筋肉が付きにくく、どれだけ頑張っても男性のようには鍛えられません。ですから胸~腕にかけては、かなり追い込んで鍛えてもポパイのようにはなりませんので、心配無用です。

次に、上腕三頭筋(二の腕)、背中、お尻など、重力に負けやすい箇所をしっかり鍛えること。
年々、寄る年波には勝てず、身体のいろんなパーツが重力に従いさがっていきます。

女性が気になるもののひとつが年齢を重ねることによるお顔のしわ。
人によってはとてもチャーミングなポイントになったりしますし、個人的にはその方が重ねていらした人生を反映しているようで好きなパーツではありますが、多くの女性にとっては敵とされています。女性がしわに対してさまざまな方法で抵抗するのと同じように、重力に抗う身体づくりは女性ウォリアーにとっての必須事項であると考えています。

ここからは、私自身の主観がかなり入りますのでそこをご理解ください。鍛える際の注意点を上から順に語っていきましょう。

まずは、首。
首は長く、しゅっとしていた方がいいですよね。トレーニングで首を伸ばすことはできませんが、なるべく長く見せたい。そのためには僧帽筋の、特に上部は鍛えない方がいいでしょう。首の付け根に近い部分が盛り上がると、首が短く見えてしまいます。

次に、バスト。
ダイエットをして体脂肪を落とすと、当然バストのサイズは落ちてしまいます。トップクラスのアスリートであればバストのサイズにはこだわりませんよね。競技人生中は潔く諦めていただくのがよいかと思います。そうではなく、女性らしくかつ健康的になりたいと考えるのであれば、バストがあまりにも小さくなってしまうほど、体脂肪を落とす必要はないと思います。
ちなみに体脂肪率が12.5%を切ると月経が止まってしまうと、論文で報告されています。なるべく12.5%を割り込まないよう、ほどほどの体脂肪率は維持することをおすすめします。
いずれにしても、運動によって身体が絞られていくにつれ脂肪組織であるバストのサイズはある程度ダウンします。しかし、同じようにアンダーバストや肩まわりなども美しく絞れていけば、バストだけサイズダウンするわけではないためバランスの良い、美しいラインが浮かび上がってくることでしょう。

次に、トレーニングで注意したいのが、大胸筋の外側部分を鍛えすぎないこと。
ダンベルフライなどで大胸筋の外側部分が発達しすぎると、乳房と大胸筋の間に横のスジが入るので注意を! 乳房が上下二つに割れたように見えてしまいます。 ですから、ダンベルフライを行う時は、目いっぱい胸を開いたところからスタートするのはおすすめしません。その代わり、大胸筋の内側部分を重点的に鍛えるようにしましょう。

バストが大きく見えるために大事なのは、トップとアンダーのサイズ差。
乳房自体は筋肉ではありませんから、トレーニングで大きくすることはできません。でもアンダーバストを引き締めれば、トップとアンダーのサイズ差は作れます。引き締まったアンダーバストからくびれたウエストにかけてのしなやかなラインは、女性の憧れであることは間違いありませんから。

アンダーバストを引き締めるには、お腹まわりの筋肉をしっかり鍛えることが大事です。
重点的に鍛えるべきは腹斜筋。お腹の横側の筋肉を鍛えることで、メリハリのあるボディをメイクすることができます。ちなみに女性は妊娠出産のために、男性と比べて骨盤の立ちが低く、どちらかというと平たい形状をしています。つまり立った骨盤をもつ男性よりも骨盤から肋骨までの距離があります。腹斜筋をしっかり鍛えれば、誰であっても比較的くびれは作りやすいといえます。
ちなみに、腹直筋を重点的に鍛えて作るシックスパックも、確かにカッコいいです。でも女性らしいボディを作るという意味では、腹斜筋を優先的に鍛えるべきかと思います。例えばクランチは上体をまっすぐ起こすよりも、ツイストを加えて腹斜筋も刺激した方が効果的です。

そしてお尻。
お尻はもちろん、キュッと上がっている方がいいですよね。ただ残念なのが、日本人は民族的、遺伝的にどのパーツもトップの位置が低いです。外国人と比べて、お尻の位置もどうしても低くなります。遺伝の部分は諦めて、せめて「重力には負けない」こと。特に重点的に鍛えるべきは、中殿筋。ここをしっかり鍛えると、お尻が全体的に小さく見えます。

足首が締まっていることも大事ですが、足首まわりは基本的に腱なので、鍛えることは難しいです。
意識するのは、腱から上方につながるふくらはぎをしっかりと鍛え、引き締めること。
そうすれば相対的に足首は細く締まって見えることでしょう。ふくらはぎを鍛えれば、膝下のくびれが自然と見えてきます。膝下からふくらはぎ、足首の順に、キュッパンキュッというメリハリが理想的ですね。

また、きれいな姿勢も大事です。
デスクワークの影響などで肩甲骨まわりが固まり、姿勢が前かがみになっているような姿勢の、美しい女性はいません。肩甲骨が中央にしっかり寄り、背中が起きて背骨のS字カーブがきれいな姿勢が理想であり、そういう女性は贅肉も付きにくいものです。
ストレッチなどで肩甲骨まわりをほぐし、体幹をしっかりと鍛えて、目線を上げ、美しい姿勢を意識して下ださい。そして時々、身体の左右差を調整すること。どれだけ左右均等と思われている走る動作や自転車に乗る動作も、人間は好きな方の足でたくさん蹴っています。

また、いつも同じように足を組んだり、片側の肩にばかりショルダーバッグをかけたりする日常のくせのために、身体が歪むことはある程度は仕方のないこと。
ただ、身体に極端な左右差のある状態はケガをしやすく、姿勢も美しいとはいえません。ですから、ある程度の歪みがあることを自分で理解し、受け入れたうえで歪みをリリースできる時間をつくることをおすすめします。ヨガやピラティス、太極拳、気功など、ゆっくり呼吸をしながらゆっくり身体を動かすことで、身体の左右差をリリースしてくれるエクササイズをトレーニングにも取り入れましょう。
メリハリのあるボディを作るには、トレーニングで追い込むことも大切ですが、左右差を少しでも小さくする時間を作り、意識して身体を調整する時間も大切です。

そして常日頃から自分の身体をよくチェックし、へそ下やわき腹など「ココに贅肉が付いたら危険!」という箇所を把握しておくこと。そして、ちょっとした変化に敏感になり「贅肉が付いたな」と思ったら「今日から3日節制しよう!」といったように、早めに対策をしていきましょう。

高尾 美穂
産婦人科専門医・医学博士・株式会社ドーム委託契約医師
東京慈恵会医科大学産婦人科大学院、慈恵医大付属病院産婦人科勤務を経て、2011年10月より株式会社ドームの委託契約医師に。
また、日本マタニティヨーガ協会マタニティヨーガ指導資格を持つyoginiでもある。

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