Warrior's Interview

岡見勇信(MMAファイター)

岡見勇信(MMAファイター)

相手がどうこうではなく、自分の強い部分をぶつける。自分を信じて前に出る。

この春、WSOF(World Series of Fighting)への参戦が決定したMMA("Mixed Martial Arts"の略。総合格闘技のこと。) ファイター、岡見勇信。3月29日にラスベガスで行われる初戦に向け、昨年末よりDOME ATHLETE HOUSE(ドームアスリートハウス)にて調整を続けるウォリアーの「現在地」とは?
(インタビュー:2014年1月20日)

■現在取り組んでいるトレーニングのテーマについて、教えていただけますか。

DOME ATHLETE HOUSE(ドームアスリートハウス)でのフィジカルトレーニングは昨年末から再開し、今は全身の筋力を上げることを考えています。高重量で身体に負荷をかけ、筋量を増やし、軸を強くする。そんな段階ですね。フィジカルトレーニングといっても、単純にバーベルを挙げるようなものだけでなく、さまざまな形で動きながら行います。反応を高めるものなど、今まであまり取り組んでこなかったメニューなども多く、MMAにいい影響があることを確信しています。

次の試合に向けて強く意識しているのが、今の段階でフィジカルをしっかり作り込むこと。まずはしっかりとした中心の軸を作り、そこから実戦的な動きにアジャストしていきたいです。

僕の場合、フィジカルはほとんど休みません。試合後の1週間~10日だけ休み、そこからすぐに再開します。その時期はまだ次の試合が決まっていませんが、そこでどれだけフィジカルを上げることができるかが大事。格闘技のトレーニングは少なく抑え、集中して高負荷のトレーニングを行っています。試合が決まるまでにどれだけ身体を強くできるかが、とても重要です。

■今、摂取しているサプリメントはどのようなものでしょうか。

ホエイSPR4R.E.D.、今はクレアチンBCAAJointビタミンZMAですかね。基本的に組んでいただいたメニューの通りに摂っています。朝と練習後にプロテイン。1日に2~3回の練習があるので、その都度摂りますね。それと朝、昼、晩にはJointビタミン、寝る前にZMA。あとは練習前にBCAAですね。特に練習前後には、サプリメントをしっかり摂るようにしています。

■食生活については、朝、昼、晩のメニューはどのように組み立てているのですか。

朝は比較的軽めですね。軽めにタンパク質と白米です。1日の中でタンパク質はたくさん摂るようにしていますね。タンパク質は鶏肉と、たまに牛、あとはサーモン。特にこの3つを重要視していますね。DOME ATHLETE HOUSE(ドームアスリートハウス)に来た時にはパワープレートを食べています。油については、試合まで2ヶ月以上あるのでそれほど気にしていません。

今はタンパク質をしっかり摂って、身体を大きくする段階ですね。ただし減量がありますので、試合8週間前から食事はがらりと変えます。油は使いますが、なるべくいい油を使う。そして例えば牛肉なら脂身の多い部分を避けたり、鶏肉ならば皮を取ったりと気を使います。単純なことですが、その小さな積み重ねが大事です。

■減量に入ると、食べる量をかなり減らしていくのですか。

いや、これが結構たくさん食べるんですよ。1食でたんぱく質50gは摂っていますね。正直、食べるのが億劫になる時もあります(笑)。特に朝はきつい。でも食べないと、体重が減ってしまうんですよね。ただし週に1日はオフ日を設けて、その日は好きなものを食べていますので、ストレスを感じることはさほどないです。

■新たな戦場として選んだのはWSOF。初戦となる3月29日の試合には、どのような課題を持って臨みますか。

課題は試合のたびに出てきますが、次の試合のテーマは「アタックの回数を増やす」こと。どんどん前に出て相手にプレッシャーをかけたい。アタックの回数を増やせば、相手もさまざまな形で反応してくる。するとそこにチャンスが生まれると思っています。積極的に前に出ながら、自分から先手を取って攻める。そのためのフィジカルを今、築いている段階ですね。

そのためにはもちろん全身の筋力が大事ですが、特に体幹と下半身ですね。体幹はあらゆるスポーツで重要ですが、個人的に下半身が上半身と比べるとやや弱い気がしていたので、重点的に強化しています。

■今回の試合に向けた調整はどのように行う予定ですか。これまでは、長期間にわたってアメリカでキャンプを張ることが多かったですが...。

海外での合宿も行う予定ですが、これまでよりも、日本での調整が増えると思います。もちろん海外には体格の合うスパーリングパートナーが多いので、練習するメリットは多々あります。でも、海外に行けばいいというわけでもない。逆にできないことも多く、完璧な環境を作るのは難しい面があるからです。具体的には、打撃の細かいテクニックを身につけたり、フィジカルトレーニングをきっちりとやるには、日本で調整する方がいい。

DOME ATHLETE HOUSE(ドームアスリートハウス)で体幹をしっかり固め、高重量のウエイトトレーニングで体を作り込む、というやり方で、今、すごくいい状態になっていますからね。フィジカルができ上がっていないとMMAの動きもしっくり来ないし、逆にフィジカルの調子がいいと、MMAの動きも比例してよくなる。フィジカルの重要性については今、まさに痛感しているところです。

2月からは筋力アップと並行して、試合に向けた動きやコーディネーション、サーキットなど負荷のかかる心肺系トレーニングを入れ、減量も徐々に開始していきます。MMAの練習もすでに始めているんですが、2月からは負荷を上げ、もっと実戦的なメニューを加えていく感じですね。どの試合でも3カ月ぐらいかけて準備をしていきますが、前半はフィジカルトレーニングでガンガン追い込んで、後半は試合に向けたMMAのトレーニングの割合を増やしていく。そこはいつも通りですね。

■MMAはスタンドの打撃、ケージ際のレスリング、テイクダウン後の寝技と、さまざまな攻防のシチュエーションがある格闘技です。準備は多岐にわたり、試合では予測のできない状況も多く訪れる。そんな中で勝つためには、どんな要素が必要だと考えていますか。

競技的に、相手によって戦い方がどうしても変わってきます。でも、だからこそ、自分が信じられる強い武器を作らねばならない。以前は相手の特徴に合わせて「相手がこうだからこうしよう」と戦術や試合に向けたトレーニングを組み立てていたこともありましたが、高いレベルになるほどそれではダメだと痛感しました。今は「ここが自信がある」という部分を磨き上げて、相手にどんどんぶつけていく。そういった武器を増やしていくことが、結局は勝利への近道だと感じています。

具体的には、利き手である右手を上手く使いながら相手にアタックし、四つで組み付き、相手の体力を削っていく。その部分を前面に押し出して勝利を狙うことで、新しいスタイルが築けると思っています。相手がどうこうではなく、自分の強い部分をぶつける。自分を信じて勝負に出る。それが次の試合そして今後の大きなテーマになってくると思います。

■最後に、今後の抱負を聞かせて下さい。

今回WSOFでの戦いが始まりますが、これを新たに進化するきっかけにできたらと思っています。ただしどこであろうと、戦うことには変わりはない。相手がどうこう、イベントがどうこうよりも、自分の武器を前面に押し出して、納得できる試合をしたい。今までは、勝っても負けても納得できる試合ってほとんどなかった。勝つために全力を尽くし、納得ができる試合をしたい。そのためにも今、ここで身体をしっかり作り上げようと思っています。ぜひ、期待して下さい。

1月21日に行われたドームキックオフパーティでは、2014年のテーマ"BADDEST"にならい「今年は自分の中にある欲や悪を解き放ち、勝負していきたい」と宣言。28日には、2週間にわたるブラジル合宿へと出発したウォリアー・岡見勇信。3月29日には、自らの武器を前面に押し出して全方位からアタックするBADDESTなファイトを見せてくれるだろう。

岡見 勇信

岡見 勇信

1981年07月21日生まれ

総合格闘家。和術慧舟會東京本部所属。
2002 PRE-PRIDEトーナメント優勝。
プロ格闘技29勝7敗

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