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最大のリカバリーを達成せよ! ~酷暑を克服する回復法とは?

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最大のリカバリーを達成せよ! ~酷暑を克服する回復法とは?

最大のリカバリーを達成せよ! ~酷暑を克服する回復法とは?

毎週のように試合が予定されているシーズン中盤。合宿の疲れも残っている。ただでさえ夏バテ気味なのに、これでは疲れがたまるばかりだ。なんとかして蓄積した疲れを取り除き、100%のパフォーマンスを発揮したい。

シーズン中のウォリアーがもっとも重視すべきなのは、「リカバリー」だ。では、何からのリカバリーなのか。ここではフィジカルとメンタルに分けて考えてみよう。

■フィジカルのリカバリー

ウォリアーの肉体を車に例えてみよう。車が走らなくなるのは、どんな時なのか?ガソリンが切れた時や、車体が壊れた時、車は走らなくなる。ガソリンとは、すなわちATPだ。ATPはクレアチンリン酸や炭水化物、脂質から作り出される。

食事やサプリメントを補給することでクレアチンや炭水化物、脂質を摂取すれば、ATPは合成される。しかし現実問題として、しっかり食べているはずなのに、疲労がたまってしまうことは多い。それはなぜなのか。

ATPが合成される時には、ビタミンやミネラル類が必要になる。夏季は汗によりビタミンやミネラル類が流出してしまうため、ATPの合成もスムーズにいかなくなる。疲労がたまっていると感じたら、ビタミンやミネラルの補給ができているかを確認してみよう。

また、試合が連続したり、合宿で追い込んだりすると、筋肉組織もダメージを受ける。つまり車体にガタがきてしまった状態だ。車体とはすなわちタンパク質、アミノ酸。ハードな運動が続くと、身体はそれを「ストレス」と感じる。そしてストレスに対抗するため、アドレナリンやコルチゾルなどのストレスホルモンが分泌される。これらのホルモンは筋肉組織を分解してアミノ酸を取り出し、それをエネルギーに変えてストレスに対抗しようとするのである。

この時に使われるアミノ酸が、「グルタミン」だ。食事やサプリメントでグルタミンを豊富に摂取しておけば、筋肉を分解してグルタミンを取り出す必要がなくなる。逆にグルタミンが足りないと、筋肉がどんどん分解され、パフォーマンスの低下を引き起こす。

また筋肉は「ユビキチン・プロテアソーム系」という経路によっても分解される。この経路をブロックしてくれる作用を持っているのが、「HMB」というアミノ酸の代謝物質だ。HMBには筋肉の分解を防ぐだけでなく、筋タンパクの合成を高める作用もあるため、ウォリアーに欠かせない物質といえる。

十分な食事とビタミン、ミネラルの摂取によりガソリンを確保し、グルタミンとHMBの摂取により車体を補強する。これでフィジカルは完璧だ。しかし、それだけでは車は走らない。優秀なドライバーが必要だ。

■メンタルのリカバリー

集中力がなくなり、イライラしがちで、夜も満足に眠れない。その原因の一つは、「神経伝達物質の枯渇」である。神経伝達物質にはアセチルコリンやカテコールアミン、セロトニン、GABAなどがあるが、これらを合成するためにも、アミノ酸やビタミン、ミネラル類が必要になる。つまりアミノ酸とビタミン、ミネラルの十分な摂取は、フィジカルだけでなく、メンタルからもウォリアーを支えるのだ。

特に必要なのが「マグネシウム」である。神経伝達以外にもエネルギー代謝や骨の強度維持、ホルモン分泌などに重要な役割を果たしている。また、カルシウムは筋肉を収縮させる時、マグネシウムは筋肉をリラックスさせる時に働く。このバランスが崩れると、筋肉が痙攣や肉離れを起こしてしまうのだ。

体内のマグネシウムはストレスにより低下することがわかっており、汗でも流出する。そのため、ハードに運動する夏季には特に補給の重要性が高まる。

マグネシウムはナッツ類や海藻類、葉野菜に多く含まれる。夏季にはこれらの食材を積極的に採り入れるようにしたい。

Mr.D

(後編に続く)



Mr.D
栄養・サプリメント・トレーニングについて、聞けば全てに答えを持っているウォリアー界の生き字引的存在。数々の有名選手のパフォーマンスアップの裏にもMr.Dの存在が…。

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毎週のように試合が予定されているシーズン中盤。合宿の疲れも残っている。ただでさえ夏バテ気味なのに、これでは疲れがたまるばかりだ。なんとかして蓄積した疲れを取り除き、100%のパフォーマンスを発揮したい。

シーズン中のウォリアーがもっとも重視すべきなのは、「リカバリー」だ。では、何からのリカバリーなのか。ここではフィジカルとメンタルに分けて考えてみよう。

■フィジカルのリカバリー

ウォリアーの肉体を車に例えてみよう。車が走らなくなるのは、どんな時なのか?ガソリンが切れた時や、車体が壊れた時、車は走らなくなる。ガソリンとは、すなわちATPだ。ATPはクレアチンリン酸や炭水化物、脂質から作り出される。

食事やサプリメントを補給することでクレアチンや炭水化物、脂質を摂取すれば、ATPは合成される。しかし現実問題として、しっかり食べているはずなのに、疲労がたまってしまうことは多い。それはなぜなのか。

ATPが合成される時には、ビタミンやミネラル類が必要になる。夏季は汗によりビタミンやミネラル類が流出してしまうため、ATPの合成もスムーズにいかなくなる。疲労がたまっていると感じたら、ビタミンやミネラルの補給ができているかを確認してみよう。

また、試合が連続したり、合宿で追い込んだりすると、筋肉組織もダメージを受ける。つまり車体にガタがきてしまった状態だ。車体とはすなわちタンパク質、アミノ酸。ハードな運動が続くと、身体はそれを「ストレス」と感じる。そしてストレスに対抗するため、アドレナリンやコルチゾルなどのストレスホルモンが分泌される。これらのホルモンは筋肉組織を分解してアミノ酸を取り出し、それをエネルギーに変えてストレスに対抗しようとするのである。

この時に使われるアミノ酸が、「グルタミン」だ。食事やサプリメントでグルタミンを豊富に摂取しておけば、筋肉を分解してグルタミンを取り出す必要がなくなる。逆にグルタミンが足りないと、筋肉がどんどん分解され、パフォーマンスの低下を引き起こす。

また筋肉は「ユビキチン・プロテアソーム系」という経路によっても分解される。この経路をブロックしてくれる作用を持っているのが、「HMB」というアミノ酸の代謝物質だ。HMBには筋肉の分解を防ぐだけでなく、筋タンパクの合成を高める作用もあるため、ウォリアーに欠かせない物質といえる。

十分な食事とビタミン、ミネラルの摂取によりガソリンを確保し、グルタミンとHMBの摂取により車体を補強する。これでフィジカルは完璧だ。しかし、それだけでは車は走らない。優秀なドライバーが必要だ。

■メンタルのリカバリー

集中力がなくなり、イライラしがちで、夜も満足に眠れない。その原因の一つは、「神経伝達物質の枯渇」である。神経伝達物質にはアセチルコリンやカテコールアミン、セロトニン、GABAなどがあるが、これらを合成するためにも、アミノ酸やビタミン、ミネラル類が必要になる。つまりアミノ酸とビタミン、ミネラルの十分な摂取は、フィジカルだけでなく、メンタルからもウォリアーを支えるのだ。

特に必要なのが「マグネシウム」である。神経伝達以外にもエネルギー代謝や骨の強度維持、ホルモン分泌などに重要な役割を果たしている。また、カルシウムは筋肉を収縮させる時、マグネシウムは筋肉をリラックスさせる時に働く。このバランスが崩れると、筋肉が痙攣や肉離れを起こしてしまうのだ。

体内のマグネシウムはストレスにより低下することがわかっており、汗でも流出する。そのため、ハードに運動する夏季には特に補給の重要性が高まる。

マグネシウムはナッツ類や海藻類、葉野菜に多く含まれる。夏季にはこれらの食材を積極的に採り入れるようにしたい。

Mr.D

(後編に続く)



Mr.D
栄養・サプリメント・トレーニングについて、聞けば全てに答えを持っているウォリアー界の生き字引的存在。数々の有名選手のパフォーマンスアップの裏にもMr.Dの存在が…。