That's トレーニング

Part 51 「エクササイズ・バンドを使って負荷曲線を変えるテクニック」

Part 51  「エクササイズ・バンドを使って負荷曲線を変えるテクニック」

目  的: 負荷のかかる関節角度に変化を与える
メリット: 関節可動域全般にわたる筋力強化

ウェイトトレーニングは重力との戦いだ。重力に打ち勝つことで、ウォリアーの肉体は適応し、発達する。

しかし、問題がある。重力は一定だが、ウォリアーの肉体は関節角度によって発揮できる筋力が変化する。例えばベンチプレスの場合、胸にバーが着いた状態では重く感じても、肘を伸ばし切る瞬間には軽く感じるはずだ。スクワットの場合、しゃがんだ状態では重く感じるが、立ち上がる寸前では軽く感じるだろう。


◆重力の持つ欠点を克服する2つの方法

これはフリーウェイトの1つの欠点であるが、それを克服する方法がある。リフティング・チェーンエクササイズ・バンドの活用だ。リフティング・チェーンについては次の記事を参考にしていただきたい。

参考記事
Part 3 「リフティング・チェーンを使ったエクササイズ」

リフティング・チェーンはバーベルが地面から離れていくに従い、空中に浮くチェーンが長くなっていく。つまりバーベルを高く挙げるにつれて、全体の重量が重くなっていくわけだ。

ただしリフティング・チェーンは重くてかさばり、騒音の問題もあるため、ジムでは使用しにくいかもしれない。そのため多くのウォリアーにとっては、エクササイズ・バンドのほうが実用的だろう。エクササイズ・バンドならば軽くて持ち運び可能。緩くして使えば軽い負荷になるし、キツくして使えば負荷を強くすることができる。


◆エクササイズ・バンドの効果

18歳~30歳の健康な1-AAディヴィジョンのフットボールプレイヤーを被験者として、リフティング・チェーンやエクササイズ・バンドの効果を比較した実験がある。
「バーベルのみ」群と「バーベル+エクササイズ・バンド」群、「バーベル+リフティング・チェーン」群の3つに分けて7週間のヘビートレーニングを行わせて、ベンチプレスにおけるピークパワーの増加を調査した。その結果、バーベルのみの群は5%の増加だったのに対し、「バーベル+リフティング・チェーン」群は9%の増加、「バーベル+エクササイズ・バンド」群は10%の増加だった。 (※1)

またトレーニングに熟練した平均年齢21.3歳のトレーニー10名を対象に、スクワットでの筋力とパワーを測定した研究がある。その結果、エクササイズ・バンド使用群はバーベルだけの群に比べ、筋力が16%、ピークパワーが24%多く増加していた。 (※2)


◆エクササイズ・バンドの使い方

【バンドの使い方】

エクササイズ・バンドの具体的な使用方法であるが、重要なのは「ボトムの状態で、バンドが緩まないようにする」ことだ。スタート時にはすでにバンドによる負荷がかかるようにしておくことで、動作中をスムーズに行うことができる。

バンドの固定方法としては、ダンベルを使ったりセーフティバーを使ったり、ベンチの背中に通したりするものがある。ジムの設備に合わせて選んでほしい。
今回はダンベルを使って固定したものを紹介する。


【スクワット エクササイズバンド&ダンベル】

※1 :The effects of a 7-week heavy elastic band and weight chain program on upper-body strength and upper-body power in a sample of division 1-AA football players.
J Strength Cond Res. 2009 May;23(3):756-64. doi: 10.1519/JSC.0b013e3181a2b8a2

※2 :Effects of elastic bands on force and power characteristics during the back squat exercise.
J Strength Cond Res. 2006 May;20(2):268-72.

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