いわきFC

リスクを冒さぬ退屈な日本のサッカーを、圧倒的なパワーで変革する。 いわきFCが巻き起こすフィジカル革命 ~その1

リスクを冒さぬ退屈な日本のサッカーを、圧倒的なパワーで変革する。
いわきFCが巻き起こすフィジカル革命 ~その1

福島県社会人2部リーグからスタートを切るいわきFCが1月23日、市内で第1期メンバーを選考するコンバイン(選手選考のトライアウトのこと。アメリカンフットボールNFLで行われているコンバインにならった名称)を行った。今回のコンバイン、そしていわきFCが掲げる「魂の息吹くフットボール」というビジョンの背景にあるものは何か。いわきFCを運営する株式会社いわきスポーツクラブ代表取締役・大倉智に話を聞いた。

「私達が標榜する『魂の息吹くフットボール』とは、身体が大きく、スキルを備えた選手達が90分間、足をまったく止めることなく攻撃的にプレーする、ということです。今やヨーロッパを中心とする世界のサッカーは、どんどんアグレッシブになっている。そこに守備の概念はありません。サイズとパワーを兼ね備えた大型の選手達が前へ前へとノンストップで走り続け、目まぐるしく展開が切り替わる。それが世界の潮流です。Jリーグのように、自陣に引いて相手のミスを待つようなことは決してない。

相手からボールを奪う。奪ったらゴールを目指す。奪われたらまた奪い返す。それを休まずに続ける。そんなハイテンポでアグレッシブなサッカーに、観客は熱狂するものです。そもそもプロスポーツという興行である以上、お客さんを喜ばせるのは当然のこと。相手を囲い込み、ハードなプレスをかけてボールを奪った瞬間に拍手が起きる。サッカーとは本来そういうものです。

でもJリーグでは、ゴール前の展開でしか拍手は起きない。いくら後ろでボールをこねても、観客が面白いと感じるはずがありません。リスクを冒さずに、スペースだけを埋めてじっと守りながら、前線に置いた外国人が個人技で1点を取って、はい終わり。そんなのは世界の主流じゃない。

さらに言えば、Jリーグのサッカーは世界と比べ、明らかにテンポが遅い。ただじっと試合を見ているうちに、時間だけが経っていくような退屈なサッカーを観たい人がいますか? 日本のサッカー選手は、90分間走り続ける自信がないのでしょうか...? 今は、私の現役時代のような『ここでゲームを落ち着けるために、ちょっとタメを作ろう』とか『前へ出るために、機をうかがって...』なんて時代じゃない。とにかく前へ前へと、全力で走り続ける。そんな世界の流れから、Jリーグは完全に取り残されています。

先日、プレミアリーグの試合を生観戦しましたが、どのチームも非常に攻撃的でした。ブンデスリーガのチームも同様です。ドイツは監督でいえば ラルフ・ラングニック (RBライプツィヒ)さんやロジャー・シュミットさん(レバークーゼン)など、優れた指導者のメンタリティは完全に『攻撃』です。

例えばレバークーゼンが王者バイエルン・ミュンヘンと戦っても、ボールを取りに行かずに守るのではなく、アグレッシブに取りに行く。その結果3対0で負けるかもしれないけれど、観客はその勇敢なプレーを見に来ている。だから、例えボールを取られても最後まで行く。

それがサッカーの原点だし、最終的には勝つことにも直結する。そして、そのサッカーを実現するために、彼らは日ごろからフィジカルトレーニングに熱心に取り組み、圧倒的なパワーとスピードを見につけている。つまり、フィジカルトレーニングの重要性は増すばかりです。

今、日本代表の選手の多くはヨーロッパでプレーしています。彼らは移籍する際、必ずといっていいほど『Jリーグの選手は、ボールをあまり奪いに来ない』『もっと強い選手と戦いたい』などと言いますよね。つまり日本のサッカーには、戦いがない。Jのビッグクラブには、高額な年俸をもらっているにも関わらず、本当に勝負しているのかな?という選手もいます。

Jリーグのクラブの通常のトライアウトでは、主に紅白戦のみで選手の技術を見極める。しかし今回のコンバインでは、実戦に加えて6種類のフィジカルテストを実施。垂直跳びや立ち幅跳び、長座体前屈の他、ベンチプレス60kgの挙上回数を測定。そしてグラウンドでは10mと30mのスプリント、横幅10mの反復横跳びで瞬発力をチェック。他のクラブとは異なり、いわきFCにとってはこれらも重要な評価基準である。

今、世界の第一線で活躍するサッカー選手達はフィジカルトレーニングに熱心に取り組み、圧倒的なスピードとパワーを手にしている。一方、以前の記事でも指摘したが、日本のサッカー選手達は例え日本代表クラスであっても、プロアスリートとしてとても貧弱だ。

参考記事
日本人よ、もっと鍛えよ
~サッカー編その2・前編 日本人選手に足りない「フィジカル」の正体とは?

中でも大きな問題が、パワー不足。筋力アップへの取り組みがまだ足りていないにもかかわらず、それを「日本人ならではの身体特性」と考え、開き直っているのが現状だ。日本と世界では現状、パワーで大きな差がある。それを戦術面の前提条件として考え、まだまだ伸びる余地が多々あるベーシックな筋力アップを諦めているように思えてならない。それどころか「ウェイトトレーニングをすると体が重くなる」「サッカー選手にウェイトトレーニングは不要」といった明らかに間違った迷信も、根強く残っている。

日本のサッカー選手は依然として、筋力アップに対する意識が低い。確かにここ数年、コアスタビリティトレーニングに熱心に取り組むサッカー選手は増えた。しかし、それだけで身体が完成するわけがない。

「日本のサッカー選手は、スキルに逃げる傾向があります。でも、日本人のスキルにさしたる優位性などありません。ヨーロッパの選手だって十分上手い。いや日本人よりも上手いでしょう。

スキルで勝負するなら、あと何段階も上手くならなくてはダメです。全力で走ってくる大きな選手に身体をぶつけられた時でも発揮できるものが、本当のスキル。でも今、ヨーロッパにいる日本人選手でも、本当にそれが完成されている選手は少ないですよね。いろいろと事情はあるにせよ、結局はみんなベーシックなパワーが足りない。ですから、身体作りから逃げずに向き合うことです。W杯で活躍したラグビー日本代表が、いいお手本でしょう。

いわきFCは今後、ドームアスリートハウス(DAH)の友岡和彦GM(ゼネラルマネージャー)とともに、サッカー選手にとって最もいいトレーニングと栄養摂取のメソッドを作り上げていきます。そして、最新のノウハウに基づいたトレーニングを行い、大きくて速い、戦える選手を育てます。DAHとともに、日本のスポ―ツに大きなイノベーションを起こす。それもまた、いわきFCの大きな目標。DAHがこれまで培ってきた他競技のアスリートに関するノウハウを、フル活用していきます」

今回のコンバインには、約150名の応募に対し、書類選考を通過した44名が参加。選手達はフィジカルテストと紅白戦で、自らの体力的ポテンシャルとサッカーのパフォーマンスを披露した。この中から選抜された15名程度を含めた約20名で、2月9日に新チームが正式に発足する。日本人がこれまで培ってきた優れたテクニックとパスワーク。そこにDNSのサプリメントを活用して作り上げた屈強なフィジカルを上乗せして、Jリーグに挑む。そんないわきFCの姿を想像すると、胸の高鳴りを禁じ得ない。4月に開幕する福島県2部リーグ。県1部リーグへの昇格を目指し、彼らの戦いは始まる。

参考記事
リスクを冒さぬ退屈な日本のサッカーを、圧倒的なパワーで変革する。
いわきFCが巻き起こすフィジカル革命 ~その2





前田成彦
DESIRE TO EVOLUTION編集長&株式会社オフィス221代表。
学生~社会人にてアメリカンフットボールを経験。昨年よりトレーニングを本格再開し、学生時代のベンチプレスMAX超えを目指し奮闘中。お気に入りのマッスルメイトは、ホエイプロテインSTOICにR4とグルタミンをブレンドしたオリジナルドリンク。

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