競技パフォーマンスUP

Part 65 「スキャプ・デプレッションでアライメントを調整する」

Part 65 「スキャプ・デプレッションでアライメントを調整する」

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Part 65 「スキャプ・デプレッションでアライメントを調整する」

Part 65 「スキャプ・デプレッションでアライメントを調整する」

目  的: 肩甲帯のアライメント正常化、パフォーマンスの向上
メリット: エクササイズの効果を高める

ベンチプレスを行う時には、「肩甲骨を寄せろ」といわれる。三角筋の関与を避け、大胸筋の活動を高めるためだ。
しかし、実は寄せる(肩甲骨の内転)だけでは足りない。肩甲骨の内転に加え、さらに肩甲骨を「下げる(肩甲骨の下制)」必要がある。
これは他のエクササイズでもいえることだ。

肩甲骨が上がった状態だと、肩をすくめたまま動作を行うことになる。
「リキむと本来のパフォーマンスが発揮できない」といわれるが、リキんでいる時はたいてい肩(僧帽筋上部)に力が入り、肩をすくめた状態になってしまっているのである。

仕事に集中しているときも、知らず知らずのうちに僧帽筋上部に力が入ってしまい、肩をすくめたままキーボードを打っているようなことはないだろうか。このような状態だと肩から首にかけて筋肉が凝ってしまい、血流も悪くなり、本来のパフォーマンスが発揮できなくなる。
リキみをなくすのは大前提だが、そう簡単にはいかない。
そこで発想を逆転させてみよう。
肩が上がってしまうなら、逆に肩を「下げる」筋肉を強くしてみるのだ。
肩を下げる(肩甲骨の下制)筋肉は、主に「小胸筋」である。つまり小胸筋は、僧帽筋(上部と中部)の拮抗筋と考えることもできる。

【小胸筋】

※出典筋肉.guide

デッドリフトやクリーン、ロウイング、シュラッグ、サイドレイズなど多くのエクササイズにおいて、肩甲骨を挙上したり上方回旋したりといった動きが行われ、僧帽筋の上部と中部が刺激される。
しかし肩甲骨を下制し、小胸筋を鍛えることができるエクササイズは数少ない。
そのため、肩甲帯のアライメントが崩れているウォリアーが多いのである。
そこで小胸筋を鍛えるためのエクササイズ「スキャプ・デプレッション」の行い方を紹介しよう。


ラットマシン・スキャプ・デプレッション

  • 1.ラットマシンの前に立つ。
    肩幅より少しだけ広めにバーを握り、バーを大腿部の前まで押し下げる。
  • 2.そのままヒジを伸ばしてキープする。
    上体はやや前傾させる。
  • 3.その状態で、肩をできるだけ上げる。
  • 4.ヒジを完全に伸ばしたまま、肩をできるだけ下げる。
    この動作を繰り返す。
【スタート】
【フィニッシュ】
【スキャプ・デプレッション(ラットマシン)】

ラットプルダウンを行う時、背中に効きにくいという悩みを持つウォリアーがいるかもしれない。
この場合、肩が上がったまま動作を行うのではなく、肩を下げながら肩甲骨の下制と下方回旋を意識しながら行うことが重要である。
ラットマシン・スキャプ・デプレッションを行うことで、普通のラットプルダウンも効きやすくなってくるだろう。
また最初に数セット、ラットマシン・スキャプ・デプレッションを行い、そのまま普通のラットプルダウンを行うようにすると、普段より効かせられる感覚がつかめるかもしれない。
ラットマシン・スキャプ・デプレッションによって肩甲骨の下制と小胸筋の動きがつかめるようになったら、次はディップス・スキャプ・デプレッションに挑戦してみよう。


ディップス・スキャプ・デプレッション

  • 1.ディッピングバーを使う。ディップスのスタートポジションを取り、足を床から離して浮かせる。
    身体は少しだけ前傾させる。
  • 2.その状態でヒジを伸ばしたまま、身体をできるだけ沈める。
  • 3.そしてヒジは伸ばしたまま、身体をできるだけ高く上げていく。
【スタート】
【フィニッシュ】
【ディップス・スキャプ・デプレッション 】

なお小胸筋は野球のピッチャーやバレーのウイングスパイカー、やり投げなどの動作において重要性が高い。
胸を張って肩を外旋し、腕をしならせた状態から一気に腕を前に持ってきて肩を内旋させる。
このような動きは小胸筋のスムーズな動きと筋力があってこそ、実現できるのである。
また、小胸筋が固まっていると呼吸にも悪い影響が出てくる。
デスクワークが多く、猫背になる機会が多いウォリアーは、小胸筋が固まっており、筋力も弱っている可能性が高い。
ぜひスキャプ・デプレッションをプログラムに組み込み、いい姿勢と深い呼吸、高いトレーニング効果を手に入れてほしい。

 

【こちらもオススメ】

大胸筋のトレーニング



Mr.D
栄養・サプリメント・トレーニングについて、聞けば全てに答えを持っているウォリアー界の生き字引的存在。数々の有名選手のパフォーマンスアップの裏にもMr.Dの存在が…。

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◆目的
肩甲帯のアライメント正常化、パフォーマンスの向上

◆メリット
エクササイズの効果を高める

ベンチプレスを行う時には、「肩甲骨を寄せろ」といわれる。三角筋の関与を避け、大胸筋の活動を高めるためだ。
しかし、実は寄せる(肩甲骨の内転)だけでは足りない。肩甲骨の内転に加え、さらに肩甲骨を「下げる(肩甲骨の下制)」必要がある。
これは他のエクササイズでもいえることだ。

肩甲骨が上がった状態だと、肩をすくめたまま動作を行うことになる。
「リキむと本来のパフォーマンスが発揮できない」といわれるが、リキんでいる時はたいてい肩(僧帽筋上部)に力が入り、肩をすくめた状態になってしまっているのである。

仕事に集中しているときも、知らず知らずのうちに僧帽筋上部に力が入ってしまい、肩をすくめたままキーボードを打っているようなことはないだろうか。このような状態だと肩から首にかけて筋肉が凝ってしまい、血流も悪くなり、本来のパフォーマンスが発揮できなくなる。
リキみをなくすのは大前提だが、そう簡単にはいかない。
そこで発想を逆転させてみよう。
肩が上がってしまうなら、逆に肩を「下げる」筋肉を強くしてみるのだ。
肩を下げる(肩甲骨の下制)筋肉は、主に「小胸筋」である。つまり小胸筋は、僧帽筋(上部と中部)の拮抗筋と考えることもできる。

【小胸筋】

※出典筋肉.guide

デッドリフトやクリーン、ロウイング、シュラッグ、サイドレイズなど多くのエクササイズにおいて、肩甲骨を挙上したり上方回旋したりといった動きが行われ、僧帽筋の上部と中部が刺激される。
しかし肩甲骨を下制し、小胸筋を鍛えることができるエクササイズは数少ない。
そのため、肩甲帯のアライメントが崩れているウォリアーが多いのである。
そこで小胸筋を鍛えるためのエクササイズ「スキャプ・デプレッション」の行い方を紹介しよう。


ラットマシン・スキャプ・デプレッション

  • 1.ラットマシンの前に立つ。
    肩幅より少しだけ広めにバーを握り、バーを大腿部の前まで押し下げる。
  • 2.そのままヒジを伸ばしてキープする。
    上体はやや前傾させる。
  • 3.その状態で、肩をできるだけ上げる。
  • 4.ヒジを完全に伸ばしたまま、肩をできるだけ下げる。
    この動作を繰り返す。
【スタート】
【フィニッシュ】
【スキャプ・デプレッション(ラットマシン)】

ラットプルダウンを行う時、背中に効きにくいという悩みを持つウォリアーがいるかもしれない。
この場合、肩が上がったまま動作を行うのではなく、肩を下げながら肩甲骨の下制と下方回旋を意識しながら行うことが重要である。
ラットマシン・スキャプ・デプレッションを行うことで、普通のラットプルダウンも効きやすくなってくるだろう。
また最初に数セット、ラットマシン・スキャプ・デプレッションを行い、そのまま普通のラットプルダウンを行うようにすると、普段より効かせられる感覚がつかめるかもしれない。
ラットマシン・スキャプ・デプレッションによって肩甲骨の下制と小胸筋の動きがつかめるようになったら、次はディップス・スキャプ・デプレッションに挑戦してみよう。


ディップス・スキャプ・デプレッション

  • 1.ディッピングバーを使う。ディップスのスタートポジションを取り、足を床から離して浮かせる。
    身体は少しだけ前傾させる。
  • 2.その状態でヒジを伸ばしたまま、身体をできるだけ沈める。
  • 3.そしてヒジは伸ばしたまま、身体をできるだけ高く上げていく。
【スタート】
【フィニッシュ】
【ディップス・スキャプ・デプレッション 】

なお小胸筋は野球のピッチャーやバレーのウイングスパイカー、やり投げなどの動作において重要性が高い。
胸を張って肩を外旋し、腕をしならせた状態から一気に腕を前に持ってきて肩を内旋させる。
このような動きは小胸筋のスムーズな動きと筋力があってこそ、実現できるのである。
また、小胸筋が固まっていると呼吸にも悪い影響が出てくる。
デスクワークが多く、猫背になる機会が多いウォリアーは、小胸筋が固まっており、筋力も弱っている可能性が高い。
ぜひスキャプ・デプレッションをプログラムに組み込み、いい姿勢と深い呼吸、高いトレーニング効果を手に入れてほしい。

 

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Mr.D
栄養・サプリメント・トレーニングについて、聞けば全てに答えを持っているウォリアー界の生き字引的存在。数々の有名選手のパフォーマンスアップの裏にもMr.Dの存在が…。