健康・体力・美容UP

鉄壁のディフェンスで風邪を遠ざけろ ー前編ー

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鉄壁のディフェンスで風邪を遠ざけろ ー前編ー

鉄壁のディフェンスで風邪を遠ざけろ ー前編ー

常に最前線で戦い続けるウォリアーたちも、休息を取らざるを得ないことがある。その筆頭に来る理由が「ケガ」だ。F1レースにクラッシュがつきものであるように、万全の注意を払っていても防げない事故はある。

しかし万全の注意を払っていれば、防げるミスもある。その代表格が「風邪」だ。風邪を引いて練習ができず、パフォーマンスが低下したり、試合に出られなかったりするのは、完全に個人のミスだろう。


■免疫の仕組みとは

では風邪を防ぐための万全の注意とは、具体的に何だろうか。まずは免疫の仕組みについて解説していこう。

免疫というと、「ワクチン」が思い浮かぶかもしれない。ワクチンというのは、細菌やウイルスの毒性や感染力を極力弱めたり、完全になくしたりしたものだ。これが体内に入ると、「敵が侵入してきた!」と身体は判断し、ウイルスや細菌と闘う抗体やリンパ球などの免疫物質をつくり出す。

ワクチンは毒性や感染力がほとんどない、もしくはゼロのため、免疫物質はこの戦いに簡単に勝利できる。そして次の戦いに備えて準備を整える。これは後天的な免疫であり、「獲得免疫」と呼ばれる。獲得免疫があれば、毒性や感染力の強い細菌やウイルスが入ってきたとき、すでに準備が整っているため、戦いを有利に進めることができるわけだ。

しかしワクチンなどを使わなくても、風邪は自然に治る。これは後天的な免疫ではなく、先天的に備わった免疫があるからだ。先天的に備わっている免疫のことを、「自然免疫」と呼ぶ。

風邪を引くと、鼻水や咳、クシャミが出たりする。これらの反応は異物を排除するためのもので、これは自然免疫の一つだ。鼻腔や気道には粘膜があって、それがウイルスや細菌と出くわす最前線で働いてくれる。

ウイルスや雑菌が最前線を突破するとどうなるか。今度は好中球やマクロファージ、NK細胞などの免疫物質の出番となる。これらは自分にとって異物だと判断したものはすべて排除しようと働く。ここまでが自然免疫の働きだ。


■免疫力を高めるために

自然免疫の働きを高めておけば、風邪を引くことは滅多にない。そのためには、まず粘膜を強くしておこう。粘膜を強くする働きを持っているのが「ビタミンA」である。ビタミンAは卵黄やレバーなどに多く含まれるため、これらを風邪の季節になる前からしっかり食べておくようにしたい。

その次に、免疫物質を増やしておくことが重要となる。自然免疫で働くマクロファージやNK細胞を増やす作用を持つのが、「インターフェロン」だ。さらにインターフェロンにはPKRと呼ばれる酵素を増やしてウイルスたんぱく質の翻訳を抑制したり、2-5A合成酵素を活性化してウイルスのRNAを分解したりする作用もあり、これらによって抗ウイルス作用を発揮する。

(後編に続く)

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常に最前線で戦い続けるウォリアーたちも、休息を取らざるを得ないことがある。その筆頭に来る理由が「ケガ」だ。F1レースにクラッシュがつきものであるように、万全の注意を払っていても防げない事故はある。

しかし万全の注意を払っていれば、防げるミスもある。その代表格が「風邪」だ。風邪を引いて練習ができず、パフォーマンスが低下したり、試合に出られなかったりするのは、完全に個人のミスだろう。


■免疫の仕組みとは

では風邪を防ぐための万全の注意とは、具体的に何だろうか。まずは免疫の仕組みについて解説していこう。

免疫というと、「ワクチン」が思い浮かぶかもしれない。ワクチンというのは、細菌やウイルスの毒性や感染力を極力弱めたり、完全になくしたりしたものだ。これが体内に入ると、「敵が侵入してきた!」と身体は判断し、ウイルスや細菌と闘う抗体やリンパ球などの免疫物質をつくり出す。

ワクチンは毒性や感染力がほとんどない、もしくはゼロのため、免疫物質はこの戦いに簡単に勝利できる。そして次の戦いに備えて準備を整える。これは後天的な免疫であり、「獲得免疫」と呼ばれる。獲得免疫があれば、毒性や感染力の強い細菌やウイルスが入ってきたとき、すでに準備が整っているため、戦いを有利に進めることができるわけだ。

しかしワクチンなどを使わなくても、風邪は自然に治る。これは後天的な免疫ではなく、先天的に備わった免疫があるからだ。先天的に備わっている免疫のことを、「自然免疫」と呼ぶ。

風邪を引くと、鼻水や咳、クシャミが出たりする。これらの反応は異物を排除するためのもので、これは自然免疫の一つだ。鼻腔や気道には粘膜があって、それがウイルスや細菌と出くわす最前線で働いてくれる。

ウイルスや雑菌が最前線を突破するとどうなるか。今度は好中球やマクロファージ、NK細胞などの免疫物質の出番となる。これらは自分にとって異物だと判断したものはすべて排除しようと働く。ここまでが自然免疫の働きだ。


■免疫力を高めるために

自然免疫の働きを高めておけば、風邪を引くことは滅多にない。そのためには、まず粘膜を強くしておこう。粘膜を強くする働きを持っているのが「ビタミンA」である。ビタミンAは卵黄やレバーなどに多く含まれるため、これらを風邪の季節になる前からしっかり食べておくようにしたい。

その次に、免疫物質を増やしておくことが重要となる。自然免疫で働くマクロファージやNK細胞を増やす作用を持つのが、「インターフェロン」だ。さらにインターフェロンにはPKRと呼ばれる酵素を増やしてウイルスたんぱく質の翻訳を抑制したり、2-5A合成酵素を活性化してウイルスのRNAを分解したりする作用もあり、これらによって抗ウイルス作用を発揮する。

(後編に続く)