サプリメント最前線

イオンの力で夏を乗り切れ ー前編ー

イオンの力で夏を乗り切れ ー前編ー

日本の気候が熱帯化していると言われて久しい。熱中症による救急搬送人数はますます増加しており、ひと昔前のように「運動中は水を飲むな!」という指導が続いていたら、今ごろは大変な事態に陥っていただろう。

熱中症の原因は何か。真っ先に来るのはもちろん「暑さ」だ。脳の視床下部には「体温調節中枢」があり、体温を一定に保とうとする。酵素の活性は37℃前後が最も高いため、体内におけるスムーズな代謝を維持するためには、体温が常に一定である必要があるのだ。

そして暑い時には体温を下げるため、体外に熱を放散させようとする。熱を放散させるシステムとしては、「汗を出して、その気化熱によって体内の熱を逃がし、体温を下げる」方法が最も有効だ。他に血管を拡げて血流をよくすることで熱を放出する、という働きもある。

■水分を補給しろ

水分摂取が足りなければ、汗をかくことができない。となれば熱中症一直線だ。それがイヤだったら、運動前と運動中にしっかりと水を飲むことだ。日本体育協会による水分補給量の目安を紹介しておこう。運動前にもある程度の水分を摂取しておき、体内に水分を満たしておくことが重要である。

運動強度水分摂取量の目安
運動の種類 運動強度
(最大強度の%)
持続時間 競技前 競技中
トラック競技
バスケット
サッカーなど
75~100% 1時間以内 250~500ml 500~1000ml
マラソン
野球など
50~90% 1~3時間 250~500ml 500~
1000ml/1時間
ウルトラマラソン
トライアスロン
など
50~70% 3時間以上 250~500ml 500~
1000ml/1時間
必ず塩分を補給

■電解質を補給しろ

この表を見ると、「必ず塩分を補給」と書いてある。それはなぜだろう。汗をかくときに体内から出ていくのは、水だけではない。同時にミネラルも喪われるのだ。

ミネラルのうち、ナトリウムやカリウム、カルシウム、マグネシウムなどは水に溶けることによって電気を通す性質を持っている。これらを特に「電解質」と呼ぶ。電解質が水に溶けると、電気を帯びる。それを「イオン」と呼ぶ。

電解質が喪われると、どうなるのだろう。ウォリアーの肉体は常に一定の電解質濃度を保つようになっている。しかし電解質が喪われると、濃度が薄くなる。すると濃度を元に戻すために、水分を排出してしまう働きが起こるのだ。これを「自発的脱水」と呼ぶ。

運動中に「水だけ」を飲んだ場合も、やはり体液は薄まり、電解質濃度は薄くなる。このときも汗や尿から水分を排出することによって、体液の濃度を高くしようとする働きが起こってしまうのだ。

だから運動中は水だけでなく、電解質も補給しなければならないのである。

(後編につづく)



Text:
Mr.D
栄養・サプリメント・トレーニングについて、聞けば全てに答えを持っているウォリアー界の生き字引的存在。数々の有名選手のパフォーマンスアップの裏にもMr.Dの存在が...。

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