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真夏のウォリアーに告ぐ! 「ザ・デイ」に向けて劇的にデカくなれ!

真夏のウォリアーに告ぐ!
「ザ・デイ」に向けて劇的にデカくなれ!

(もはや毎年言っていることだが)われわれウォリアーにとって夏とは、鍛え上げた肉体をさらけ出す至高のステージである。ウォリアーたる者、極限まで仕上げた最高の肉体で、友人の、同僚の、そして気になる異性の熱い視線を独り占めせねばならない。デートに夏フェス、BBQ...準備は万端だろうか。

そんな来るべき「ザ・デイ」を、われわれはいかに迎えるべきなのか。大事な日に向けた理想のコンディショニング。そのポイントはどこにあるのだろう。今回は、アメリカンフットボールリーグ・IBMビッグブルーで活躍するワイドレシーバー・栗原嵩選手に話を聞いた。

■ポイントその①サプリメントプログラムを見直す。

栗原選手のバキバキに仕上がった完璧な身体は、20代中盤で完成したものだ。社会人チームでプレーするようになり、急激に身体を大きくできた理由。その一つが栄養摂取だ。

「今、大学時代の映像を見ると、別人のように細いですよね(笑)。もちろん、あのころもちゃんとトレーニングしていました。でも当時のチームはひたすら走り込む練習が多く、身体はなかなかデカくなりませんでした。しかもその割には、食事にそれほど気を使っておらず、プロテインをトレーニング後に飲むぐらい。今考えると、それじゃダメなんですよね」

大学卒業後は実業団チームに所属。だが負傷の影響で、密度の濃いトレーニングはできなかった。本格的にウエイトトレーニングに取り組み、栄養摂取に気を使うようになったのは、ケガが治ってNFLを意識し始めたころ。25歳で会社を辞め、NFLのトライアウトに備え、3カ月アメリカへ。現地のトレーニング施設でしっかり鍛えつつ、サプリメントをきちんと摂ると、劇的に変わった。そして帰国後、ドームアスリートハウスでトレーニングを開始。サプリメントをしっかりと計画的に摂り続けたことで、さらに大きくなった。

「プロテインをトレーニング前後とトレーニング中にも飲み、さらに筋肉を大きくするためにクレアチン、疲労回復やカタボリック防止のためにグルタミン、他にもBCAAやマルチビタミン、ZMAなどもしっかり摂ることで、初めて身体は本格的に大きくなる。質の高い食事をして、サプリメントをきっちりと計画的に飲むことです。サプリメントをきちんと計画的に摂らないと、最大限の効果は得られない。加えてトレーニングの量も質も劇的に上げたところ、27歳のころには身体が完全に変わったことを自覚できました」

思ったように身体が大きくならない。そんな悩みを持っているウォリアーは、今のサプリメントプログラムを見直してみてはどうだろう。プロテイン以外のサプリメントもしっかり摂ることで、より大きな効果を得られるはずだ。

■ポイントその②年間計画をしっかりと立てる。

例え栗原選手のような本格的なアスリートであっても、1年を通じて最高のコンディションをキープし続けることは難しい。まず大切なのは、年間計画をしっかりと立て、休む、追い込む、パフォーマンス発揮を意識するなど、時期に応じて負荷や身体に入る刺激の質を変えることだ。

「その点はアスリートも一般の方も同じです。人間は利口な生き物なので、ずっと同じトレーニングばかりのやっていると飽きてしまう。そこで年間を通じて、異なる負荷を飽きないように組み合わせていきます」

日本のアメリカンフットボールの場合、試合があるのは春シーズン(4~6月)と秋シーズン(9~12月。日本選手権ライスボウルに出場する場合は翌年1月)。すべてのチームが最も重視するのは、本番となる秋シーズンだ。トレーニングの年間計画について、栗原選手はこう語る。

「前年度のシーズンがいつ終わるのか、負傷箇所があるのかどうか、そして疲れ具合がどうなのか、などによって、トレーニングの期間も内容も変わります。今年の場合は、昨シーズン終了後に3カ月ぐらいオフを取り、しっかりと身体を休めました。オフとはいっても、何もしないわけではありません。疲れを引きずらない程度の軽い負荷でウエイトトレーニングをしたり、身体を動かしたりはきちんとやります。僕の場合、年間を通じてトレーニングをまったくしない時期というのはほとんどないので。

今年については、3月からの3カ月ぐらいかけて身体を大きくしました。もちろん日によってメニューは変わるのですが、主に10回挙げられるぐらいの重さで多めのセット数をこなし、筋肥大を狙います。また、ベーシックなウエイトトレーニングの他に、スナッチやクリーンなどのウェイトリフティング系メニューもたくさん行いつつ、しっかり栄養も摂取。徹底的にデカくします。そして並行して、陸上選手と一緒にラントレに取り組みます。これは、身体を大きくしてもスピードを落とさないためです。アメフトのプレーで身体の重さを感じるのが嫌なので。

4月ごろからアメフトの試合も始まりますが、春シーズンについては今年はあまり意識しません。昨年は春のパールボウルで活躍できたのですが、秋にコンディションを崩してしまった。その反省の意味もあります。照準はあくまで秋です」

6月に春シーズンが終わると、チームは7月に短いオフをはさみ、秋のシーズンに向けて8月から本格的な練習に入っていく。

「夏のオフで、しっかりと身体を休める必要はそれほどない。そのため、春シーズンの終わりに少しだけ休み、試合に備えて7~8月でしっかり身体を作ります。ここでは、動きのキレを出すことを重視。高負荷のトレーニングを続ける一方で、軽めのウェイトを速く挙げたり、ジャンプ系の種目を増やしていきます。

8月終わりにシーズンが開幕しますが、この直前からはキレを出すトレーニングの割合が増えます。そしてシーズンが始まると、どうしてもトレーニング強度が落ちる。そこをなるべく落とさないよう、週1回は春にやるような重さを扱うトレーニングを組み込みます。ただし、コンディションをしっかりと気極めることが大事。ケガを防ぐため、少しでも痛い箇所があればトレーニングを休みます。

試合前には、食事にも気を使います。試合のある週は、まず4日ぐらいカーボカットをして、試合3日前ぐらいから炭水化物をたくさん摂ります。カーボローディングですね。この時期は、身体をデカくすることは考えません。大事なのはあくまで、試合でのパフォーマンスです。

僕の場合、身体のキレや体重のコントロールは食事でしますね。炭水化物を摂らずに動くだけで、身体は絞れてきます。僕の場合、身体の反応が速いので、炭水化物を制限すると筋肉のカットはすぐに出てきます。確かに、ちょっとキツいですが...」

■ポイントその③大きな目標を持ち、一度「作る」。

最近はアメリカンフットボールに加え、テレビ番組や雑誌などさまざまなメディアで、鍛え上げた肉体を披露する機会が増えている。

「脱ぐこともよくあります(笑)。でも、トレーニングはあくまでアメフトのため。撮影のために特別な調整をすることはありません。基本的に1年を通じて鍛えているので、撮影直前にパンプさせればどうにでもなる。いつ何が来ても大丈夫です(笑)。

一度身体を作ってしまえば、あとは意外と楽なものですよ。あくまで感覚ですが、今、仮にトレーニングを数週間ぐらいサボっても、やればすぐに戻る。そこが大学時代や、社会人になってすぐのころとはまったく違う点。要はベースができているんです。

だから、身体ができるまでは怠けずストイックにやるべき。おそらく3年ぐらいかかると思うので、ハードルはそれなりに高い。でもそこをクリアすれば、多少のチートがあっても、少しの調整でどうにでもなりますよ」

一定期間、ストイックにトレーニングに取り組む。そのつらさを乗り越えるには、確固たる目標設定が欠かせないという。

「僕の場合、NFLという誰も成し遂げていない夢があったから、今の身体を作ることができました。そして現在目指しているのは、日本のアメリカンフットボール選手の代表として、圧倒的な身体と能力を発揮すること。アメフトができるのは当たり前。もっと広い枠でアメフトという競技のすごさを世の中にアピールしていきたい。

アメリカと違って、日本のアメフト界はまだまだ小さい。その中ですごいと言われても、僕は満足できない。どんなマイナースポーツでも、その競技で一番すごい奴、一番有名な奴は、日本中で顔を知られた存在であるべきです。僕はアメフトという競技を背負いながら、あらゆるアスリートの中でベストの存在を目指し、もっともっと突き抜けたい」

そのためには、アメフトだけをやっていてもダメだ。

「アメフトでちゃんと見せるのは、プロとしてのいわば当たり前。それ以外のさまざまな機会でも、ずば抜けた能力と身体を見せつけていきます。例えばNFL選手のエイドリアン・ピーターソンなんて、ボディビルダー並みの身体でめちゃくちゃ速く走るわけです。尊敬しますよね。僕はアメフト選手であり、一人のアスリート。体重100で100mを10秒台、いや9秒台で走る。そんな、デカくて速い究極のアスリートを目指します」

栗原選手はそう語り、目標をもつことの大切さを説く。レベルの差こそあるが、その言葉は多くの気づきを与えてくれるはずだ。ウォリアー諸君もぜひ、スケールの大きな夢を胸に、地道な毎日のトレーニングに打ち込んでほしい。そして「鍛えたら、飲め」。正しいサプリメントで最高の自分を作り上げ、来るべき「ザ・デイ」を必ずやモノにしてほしい。



栗原 嵩

栗原 嵩 │ Takashi Kurihara

1987年11月07日生まれ

駒場学園高等学校~法政大学を経てパナソニックインパルス、IBMビッグブルーでプレー。
NFL入りを目指し、ボルティモア・レイブンズのルーキーミニキャンプに参加した経験を持つ。

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