Dr.'s Eye

Dr.'s Eye ~人間栄養学 ─後編─

Dr.'s Eye
~人間栄養学 ─後編─

消費者庁が平成24年に発表した、いくつかの食品成分の機能性に対する評価(表2)を見ると、興味深い真実が見えてきます。例えばEPA/DHAの心血管疾病リスクの軽減は全てA評価、つまり「科学的根拠があってヒトでの効果が期待できる」としています。一方、ビルベリーエキスの視機能改善(視力改善、眼疲労改善)効果はC評価で「効果があるかもしれない」程度です。某有名サプリメント会社からビルベリーエキス配合の製品が販売されていますが、果たして効果はどれほどあるのでしょうか?血流改善に至ってはD評価の「科学的根拠は薄い」ということです。

表:消費者庁「食品の機能性評価モデル事業」の結果報告(平成24年)

機能成分 機能 パネル評価 チーム評価
総合評価 研究のタイプ、質、数 一貫性
EPA/DHA 心血管疾病リスクの軽減 A A A
血中中性脂肪低下作用 A A A
血圧改善作用 C A C
関節リウマチ症状緩和 A A A
乳児の生育、行動・視覚発達補助 B A A
うつ症状の緩和と発生率低下 C A C
ビルベリーエキス 視機能改善(視力改善、眼疲労改善) C C B
血流改善 D C B

・Aは科学的根拠があって、効果が期待できる
・Bは効果があるかもしれない。
・Cは効果があるかもしれないが、さらなる検証が必要とされる。
・Dは科学的根拠が薄い。

2016年にアメリカ栄養士会・カナダ栄養士会・アメリカスポーツ医学会が合同で出版した「栄養とアスレチックパフォーマンス」は、全てヒトでの研究結果を引用したエビデンスレベルが高い、スポーツ栄養のガイドラインです。しかし、同時にヒトのデータがいかに少ないかという点にも気付かされます。それが証拠に、ヒトにおいて効果が科学的に立証されているスポーツサプリメントは実は少なく、国内外で売られている多くはこのガイドラインに掲載されていません。つまり、それだけ科学的根拠が薄い製品があたかも効果があるように売られているということです。

情報があふれている時代です。必ずしもすべての情報が正しいとは限りませんし、科学的論文におけるサイエンスの質はピンキリです。トランプ大統領は「フェイクニュース」とメディアを批判しておりますが、我々が目にする広告や宣伝も製品を売ろうとする企業のバイアスがあることを理解したうえで、消費者自身が情報の質を評価できるリテラシーを備える必要があると思います。本企画では、裏話も含めてサプリメントの本当の話をお伝えできればと思っています。

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