健康・体力・美容UP

Part 97  背筋群の機能を高めるために

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Part 97  背筋群の機能を高めるために

Part 97 背筋群の機能を高めるために

  • 目  的:背筋群の強化による身体機能向上
  • メリット:腰痛、肩凝りなどの予防、身体機能の向上

「背筋(せすじ)を伸ばしなさい!」と親や教師に叱られた経験はあるだろうか? 確かに背中が丸まり、下を向いた姿勢は見るからにやる気がなさそうで、健康にも悪影響がありそうだ。スマホやパソコンに向かう時間が長いと自然と猫背になり、肩に力が入って凝りやすくなり、さまざまな不具合を起こしやすい。

猫背になると胸が閉じた状態になり、呼吸が浅くなって酸素の供給量も減り、脳や身体の活動が低下する。血行も悪くなって疲労物質も排出されにくくなり、筋肉が凝り始めてしまう。猫背というのは胸椎が屈曲した状態だ。その状態で長時間いることにより、このような不具合が生じてしまう。

まずはこの状態を脱するため、胸椎の伸展動作を行うようにしてみよう。

四つん這いになり、猫のように背中を丸める。つまり意識的に猫背にするわけだ。そこから猫が伸びをするときのように、背中(胸椎)を反らせていく。視線も上に向ける。このときに大事なのは、腰(腰椎)を反らすのではなく、みぞおちから上を反らせていくことだ。
このエクササイズを10~15回、2~3セット行ってみよう。

ストレッチポールがある場合は、肩甲骨の下にストレッチポールが横向きになるようにして仰向けになり、胸椎を伸展した状態で30秒~1分ほどリラックスする。

なお実際にハーフカットのストレッチポールを使って胸椎を伸展したところ、即座に肺活量が増加したという報告もある。(※1)

一般的なバックエクステンションでは胸椎も腰椎もまっすぐのままであり、関与する動作としてはアイソメトリクス的な働きに過ぎないため、主に使われるのは大殿筋やハムストリングとなる。ちなみにデッドリフトも同じことだ。

しかしボールの曲面を利用してバックエクステンションを行うことで、胸椎と腰椎の伸展エクササイズに変えることが可能となるのである。それほどキツい運動ではないため、15~20回を2~3セットやってみよう。

ここで重要なことを言っておこう。猫背になっているときは、同時に肩関節の内旋も起こっている。しかしウォリアーが好んで鍛える大胸筋や広背筋は、肩関節をまさに内旋させる働きを持っている。つまりトレーニングを頑張るほど、猫背がひどくなってしまうのだ。
そのため、猫背気味のウォリアーは肩関節の外旋を意識したエクササイズを行う必要がある。

具体的には「エクスターナル・ローテーション」や「キューバン・プレス」だ。それぞれのやり方については、次の記事を参考にしてほしい。これらのエクササイズは猫背解消だけでなく、肩関節のケガ予防にもなる。

Part 27 「キューバン・プレス編」

肩凝りに悩むウォリアーも多いだろう。机に向かっている時間が長いと、どうしても肩が上がり、僧帽筋上部が緊張する。そのため、この逆の動きをする僧帽筋下部を鍛える必要がある。

多くのウォリアーは、チンニングやラットプルダウンのときにバーを完全に引ききっていない。アゴの高さまでバーが来たら、そこで戻してしまいがちだ。

しかし僧帽筋下部を鍛えるためには、肩甲骨をしっかりと下制・下方回旋させる必要がある。この場合、バーを最後まで引き切る必要がある。思い切って重量を軽くして、バーが胸に付くまで引き付けてみよう。このとき胸はしっかりと張って肩甲骨を寄せ切ってほしい。

実際にやってみるとわかるが、驚くほど使用重量が下がったはずだ。これは、僧帽筋下部をこれまでいかに使っていなかったか、ということの証明にもなる。

※1:
胸椎伸展ストレッチングが呼吸機能へ与える即時効果の検討

Part95を読む Part98を読む

 

【こちらもオススメ】

背筋群のトレーニング

大胸筋のトレーニング

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  • 目  的:背筋群の強化による身体機能向上
  • メリット:腰痛、肩凝りなどの予防、身体機能の向上

「背筋(せすじ)を伸ばしなさい!」と親や教師に叱られた経験はあるだろうか? 確かに背中が丸まり、下を向いた姿勢は見るからにやる気がなさそうで、健康にも悪影響がありそうだ。スマホやパソコンに向かう時間が長いと自然と猫背になり、肩に力が入って凝りやすくなり、さまざまな不具合を起こしやすい。

猫背になると胸が閉じた状態になり、呼吸が浅くなって酸素の供給量も減り、脳や身体の活動が低下する。血行も悪くなって疲労物質も排出されにくくなり、筋肉が凝り始めてしまう。猫背というのは胸椎が屈曲した状態だ。その状態で長時間いることにより、このような不具合が生じてしまう。

まずはこの状態を脱するため、胸椎の伸展動作を行うようにしてみよう。

四つん這いになり、猫のように背中を丸める。つまり意識的に猫背にするわけだ。そこから猫が伸びをするときのように、背中(胸椎)を反らせていく。視線も上に向ける。このときに大事なのは、腰(腰椎)を反らすのではなく、みぞおちから上を反らせていくことだ。
このエクササイズを10~15回、2~3セット行ってみよう。

ストレッチポールがある場合は、肩甲骨の下にストレッチポールが横向きになるようにして仰向けになり、胸椎を伸展した状態で30秒~1分ほどリラックスする。

なお実際にハーフカットのストレッチポールを使って胸椎を伸展したところ、即座に肺活量が増加したという報告もある。(※1)

一般的なバックエクステンションでは胸椎も腰椎もまっすぐのままであり、関与する動作としてはアイソメトリクス的な働きに過ぎないため、主に使われるのは大殿筋やハムストリングとなる。ちなみにデッドリフトも同じことだ。

しかしボールの曲面を利用してバックエクステンションを行うことで、胸椎と腰椎の伸展エクササイズに変えることが可能となるのである。それほどキツい運動ではないため、15~20回を2~3セットやってみよう。

ここで重要なことを言っておこう。猫背になっているときは、同時に肩関節の内旋も起こっている。しかしウォリアーが好んで鍛える大胸筋や広背筋は、肩関節をまさに内旋させる働きを持っている。つまりトレーニングを頑張るほど、猫背がひどくなってしまうのだ。
そのため、猫背気味のウォリアーは肩関節の外旋を意識したエクササイズを行う必要がある。

具体的には「エクスターナル・ローテーション」や「キューバン・プレス」だ。それぞれのやり方については、次の記事を参考にしてほしい。これらのエクササイズは猫背解消だけでなく、肩関節のケガ予防にもなる。

Part 27 「キューバン・プレス編」

肩凝りに悩むウォリアーも多いだろう。机に向かっている時間が長いと、どうしても肩が上がり、僧帽筋上部が緊張する。そのため、この逆の動きをする僧帽筋下部を鍛える必要がある。

多くのウォリアーは、チンニングやラットプルダウンのときにバーを完全に引ききっていない。アゴの高さまでバーが来たら、そこで戻してしまいがちだ。

しかし僧帽筋下部を鍛えるためには、肩甲骨をしっかりと下制・下方回旋させる必要がある。この場合、バーを最後まで引き切る必要がある。思い切って重量を軽くして、バーが胸に付くまで引き付けてみよう。このとき胸はしっかりと張って肩甲骨を寄せ切ってほしい。

実際にやってみるとわかるが、驚くほど使用重量が下がったはずだ。これは、僧帽筋下部をこれまでいかに使っていなかったか、ということの証明にもなる。

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