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読売ジャイアンツに帯同する公認スポーツ栄養士のお仕事|GIANTS NUTRITION

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公認スポーツ栄養士 斉藤裕子のGIANTS NUTRITION 公認スポーツ栄養士 斉藤裕子のGIANTS NUTRITION

スポーツ栄養士の仕事

こんにちは。
先日、スポーツ栄養に携わる方々が一堂に会する、スポーツ栄養学会に参加してきました。
スポーツ栄養士の資格を取得するため共に受講してきた同期や、お仕事を通じて知り合った方々など、日頃は会うことができない栄養士さんたちとも会うことができ、頭をフル活用したので少し疲れつつも楽しい三日間となりました。
中にはプロ野球チームやプロサッカーチームをサポートする栄養士さんたちとも久しぶりに会うことができて、多くの刺激をもらってきました。「ジャイアンツの栄養士さんですよね。頑張ってください」と声をかけてくれた学生さんもいて、うれしい限りです。

野球やサッカーのプロチームでは、今ではほとんどのチームに栄養士さんがいます。しかし、月に何回、という形で訪問している人もいれば、ファームや育成のみを見ている方、1軍からファームまで幅広く担当している方など、その関わり方は様々です。

栄養士によるサポートの方法は、チームによって様々だと思うのですが、今回は私が日頃チームに帯同して行なっている業務の一コマをご紹介したいと思います。

まず、「栄養士です」と名乗るとよく返ってくるのが、「このカロリーわかりますか?」とか、「◯◯って良いんですか?」という言葉。これは栄養士あるあるだと思います。

このように、選手が気になって質問してきた時にいつでもそれに答え、その場で必要なものをアドバイスする、ということを日頃から多く行っています。 特に遠征の時には、朝ごはんから夜ごはんまで確認することができるので、選手の状態や特徴を把握するのにとても貴重な機会となります。選手が食事を選んでいるところを一緒に回り、「こういうものが足りない」、「しっかり栄養を摂れている」、ということを伝えています。 反対に、自分が選んできた食事を持ってきて「何点?」と聞いてくる選手もいたりします。

好き嫌いや食事が偏りがちな選手には、朝食や夕食のタイミングで、選手が興味を引きそうな内容で説明し、しっかり食べてもらうようにしています。

先日、食事が偏っていて、体調も怪しくなりがちな選手に対し、摂ると良い食材をオススメしたところ、「食べられる」という回答だったため、朝と夜に必ず食べるように伝えて、体調面の対策をとりました。

すると、その選手は食材を持ち、しばらくぼーっとしたあと心を決めて、無心で食材を口に運び、目をつぶり、最後はドリンクで流し込み、というまるで小さい子供が苦手なものを食べるような仕草をしていました。

好き嫌いはなく何でも食べられるということがベストですが、嫌いなものがある選手がいるのも事実です。でもその選手は、あまり好まないけれど、身体に良いものならばしっかり食べておこう、という気持ちを持ってその食材と向き合っていて、素晴らしいなと感じました。
一回の食事が劇的に何かを変えるほど効力を持っているわけではないですが、日々のこうした積み重ねによって、身体は少しずつ変化していくと私は信じています。 だから、日々の選手の食事内容を確認して偏りのないように、時には心を鬼にし、憎まれ?ながらも、選手にとってベストなプランを考えています。

ただし、私の中では無理強いをするタイミングとそうでないタイミングを分けていて、「これを食べるならばこの食材をプラスしておいた方が良いよ」、というアドバイスの方を心がけています。好きなものを食べたいという欲求もありますので、身体にとってはマイナスになりそうな食事でも、多少はプラスに向けられるものを合わせるという方法で、ストレスなく食事に向き合ってもらいたいと思っています。

いよいよシーズンが終盤に差し掛かかっているので、この大事なタイミングこそ、スポーツ栄養士として日々のコンディションを良好に保つための食事を、選手にもっと伝えていきたいと思います。

(次号を読む)
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スポーツ栄養士の仕事

こんにちは。
先日、スポーツ栄養に携わる方々が一堂に会する、スポーツ栄養学会に参加してきました。
スポーツ栄養士の資格を取得するため共に受講してきた同期や、お仕事を通じて知り合った方々など、日頃は会うことができない栄養士さんたちとも会うことができ、頭をフル活用したので少し疲れつつも楽しい三日間となりました。
中にはプロ野球チームやプロサッカーチームをサポートする栄養士さんたちとも久しぶりに会うことができて、多くの刺激をもらってきました。「ジャイアンツの栄養士さんですよね。頑張ってください」と声をかけてくれた学生さんもいて、うれしい限りです。

野球やサッカーのプロチームでは、今ではほとんどのチームに栄養士さんがいます。しかし、月に何回、という形で訪問している人もいれば、ファームや育成のみを見ている方、1軍からファームまで幅広く担当している方など、その関わり方は様々です。

栄養士によるサポートの方法は、チームによって様々だと思うのですが、今回は私が日頃チームに帯同して行なっている業務の一コマをご紹介したいと思います。

まず、「栄養士です」と名乗るとよく返ってくるのが、「このカロリーわかりますか?」とか、「◯◯って良いんですか?」という言葉。これは栄養士あるあるだと思います。

このように、選手が気になって質問してきた時にいつでもそれに答え、その場で必要なものをアドバイスする、ということを日頃から多く行っています。 特に遠征の時には、朝ごはんから夜ごはんまで確認することができるので、選手の状態や特徴を把握するのにとても貴重な機会となります。選手が食事を選んでいるところを一緒に回り、「こういうものが足りない」、「しっかり栄養を摂れている」、ということを伝えています。 反対に、自分が選んできた食事を持ってきて「何点?」と聞いてくる選手もいたりします。

好き嫌いや食事が偏りがちな選手には、朝食や夕食のタイミングで、選手が興味を引きそうな内容で説明し、しっかり食べてもらうようにしています。

先日、食事が偏っていて、体調も怪しくなりがちな選手に対し、摂ると良い食材をオススメしたところ、「食べられる」という回答だったため、朝と夜に必ず食べるように伝えて、体調面の対策をとりました。

すると、その選手は食材を持ち、しばらくぼーっとしたあと心を決めて、無心で食材を口に運び、目をつぶり、最後はドリンクで流し込み、というまるで小さい子供が苦手なものを食べるような仕草をしていました。

好き嫌いはなく何でも食べられるということがベストですが、嫌いなものがある選手がいるのも事実です。でもその選手は、あまり好まないけれど、身体に良いものならばしっかり食べておこう、という気持ちを持ってその食材と向き合っていて、素晴らしいなと感じました。
一回の食事が劇的に何かを変えるほど効力を持っているわけではないですが、日々のこうした積み重ねによって、身体は少しずつ変化していくと私は信じています。 だから、日々の選手の食事内容を確認して偏りのないように、時には心を鬼にし、憎まれ?ながらも、選手にとってベストなプランを考えています。

ただし、私の中では無理強いをするタイミングとそうでないタイミングを分けていて、「これを食べるならばこの食材をプラスしておいた方が良いよ」、というアドバイスの方を心がけています。好きなものを食べたいという欲求もありますので、身体にとってはマイナスになりそうな食事でも、多少はプラスに向けられるものを合わせるという方法で、ストレスなく食事に向き合ってもらいたいと思っています。

いよいよシーズンが終盤に差し掛かかっているので、この大事なタイミングこそ、スポーツ栄養士として日々のコンディションを良好に保つための食事を、選手にもっと伝えていきたいと思います。

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