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競技パフォーマンスUP

リスクを冒さぬ退屈な日本のサッカーを、圧倒的なパワーで変革する。いわきFCが巻き起こすフィジカル革命 ~その16

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リスクを冒さぬ退屈な日本のサッカーを、圧倒的なパワーで変革する。いわきFCが巻き起こすフィジカル革命 ~その16

リスクを冒さぬ退屈な日本のサッカーを、圧倒的なパワーで変革する。いわきFCが巻き起こすフィジカル革命 ~その16

2月28日、Jヴィレッジスタジアムに2128名の来場者を迎えて「東日本大震災メモリアルマッチ 福島ダービー」として、いわきFCは福島ユナイテッドFCとプレシーズンマッチを行った。

 

いわきFCは新システム42でこの1戦に挑んだ。GKはベテランの坂田大樹、DF陣はCBに徳島ヴォルティスから今季補強した奥田雄大と、東海大から加入した米澤哲哉を起用。新システムのキーとなる両サイドバックは左に日高大、右に新加入の嵯峨理久。MFはアンカーに山下優人、左にキャプテン山口大輝、右には昨季ヴィアティン三重で活躍した古川大悟。FWは大黒柱の鈴木翔大と2年目の岩渕弘人が組み、トップ下にベテラン平岡将豪が入った。

 

試合は福島ユナイテッドFCが立ち上がりからアグレッシブに攻め立て、いわきFCも持ち前の走力で応戦。激しく攻守が入れ替わる展開となった。

 

 

■年間を通じて選手を鍛え続ける。

 

昨年、JFLへの参戦を果たしたいわきFC。結果は、リーグ戦全15試合で6勝3引き分け6敗、勝ち点21の7位という悔しいものだった。

 

2021年。チームは原点回帰を目指し「HumbleHungry」というテーマを掲げるとともに、明確に「今年は必ずJ3昇格を果たす」と宣言。年初から、例年にない量のストレングストレーニングをこなしてきた。その背景について、田村雄三監督は語る。

 

「今年は原点回帰しました。いわきFCは『日本のフィジカルスタンダードを変える』と宣言しているクラブ。その思いに戻って、もっと鍛えなくてはいけないし、フィジカルはまだまだ向上の余地がある。それがわかったのは何を隠そう、自分が昨年から本格的にトレーニングを始めたからです。

 

やってみると、自分の身体は短期間で変化していきました。それなのに、選手達の身体はなぜ変わらないんだろう、という疑問が生まれた。もちろん変わっている選手もいますが、ちゃんとした施設でちゃんと鍛えて、ちゃんと食べて寝れば、必ず筋肉はつく。あれだけトレーニングして筋肉がつかないのは、寝ていないのか追い込めていないのか、何かしらに問題がある。そう思い、さまざまな改善を行いました。

 

Jリーグのクラブと比較しても、ウチのトレーニング施設は十分。これだけ恵まれた環境があるのだから、やる以外の選択肢はありません。

 

そして高い負荷をかける一方で、ケガをさせないことも大事。ギリギリを攻めるためにはスケジュールやピリオダイゼーション、そして何より、選手とのコミュニケーションが大事になります」

 

トレーニングを統括する鈴木秀紀パフォーマンスコーチは語る。

 

「昨年は年初と春先の自粛期間にストレングストレーニングを重点的に行う期間を設け、シーズンイン後も週2回行ってきました。今年はストレングスの頻度を増やし、全選手が週3回、多い選手で週4回。年間を通じて選手を鍛え続けるつもりです」

 

代表的な1週間の流れは以下の通りだ。

 

【日曜】ゲーム→【月曜】リカバリー/ストレングス(上半身)→【火曜】オフ→【水曜】2部練習:午前サッカー/午後ストレングス(下半身)【木曜】2部練習:午前サッカー/午後ストレングス(上半身)→【金曜】午前サッカー/午後:状況に応じて指名選手(ストレングス強化が必要な選手)のストレングス→【土曜】試合前日練習(ホーム)または移動(アウェイ)

 

ただ頻度を上げただけではない。トレーニング中、スタッフを各ステーションに付け、パーソナルトレーニングに近い形で積極的に挙上重量をコントロール。選手達を徹底的に追い込んでいく体制を作った。

 

「今の時点で、ストレングストレーニングの測定値とフィールドでの数値にしっかりと出ています。ヨーヨーテストやスプリント アジリティなど、昨年と比べてすべていい数字でした。もともと優れた数字を出していた選手はもちろん今年もいいですし、それほど数値が高くなかった選手が大幅に上がった。全体の底上げができた印象ですね。

 

例えばMF山口大輝は昨年、大幅にパワーアップした選手ですが、今年は走力が一気に上がりました。またFW岩渕弘人、滝沢昂司も昨年からスプリント系のトレーニングを積み重ねてきましたが、その成果が実際の数字となって表れているし、何よりプレーの向上に結びついていることを実感できているそうです。他にも、昨年入ったメンバーを中心に、ここにきてぐっと伸びてきた印象があります」(鈴木)

 

また、1日の練習スケジュールも変更となった。昨年までは二部練習の場合、午前中にストレングストレーニングとランニング/午後にサッカーの練習というスケジュールを組んでいた。ストレングスでつけたパワーをサッカーの動きに転化させるという考えからのスケジューリングだが、これを午前サッカー/午後ストレングスという形に変更した。

 

「ストレングスを午後に持って行ったのは、しっかり出し切らせるためです。これも自分でトレーニングしてわかったことなのですが、午前にストレングスで出し切ってしまうと、午後になかなか身体が動かない。ストレングスとサッカーがどっちつかずになるぐらいならはっきりと分け、午前にサッカーを集中的にやって午後ストレングスで出し切らせ、メリハリをつける形に変更しました」(田村)

 

「昨年までは、午前にストレングス、午後にサッカーというスケジュールによって、午前のストレングスでつけたパワーを午後のサッカーで体になじませていくことを狙っていました。しかしその一方、運動生理学的に言えば、それぞれのトレーニング効果が減少してしまう可能性もあった。そこで思い切って今年の形にしました。もちろん、それぞれのやり方にメリットもデメリットもあり熟慮した結果ですし、シーズンが進むにつれて状況次第で柔軟にアレンジを加えていくと思います。

 

JFL開幕を控え、現在のストレングストレーニングは重量だけでなく、挙上スピードやトータルパワーを意識。より実戦でのパワー発揮に近い形のトレーニングを積んでいます。年間を通じてパワーを発揮できるコンディションを保つためにも、1年の中でスケジュールなどは柔軟に変えていきます。例えばシーズン中でも試合期間が空く場合は筋肥大系のプログラムを組みますし、試合が続く時期はトレーニングのボリューム調整は必要になると思います。ただし、年間を通じてコンスタントに負荷をかけ続けることに変わりはありません」(鈴木)

 

■多くの課題が見えた一戦。

 

2月28日の福島ダービー。いわきFCはFW鈴木、岩渕、MF山口らが果敢に攻め入るも得点ならず。0対0で迎えた後半アディショナルタイム1分、福島ユナイテッドFCのFWイスマイラのゴールを許し、敗れた。

 

しかし、J3に所属する福島ユナイテッドFCと2年ぶりのダービーを戦えたことは、大きな収穫となったようだ。田村監督は試合を振り返り、こう語る。

 

「福島ユナイテッドさんはこれまでとスタイルを変え、ファイティングスピリットにあふれていました。ゲーム強度が上がった印象がありました。試合開始直後からガンガン来るのは予想していて、それでも上回れると思っていました。でもなかなか上手くいかず、浮ついた雰囲気のまま試合が進んでしまいました。

 

強風など難しい要素はありましたが、今日の試合では多くの課題が見えた。できる選手がいた反面、まるで緊張感に飲まれた選手もいた。できる選手とできない選手、戦える選手と飲み込まれてしまう選手を見極めることができました。

 

負けてはいけない試合でしたが、今日がJFLの開幕戦でなくてよかった、というのが正直な感想です。まだまだ甘いですね。リーグ戦で今日のようなふわふわした感じが出たら命取りになる。悔しさを受け止め、課題を修正していきます」

 

2月の福島県沖地震の影響もあり、思うようにトレーニングマッチを組めていなかったいわきFCにとって、ダービーは今季初の同格以上のチームとの真剣勝負。貴重な実戦機会となった。ここで見つかったさまざまな課題を修正し、2週間後のJFL開幕戦に臨む。

 

JFL第1節は3月14日(日)13時より、いわきグリーンフィールドにヴィアティン三重を迎えて行われる。

 

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2月28日、Jヴィレッジスタジアムに2128名の来場者を迎えて「東日本大震災メモリアルマッチ 福島ダービー」として、いわきFCは福島ユナイテッドFCとプレシーズンマッチを行った。

 

いわきFCは新システム42でこの1戦に挑んだ。GKはベテランの坂田大樹、DF陣はCBに徳島ヴォルティスから今季補強した奥田雄大と、東海大から加入した米澤哲哉を起用。新システムのキーとなる両サイドバックは左に日高大、右に新加入の嵯峨理久。MFはアンカーに山下優人、左にキャプテン山口大輝、右には昨季ヴィアティン三重で活躍した古川大悟。FWは大黒柱の鈴木翔大と2年目の岩渕弘人が組み、トップ下にベテラン平岡将豪が入った。

 

試合は福島ユナイテッドFCが立ち上がりからアグレッシブに攻め立て、いわきFCも持ち前の走力で応戦。激しく攻守が入れ替わる展開となった。

 

 

■年間を通じて選手を鍛え続ける。

 

昨年、JFLへの参戦を果たしたいわきFC。結果は、リーグ戦全15試合で6勝3引き分け6敗、勝ち点21の7位という悔しいものだった。

 

2021年。チームは原点回帰を目指し「HumbleHungry」というテーマを掲げるとともに、明確に「今年は必ずJ3昇格を果たす」と宣言。年初から、例年にない量のストレングストレーニングをこなしてきた。その背景について、田村雄三監督は語る。

 

「今年は原点回帰しました。いわきFCは『日本のフィジカルスタンダードを変える』と宣言しているクラブ。その思いに戻って、もっと鍛えなくてはいけないし、フィジカルはまだまだ向上の余地がある。それがわかったのは何を隠そう、自分が昨年から本格的にトレーニングを始めたからです。

 

やってみると、自分の身体は短期間で変化していきました。それなのに、選手達の身体はなぜ変わらないんだろう、という疑問が生まれた。もちろん変わっている選手もいますが、ちゃんとした施設でちゃんと鍛えて、ちゃんと食べて寝れば、必ず筋肉はつく。あれだけトレーニングして筋肉がつかないのは、寝ていないのか追い込めていないのか、何かしらに問題がある。そう思い、さまざまな改善を行いました。

 

Jリーグのクラブと比較しても、ウチのトレーニング施設は十分。これだけ恵まれた環境があるのだから、やる以外の選択肢はありません。

 

そして高い負荷をかける一方で、ケガをさせないことも大事。ギリギリを攻めるためにはスケジュールやピリオダイゼーション、そして何より、選手とのコミュニケーションが大事になります」

 

トレーニングを統括する鈴木秀紀パフォーマンスコーチは語る。

 

「昨年は年初と春先の自粛期間にストレングストレーニングを重点的に行う期間を設け、シーズンイン後も週2回行ってきました。今年はストレングスの頻度を増やし、全選手が週3回、多い選手で週4回。年間を通じて選手を鍛え続けるつもりです」

 

代表的な1週間の流れは以下の通りだ。

 

【日曜】ゲーム→【月曜】リカバリー/ストレングス(上半身)→【火曜】オフ→【水曜】2部練習:午前サッカー/午後ストレングス(下半身)【木曜】2部練習:午前サッカー/午後ストレングス(上半身)→【金曜】午前サッカー/午後:状況に応じて指名選手(ストレングス強化が必要な選手)のストレングス→【土曜】試合前日練習(ホーム)または移動(アウェイ)

 

ただ頻度を上げただけではない。トレーニング中、スタッフを各ステーションに付け、パーソナルトレーニングに近い形で積極的に挙上重量をコントロール。選手達を徹底的に追い込んでいく体制を作った。

 

「今の時点で、ストレングストレーニングの測定値とフィールドでの数値にしっかりと出ています。ヨーヨーテストやスプリント アジリティなど、昨年と比べてすべていい数字でした。もともと優れた数字を出していた選手はもちろん今年もいいですし、それほど数値が高くなかった選手が大幅に上がった。全体の底上げができた印象ですね。

 

例えばMF山口大輝は昨年、大幅にパワーアップした選手ですが、今年は走力が一気に上がりました。またFW岩渕弘人、滝沢昂司も昨年からスプリント系のトレーニングを積み重ねてきましたが、その成果が実際の数字となって表れているし、何よりプレーの向上に結びついていることを実感できているそうです。他にも、昨年入ったメンバーを中心に、ここにきてぐっと伸びてきた印象があります」(鈴木)

 

また、1日の練習スケジュールも変更となった。昨年までは二部練習の場合、午前中にストレングストレーニングとランニング/午後にサッカーの練習というスケジュールを組んでいた。ストレングスでつけたパワーをサッカーの動きに転化させるという考えからのスケジューリングだが、これを午前サッカー/午後ストレングスという形に変更した。

 

「ストレングスを午後に持って行ったのは、しっかり出し切らせるためです。これも自分でトレーニングしてわかったことなのですが、午前にストレングスで出し切ってしまうと、午後になかなか身体が動かない。ストレングスとサッカーがどっちつかずになるぐらいならはっきりと分け、午前にサッカーを集中的にやって午後ストレングスで出し切らせ、メリハリをつける形に変更しました」(田村)

 

「昨年までは、午前にストレングス、午後にサッカーというスケジュールによって、午前のストレングスでつけたパワーを午後のサッカーで体になじませていくことを狙っていました。しかしその一方、運動生理学的に言えば、それぞれのトレーニング効果が減少してしまう可能性もあった。そこで思い切って今年の形にしました。もちろん、それぞれのやり方にメリットもデメリットもあり熟慮した結果ですし、シーズンが進むにつれて状況次第で柔軟にアレンジを加えていくと思います。

 

JFL開幕を控え、現在のストレングストレーニングは重量だけでなく、挙上スピードやトータルパワーを意識。より実戦でのパワー発揮に近い形のトレーニングを積んでいます。年間を通じてパワーを発揮できるコンディションを保つためにも、1年の中でスケジュールなどは柔軟に変えていきます。例えばシーズン中でも試合期間が空く場合は筋肥大系のプログラムを組みますし、試合が続く時期はトレーニングのボリューム調整は必要になると思います。ただし、年間を通じてコンスタントに負荷をかけ続けることに変わりはありません」(鈴木)

 

■多くの課題が見えた一戦。

 

2月28日の福島ダービー。いわきFCはFW鈴木、岩渕、MF山口らが果敢に攻め入るも得点ならず。0対0で迎えた後半アディショナルタイム1分、福島ユナイテッドFCのFWイスマイラのゴールを許し、敗れた。

 

しかし、J3に所属する福島ユナイテッドFCと2年ぶりのダービーを戦えたことは、大きな収穫となったようだ。田村監督は試合を振り返り、こう語る。

 

「福島ユナイテッドさんはこれまでとスタイルを変え、ファイティングスピリットにあふれていました。ゲーム強度が上がった印象がありました。試合開始直後からガンガン来るのは予想していて、それでも上回れると思っていました。でもなかなか上手くいかず、浮ついた雰囲気のまま試合が進んでしまいました。

 

強風など難しい要素はありましたが、今日の試合では多くの課題が見えた。できる選手がいた反面、まるで緊張感に飲まれた選手もいた。できる選手とできない選手、戦える選手と飲み込まれてしまう選手を見極めることができました。

 

負けてはいけない試合でしたが、今日がJFLの開幕戦でなくてよかった、というのが正直な感想です。まだまだ甘いですね。リーグ戦で今日のようなふわふわした感じが出たら命取りになる。悔しさを受け止め、課題を修正していきます」

 

2月の福島県沖地震の影響もあり、思うようにトレーニングマッチを組めていなかったいわきFCにとって、ダービーは今季初の同格以上のチームとの真剣勝負。貴重な実戦機会となった。ここで見つかったさまざまな課題を修正し、2週間後のJFL開幕戦に臨む。

 

JFL第1節は3月14日(日)13時より、いわきグリーンフィールドにヴィアティン三重を迎えて行われる。

 

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