DNS ZONE

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競技パフォーマンスUP

「トレーニング前の食事」についての気付き。

Vol.2 「トレーニング前の食事」についての気付き。

DESIRE TO EVOLUTION

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「トレーニング前の食事」についての気付き。

Vol.2 「トレーニング前の食事」についての気付き。

DNS栄養士・田中初紀が、Team DNSのサッカークラブ「いわきFC」のニュートリション(栄養)サポートについてのあれこれを、赤裸々に(!?)綴ります。かつてチームの中にいたからこそ見えたもの、感じたこと。そして選手達の素顔に触れながら、アスリートのパフォーマンスアップに有益な栄養情報をお伝えしていきます。

■魔法のような食べ物はありません。

今回は、2018年にいわきFCのサポートを始めたころの話をしようと思います。 

いわきFCは「魂の息吹くフットボール」という、フィジカルトレーニングで身体を鍛え上げた選手達が90分間走り続ける攻撃的なサッカーをします。そのため、毎日はとてもハード。栄養価の高い、バランスのいい食事をしっかり摂らないと、練習やトレーニングについていけません。

しかし「これを食べたら身体が大きくなる」「これを食べたら当たり負けしなくなる」「これを食べたら足が速くなる」「これを食べたらケガをしない」という魔法のような食べ物は、残念ながらありません。

「直接結果に結びつかないなら、結局、何を食べても大差ないんじゃないの?」

そう思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

身体が求める栄養素をしっかりと摂ることで、身体作りが促進され、身体の回復が進みます。それにより、結果としてトレーニングにより集中できたり、ケガをしにくい身体を作ることができます。 

だから、毎日の食事がとても大切なのです。 

■若くて伸びしろ無限大の選手達。 

実際に現場に出てみると、見るもの感じるものとても新鮮。最初は手探りで、空気を察することから始めました。 

私の頭の中には「サッカー選手=チャラそう…」という勝手なイメージがありました。茶髪でワックスがっつり、小麦色に日焼けした腕がTシャツの袖から見えて、白い歯でキラキラスマイル。 

そんな思い込みがありましたが、実際に会った選手達はまったく違いました。印象は、サッカーが大好きな真面目な子達。みんな、サッカーをしている時以外は本当によく笑う普通の青年でした。 

高卒もいれば大卒もいる。若くて、伸びしろ無限大の選手達。 

彼らがそれぞれ輝けるようサポートする。それが私の思いでした。 

■選手達の声を吸い上げ、新しい形を作り出していく。 

私が正式に担当となった2018シーズン、食事環境の大きな変化がありました。選手の食事を調理・提供して下さっている業者さんが代わったのです。 

業者さんが代わる=ルールや考え方が変わる、ということ。軌道に乗るまでの間、選手に環境変化によるストレスをかけないよう気を遣いました。一方、業者さんが代わるということは、選手の声を吸い上げ、新しい形を作り出していくタイミングでもあります。そのため、メニュー構成、提供品目、エネルギーバランス、常備菜の設置などなど、本当に本当にいろいろなことを試しました。 

食事の時、メニューに関するヒヤリングをすると、選手達からさまざまな声が上がりました。例えば… 

「鯖がメインだと、走っている時に魚の脂が戻ってきてしんどい。追い込む日の朝や昼は避けてほしい」 

「にんにくがっつり、チーズたっぷりのメニューも、追い込んでいる時は苦しくなるから避けてほしい」 

言われてみれば、確かにその通りです。私もそれなりにスポーツ経験があるのに、メニューを組んでいる時には気づくことができませんでした。 

この時の彼らの声が、すごく参考になりました。今でも献立を組む時、私が意識するポイントになっています。 

学び:トレーニング前の食事は「シンプルなもの」が好まれる。 

例えば、午前がラントレーニングとサッカー、午後がストレングストレーニングという日であれば、朝食はシンプルかつ軽め、昼はのど越しのいいもの、夕食はがっつり目が好まれる傾向がある、とわかりました。そのポイントを押さえると、メインメニューはこのようになります。 

朝食:鮭の塩焼き(大根おろしつき) 

昼食:豚しゃぶサラダうどん、白身魚の南蛮漬け 

夕食:鶏の照焼き、鯖の味噌煮 

試行錯誤を重ねていくうちに、選手から「今日の昼飯は何ですか?」「あのメニューおいしかかったから、また食べたい」、「麺があると、追い込んだ後でも食べやすかった」など、ポジティブな反応が増えていきました。 

身体作りの面からみると、食事はトレーニングの一部。ただし、それがすべてではありません。選手間の会話の場であり、息抜きの場、そして楽しみの場でもあります。選手達の反応の変化は私にとって、とてもうれしいものでした。 

■たくさんの方にご協力をいただき、走り切った時間。 

2018年当時、私がいわきに行くのは週1回だけでした。でも調理担当の栄養士さんから「今週は選手達、疲れているようです」「食欲が落ちているようです」「このメニュー評判よかったです」「〇〇選手、ケガしちゃったみたいで…」と、かなり頻繁にご連絡をいただいていたので、現場の状況はキャッチできていました。とても恵まれた環境だったと思います。 

食事とは関係ありませんが、ホームゲームの時は調理担当の栄養士さんやパートさんがいつも試合会場で応援して下さっていました。食事だけでなく、常に一緒に戦って下さっていました。感謝の気持ちでいっぱいです。 

私自身がサポートを開始した2018年は、手探りでありながらもさまざまなことに挑戦させていただきました。そしてたくさんの方にご協力をいただき、走り切った時間でした。 

次回は2018年からスタートした、いわきFCアカデミーへの食事提供のお話を書いていきたいと思います。 

では、また! 



田中 初紀

田中 初紀 │ Hazuki Tanaka

栄養士
東京農業大学卒業。2017年株式会社ドーム入社後、サプリメント事業部、ドームアスリートハウスを経て、2020年より株式会社DNSブランドマーケティング部に所属。アスリートや健康の保持・増進を目指す方への栄養サポート、レシピ・献立提供、各種食事コンテンツの作成を行う。JFL所属のいわきFCのトップチームからアカデミーまでを担当。自身も5歳から少林寺拳法に打ち込む現役アスリート。一児の母として、子育て奮闘中。

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DNS栄養士・田中初紀が、Team DNSのサッカークラブ「いわきFC」のニュートリション(栄養)サポートについてのあれこれを、赤裸々に(!?)綴ります。かつてチームの中にいたからこそ見えたもの、感じたこと。そして選手達の素顔に触れながら、アスリートのパフォーマンスアップに有益な栄養情報をお伝えしていきます。

■魔法のような食べ物はありません。

今回は、2018年にいわきFCのサポートを始めたころの話をしようと思います。 

いわきFCは「魂の息吹くフットボール」という、フィジカルトレーニングで身体を鍛え上げた選手達が90分間走り続ける攻撃的なサッカーをします。そのため、毎日はとてもハード。栄養価の高い、バランスのいい食事をしっかり摂らないと、練習やトレーニングについていけません。

しかし「これを食べたら身体が大きくなる」「これを食べたら当たり負けしなくなる」「これを食べたら足が速くなる」「これを食べたらケガをしない」という魔法のような食べ物は、残念ながらありません。

「直接結果に結びつかないなら、結局、何を食べても大差ないんじゃないの?」

そう思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

身体が求める栄養素をしっかりと摂ることで、身体作りが促進され、身体の回復が進みます。それにより、結果としてトレーニングにより集中できたり、ケガをしにくい身体を作ることができます。 

だから、毎日の食事がとても大切なのです。 

■若くて伸びしろ無限大の選手達。 

実際に現場に出てみると、見るもの感じるものとても新鮮。最初は手探りで、空気を察することから始めました。 

私の頭の中には「サッカー選手=チャラそう…」という勝手なイメージがありました。茶髪でワックスがっつり、小麦色に日焼けした腕がTシャツの袖から見えて、白い歯でキラキラスマイル。 

そんな思い込みがありましたが、実際に会った選手達はまったく違いました。印象は、サッカーが大好きな真面目な子達。みんな、サッカーをしている時以外は本当によく笑う普通の青年でした。 

高卒もいれば大卒もいる。若くて、伸びしろ無限大の選手達。 

彼らがそれぞれ輝けるようサポートする。それが私の思いでした。 

■選手達の声を吸い上げ、新しい形を作り出していく。 

私が正式に担当となった2018シーズン、食事環境の大きな変化がありました。選手の食事を調理・提供して下さっている業者さんが代わったのです。 

業者さんが代わる=ルールや考え方が変わる、ということ。軌道に乗るまでの間、選手に環境変化によるストレスをかけないよう気を遣いました。一方、業者さんが代わるということは、選手の声を吸い上げ、新しい形を作り出していくタイミングでもあります。そのため、メニュー構成、提供品目、エネルギーバランス、常備菜の設置などなど、本当に本当にいろいろなことを試しました。 

食事の時、メニューに関するヒヤリングをすると、選手達からさまざまな声が上がりました。例えば… 

「鯖がメインだと、走っている時に魚の脂が戻ってきてしんどい。追い込む日の朝や昼は避けてほしい」 

「にんにくがっつり、チーズたっぷりのメニューも、追い込んでいる時は苦しくなるから避けてほしい」 

言われてみれば、確かにその通りです。私もそれなりにスポーツ経験があるのに、メニューを組んでいる時には気づくことができませんでした。 

この時の彼らの声が、すごく参考になりました。今でも献立を組む時、私が意識するポイントになっています。 

学び:トレーニング前の食事は「シンプルなもの」が好まれる。 

例えば、午前がラントレーニングとサッカー、午後がストレングストレーニングという日であれば、朝食はシンプルかつ軽め、昼はのど越しのいいもの、夕食はがっつり目が好まれる傾向がある、とわかりました。そのポイントを押さえると、メインメニューはこのようになります。 

朝食:鮭の塩焼き(大根おろしつき) 

昼食:豚しゃぶサラダうどん、白身魚の南蛮漬け 

夕食:鶏の照焼き、鯖の味噌煮 

試行錯誤を重ねていくうちに、選手から「今日の昼飯は何ですか?」「あのメニューおいしかかったから、また食べたい」、「麺があると、追い込んだ後でも食べやすかった」など、ポジティブな反応が増えていきました。 

身体作りの面からみると、食事はトレーニングの一部。ただし、それがすべてではありません。選手間の会話の場であり、息抜きの場、そして楽しみの場でもあります。選手達の反応の変化は私にとって、とてもうれしいものでした。 

■たくさんの方にご協力をいただき、走り切った時間。 

2018年当時、私がいわきに行くのは週1回だけでした。でも調理担当の栄養士さんから「今週は選手達、疲れているようです」「食欲が落ちているようです」「このメニュー評判よかったです」「〇〇選手、ケガしちゃったみたいで…」と、かなり頻繁にご連絡をいただいていたので、現場の状況はキャッチできていました。とても恵まれた環境だったと思います。 

食事とは関係ありませんが、ホームゲームの時は調理担当の栄養士さんやパートさんがいつも試合会場で応援して下さっていました。食事だけでなく、常に一緒に戦って下さっていました。感謝の気持ちでいっぱいです。 

私自身がサポートを開始した2018年は、手探りでありながらもさまざまなことに挑戦させていただきました。そしてたくさんの方にご協力をいただき、走り切った時間でした。 

次回は2018年からスタートした、いわきFCアカデミーへの食事提供のお話を書いていきたいと思います。 

では、また! 



田中 初紀

田中 初紀 │ Hazuki Tanaka

栄養士
東京農業大学卒業。2017年株式会社ドーム入社後、サプリメント事業部、ドームアスリートハウスを経て、2020年より株式会社DNSブランドマーケティング部に所属。アスリートや健康の保持・増進を目指す方への栄養サポート、レシピ・献立提供、各種食事コンテンツの作成を行う。JFL所属のいわきFCのトップチームからアカデミーまでを担当。自身も5歳から少林寺拳法に打ち込む現役アスリート。一児の母として、子育て奮闘中。