競技パフォーマンスUP

WARRIOR’S STORY 鈴木大輔

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WARRIOR’S STORY 鈴木大輔

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(この記事は2018年9月に公開されました。記事内の情報は取材当時のものです。)

2016年よりスペイン2部リーグのジムナスティック・タラゴナで活躍し、現在、新たな挑戦に向け準備を重ねる元サッカー日本代表・鈴木大輔選手。2年半の挑戦を振り返り、本場で感じたこと、そして、これからについて語ってもらった。

■身体を効率的に使うことの重要性を痛感。

右も左もわからず異国に飛び込み、2年半。厳しい戦いを経てスペインという国のサッカーと文化への理解を深め、多くの貴重な経験を得た。

「これからのキャリアのベースになる、大きな自信をつけることができたと思います。最も変わったのはメンタル。普段の練習の取り組み方や、試合に向けた気持ちの作り方です。向こうの選手はウォーミングアップは笑いながらやっているけれど、試合になったら目の色を変えて120%で戦う。気持ちのメリハリの重要性を痛感しました。
スペインでは消極的な態度でいると、練習からどんどん雰囲気に飲まれてしまう。主体性を持って積極的にプレーする心構えが必要ですし、気持ちを作って毎日の練習に臨まないとダメ。みんな、自分が一番上手いと思ってプレーしていますからね。わかりやすく言えば、全員がサッカー少年。思うがまま楽しんでプレーしていた当時の感覚でやっていて、しかもメンタルが本当に強い」

世界での戦いを意識し、身体を大きくするため筋力トレーニングに取り組み始めたのは10代後半のころ。年代別日本代表に選出され、世界と戦う経験を得たことで、フィジカル強化の重要性を知った。その後は、日本を代表する大型センターバックとしてロンドン五輪で活躍。2013年からはドームアスリートハウスでトレーニングを積み、2016年にスペインへ渡った。

鈴木大輔選手

鈴木大輔選手

「以前から筋力トレーニングに取り組んで身体を大きくしてきたので、よーいドン! でぶつかり合って、ふっ飛ばされるようなことはありませんでした。むしろ実感したのは、身体を効率的に使うことの重要性。向こうの上手い選手はこちらがボールを奪おうとすると、くるりと反転してかわしてきたりする。彼らに対抗するには、パワーだけでは無理。自分の身体をもっと上手く使いこなさないと、止められないことがよくわかりました」

相手選手を止める方法は一つではない。身長190㎝体重80㎏以上の大きな身体で対抗するやり方もあれば、周囲と連携して抑え込む方法もある。サイズと得点能力を兼ね備えたFWがいたら、ディフェンスのラインを上げてクロスを上げさせないようにすれば封じることができる。そして、ボールを持たせる前に対処することも大事だ。例えば身体の強い選手にボールが入りそうになったら、少し押してバランスを崩しておく。そういった駆け引きが、スペインで最も伸びた部分だと語る。

「それらの技術はJリーグではなかなか身につかない。そもそも教えてもらったことがないし、1対1ではがされる経験が少なかったから、駆け引きを習得しようと考えるまでに至らなかった。実際にスペインで戦って、やられて『どうすれば止められるんだろう』と悩みながら、徐々に体得していきました」

チームが所属するリーグはディビジョン2だが、レベルは高い。相手選手とどう対峙するかを突き詰める中で知ったのが『スペインと日本は、サッカーの原理原則への理解に大きな差がある』ということだった。

「スペインでは、サッカーのゲームの中で起こる『この選手がこう動いたら、このスペースがこのように空く』といった原理原則がすべて言語化されていて、コーチの指導は日本よりもずっと緻密です。彼らの言うことを一つ一つ理解することで、日本で感覚的にとらえてきた局面局面の動きを、きちんと説明できるようになった。これは非常に大きなことでした。サッカーはチームスポーツであって、サッカーで起こる現象は無限にあるけれど、そのうちほとんどは理屈で説明できるものなんです。そしてヨーロッパでトップクラスの選手には、ピッチで今何が起きているのかを把握し、瞬時にポジションを変更していく能力が、必ず備わっている。
つまり世界では、フィジカルトレーニングをちゃんとやることは当たり前なんです。それに加えて適切な状況判断ができて、初めてそこで互角に戦える。ベースとなるフィジカルトレーニングを疎かにして、テクニックや状況判断だけを追いかけていてはダメなんです。僕がそれをわかったのは、10代のころから筋力トレーニングにきちんと取り組んできたから。トレーナーさんのアドバイスを聞いて、自分の身体と向き合ってきた経験があるからこそ、今がある。スペインでの戦いを経て、それを確信しています」

■どんな選手が来ても、柔軟に対応できる身体を作っていきたい。

現在のサイズは身長182㎝、体重74㎏。日本では大型センターバックと言われるが、スペインでは決して大きい方ではない。しかもスペインに渡ってから、体重が2~3㎏減った。

鈴木大輔選手

鈴木大輔選手

「最初は大丈夫かと不安になりましたが、それでもよく動けたので、74㎏をキープするように心がけました。現状はこれぐらいがちょうどいいと思っています。向こうは年間45~46試合をこなさねばなりませんから、ほぼ毎週試合。特にシーズン終盤になると疲れがたまって、体重はどうしても減りがちになりますね」

そんな状況を踏まえて現在摂っているサプリメントは、プロテインの他、R4ビタミン、ZMA、ジョイント、EPAなど。

「摂っているものはここ数年変わりませんが、すべてのサプリメントを毎日、ということはなくなりました。昔なら何も考えずにすべてのサプリメントを摂ろうと考えていましたが、今は違う。例えばちょっと疲労を抜きたいと思ったらEPAを摂ったり、疲れていると思ったら練習後のプロテインに加えてR4を飲んだり、というように、身体の状態に応じて必要なサプリメントを選んでいます。同じサプリメントを長年摂っているので、今の状況でこれを摂ったらこうなる、というのが、経験則でわかるようになりましたね」

この夏にチームとの契約を満了。現在は新たな挑戦に向けて準備中だ。国内外多くのチームからオファーを受けているが、8月下旬時点で去就は決まっていない。

「理想を言うと、どんな相手が来ても対応できる選手になりたい。パワーのある選手が来てもスピードのある選手が来ても、その都度、柔軟に対応できる身体を作っていきたい。そのためにはフィジカルを高めなくてはいけないし、状況判断能力や戦術理解力など、すべてをワンランク上げていかねばならないと思っています。
そして、ここまでいろいろな経験をさせてもらったので、今後はそれを徐々に日本に還元していきたい。そのためにも、次の挑戦がどうなるかはまだ何とも言えませんが、サッカー選手そして一人の人間として、もっともっと自分を成長させていきたいです」

ZMAスーパープレミアムは現在終売しております。
※JOINT スーパープレミアムは現在終売しております。後継品は3WAY CARE
です。

(終わり)

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(この記事は2018年9月に公開されました。記事内の情報は取材当時のものです。)

2016年よりスペイン2部リーグのジムナスティック・タラゴナで活躍し、現在、新たな挑戦に向け準備を重ねる元サッカー日本代表・鈴木大輔選手。2年半の挑戦を振り返り、本場で感じたこと、そして、これからについて語ってもらった。

■身体を効率的に使うことの重要性を痛感。

右も左もわからず異国に飛び込み、2年半。厳しい戦いを経てスペインという国のサッカーと文化への理解を深め、多くの貴重な経験を得た。

「これからのキャリアのベースになる、大きな自信をつけることができたと思います。最も変わったのはメンタル。普段の練習の取り組み方や、試合に向けた気持ちの作り方です。向こうの選手はウォーミングアップは笑いながらやっているけれど、試合になったら目の色を変えて120%で戦う。気持ちのメリハリの重要性を痛感しました。
スペインでは消極的な態度でいると、練習からどんどん雰囲気に飲まれてしまう。主体性を持って積極的にプレーする心構えが必要ですし、気持ちを作って毎日の練習に臨まないとダメ。みんな、自分が一番上手いと思ってプレーしていますからね。わかりやすく言えば、全員がサッカー少年。思うがまま楽しんでプレーしていた当時の感覚でやっていて、しかもメンタルが本当に強い」

世界での戦いを意識し、身体を大きくするため筋力トレーニングに取り組み始めたのは10代後半のころ。年代別日本代表に選出され、世界と戦う経験を得たことで、フィジカル強化の重要性を知った。その後は、日本を代表する大型センターバックとしてロンドン五輪で活躍。2013年からはドームアスリートハウスでトレーニングを積み、2016年にスペインへ渡った。

鈴木大輔選手

鈴木大輔選手

「以前から筋力トレーニングに取り組んで身体を大きくしてきたので、よーいドン! でぶつかり合って、ふっ飛ばされるようなことはありませんでした。むしろ実感したのは、身体を効率的に使うことの重要性。向こうの上手い選手はこちらがボールを奪おうとすると、くるりと反転してかわしてきたりする。彼らに対抗するには、パワーだけでは無理。自分の身体をもっと上手く使いこなさないと、止められないことがよくわかりました」

相手選手を止める方法は一つではない。身長190㎝体重80㎏以上の大きな身体で対抗するやり方もあれば、周囲と連携して抑え込む方法もある。サイズと得点能力を兼ね備えたFWがいたら、ディフェンスのラインを上げてクロスを上げさせないようにすれば封じることができる。そして、ボールを持たせる前に対処することも大事だ。例えば身体の強い選手にボールが入りそうになったら、少し押してバランスを崩しておく。そういった駆け引きが、スペインで最も伸びた部分だと語る。

「それらの技術はJリーグではなかなか身につかない。そもそも教えてもらったことがないし、1対1ではがされる経験が少なかったから、駆け引きを習得しようと考えるまでに至らなかった。実際にスペインで戦って、やられて『どうすれば止められるんだろう』と悩みながら、徐々に体得していきました」

チームが所属するリーグはディビジョン2だが、レベルは高い。相手選手とどう対峙するかを突き詰める中で知ったのが『スペインと日本は、サッカーの原理原則への理解に大きな差がある』ということだった。

「スペインでは、サッカーのゲームの中で起こる『この選手がこう動いたら、このスペースがこのように空く』といった原理原則がすべて言語化されていて、コーチの指導は日本よりもずっと緻密です。彼らの言うことを一つ一つ理解することで、日本で感覚的にとらえてきた局面局面の動きを、きちんと説明できるようになった。これは非常に大きなことでした。サッカーはチームスポーツであって、サッカーで起こる現象は無限にあるけれど、そのうちほとんどは理屈で説明できるものなんです。そしてヨーロッパでトップクラスの選手には、ピッチで今何が起きているのかを把握し、瞬時にポジションを変更していく能力が、必ず備わっている。
つまり世界では、フィジカルトレーニングをちゃんとやることは当たり前なんです。それに加えて適切な状況判断ができて、初めてそこで互角に戦える。ベースとなるフィジカルトレーニングを疎かにして、テクニックや状況判断だけを追いかけていてはダメなんです。僕がそれをわかったのは、10代のころから筋力トレーニングにきちんと取り組んできたから。トレーナーさんのアドバイスを聞いて、自分の身体と向き合ってきた経験があるからこそ、今がある。スペインでの戦いを経て、それを確信しています」

■どんな選手が来ても、柔軟に対応できる身体を作っていきたい。

現在のサイズは身長182㎝、体重74㎏。日本では大型センターバックと言われるが、スペインでは決して大きい方ではない。しかもスペインに渡ってから、体重が2~3㎏減った。

鈴木大輔選手

鈴木大輔選手

「最初は大丈夫かと不安になりましたが、それでもよく動けたので、74㎏をキープするように心がけました。現状はこれぐらいがちょうどいいと思っています。向こうは年間45~46試合をこなさねばなりませんから、ほぼ毎週試合。特にシーズン終盤になると疲れがたまって、体重はどうしても減りがちになりますね」

そんな状況を踏まえて現在摂っているサプリメントは、プロテインの他、R4ビタミン、ZMA、ジョイント、EPAなど。

「摂っているものはここ数年変わりませんが、すべてのサプリメントを毎日、ということはなくなりました。昔なら何も考えずにすべてのサプリメントを摂ろうと考えていましたが、今は違う。例えばちょっと疲労を抜きたいと思ったらEPAを摂ったり、疲れていると思ったら練習後のプロテインに加えてR4を飲んだり、というように、身体の状態に応じて必要なサプリメントを選んでいます。同じサプリメントを長年摂っているので、今の状況でこれを摂ったらこうなる、というのが、経験則でわかるようになりましたね」

この夏にチームとの契約を満了。現在は新たな挑戦に向けて準備中だ。国内外多くのチームからオファーを受けているが、8月下旬時点で去就は決まっていない。

「理想を言うと、どんな相手が来ても対応できる選手になりたい。パワーのある選手が来てもスピードのある選手が来ても、その都度、柔軟に対応できる身体を作っていきたい。そのためにはフィジカルを高めなくてはいけないし、状況判断能力や戦術理解力など、すべてをワンランク上げていかねばならないと思っています。
そして、ここまでいろいろな経験をさせてもらったので、今後はそれを徐々に日本に還元していきたい。そのためにも、次の挑戦がどうなるかはまだ何とも言えませんが、サッカー選手そして一人の人間として、もっともっと自分を成長させていきたいです」

ZMAスーパープレミアムは現在終売しております。
※JOINT スーパープレミアムは現在終売しております。後継品は3WAY CARE
です。

(終わり)

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