体重・筋量UP

Part 39 クラスター・トレーニングでデッドリフトを伸ばせ!

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Part 39 クラスター・トレーニングでデッドリフトを伸ばせ!

Part 39 クラスター・トレーニングでデッドリフトを伸ばせ!

フォーカスする筋肉:ハムストリングス、大臀筋、脊柱起立筋群、広背筋、僧帽筋など
機能:股関節の伸展、肩関節の伸展、肩甲骨の内転
フォーカスする筋肉:ハムストリングス、大臀筋、脊柱起立筋群、広背筋、僧帽筋など

筋力を向上させるためには、高重量でのトレーニングが必要となる。しかし高重量かつ低回数のセットでは神経系への刺激は大きいものの、レップスがあまりに少なすぎるため筋緊張時間が短く、筋肥大には向かないとされている。
高重量を扱い、同時に筋緊張時間も稼ぐためのテクニックとして、「レストポーズ法」というものがある。これはマックスの90~95%の重量を扱い、まず2~3回行って数十秒休み、また1~2回行って数十秒休み…といった要領でセットを続け、トータルで10レップス程度を行う方法だ。
実際にやってみると体力的にはそれほどハードでないため、1セットだけでは物足りず、あと数セット行いたくなるだろう。しかし運動生理学的に言って「強度」というのは、使用重量とほとんど同じ意味である。
つまり行っている時はきつく感じなくても、レストポーズ法は高強度のトレーニングなのである。実は強いダメージが筋肉と神経系、関節に与えられており、回復するためには思ったよりも時間がかかる。行いすぎるとオーバーワークを招いてしまいやすいテクニックなのだ。

レストポーズ法は強度が高すぎるため、自分の体調を見極めることができるベテラン向けのテクニックである。そこで、もう少し強度を調節して一般向けに行うことのできる方法を紹介しよう。
それが「クラスター・トレーニング(Cluster Training)」というテクニックである。レストポーズ法の場合は数十秒のインターバルを入れつつ、すべてをギリギリのレップスだけ行う。しかしクラスター・トレーニングの場合、最初のほうはある程度余裕をもって行い、意識的に短いインターバルを挟んでいく。それを繰り返しつつ、最終レップスの周辺だけギリギリまで追い込むというものだ。
具体例をあげよう。クラスター・トレーニングが特に有効なエクササイズとして、デッドリフトが勧められる。デッドリフトのマックスが150kgで6回の場合、このようにクラスター・トレーニングを行う。

■クラスター・トレーニングの例

     
  1. 160kgで2回行う。 本来は4回くらいできるが、2回まででストップ。
  2.  
  3. 5~10秒のインターバルを取り、ストラップを締め直してまた2回行う。
  4.  
  5. また5~10秒のインターバルを取り、ストラップを締め直してまた2回行う。
  6.  
  7. 10~15秒のインターバルを取り、ストラップを締め直して1回行う。このあたりでキツクなってくる。
  8.  
  9. 10~15秒のインターバルを取り、ストラップを締め直して1回行う。これがギリギリ。


 [ デッドリフトのスタート ]


 [ デッドリフトのフィニッシュ ]

▼参考動画 デッドリフト クラスター・トレーニング法(インターバル7秒)



つまり最初の数レップスは余裕を持って行う。そしてレストポーズ法よりも短いインターバル(呼吸と気合を整えるぐらい)を取ったら、すぐ次のレップスに移る。それを繰り返し、1レップもできなくなったら、そこで終了する。トータルで8~10レップス程度を目指していこう。
使用重量としては、だいだいギリギリ3~4レップスくらいできるウェイトで設定する。ただし回復の早いウォリアーや女性などは、休みを入れるといくらでもできてしまうことがある。そのような場合はインターバルを5~6秒程度にまで短くし、全体のレップスが15レップスを超えたらそこで強制的に終了するようにする。

エクササイズの選定だが、スクワットやベンチプレスなどは、インターバルごとにいちいちラックに戻す必要がある。またダンベルベンチプレスのようなエクササイズでは、スタートポジションに持ってくるだけで多大なパワーを消費してしまう。
デッドリフトの他ではチンニングやロウイングなどの背中のエクササイズと相性がいい。またレッグプレスやスミスマシンを使ったエクササイズも、インターバルで余計な労力を使わずにすむため、クラスター・トレーニングを行うのに好適である。

エリートレベルのラグビープレイヤーを対象に行われた実験※1では、瞬間的なスピードとパワーを向上させるためには、通常のトレーニングよりもクラスター・トレーニングのほうが有効だったという。壁が破れなくて困っているウォリアーは、ぜひ試してほしい。

(Part.38を読む)
(Part.40を読む)


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フォーカスする筋肉:ハムストリングス、大臀筋、脊柱起立筋群、広背筋、僧帽筋など
機能:股関節の伸展、肩関節の伸展、肩甲骨の内転
フォーカスする筋肉:ハムストリングス、大臀筋、脊柱起立筋群、広背筋、僧帽筋など

筋力を向上させるためには、高重量でのトレーニングが必要となる。しかし高重量かつ低回数のセットでは神経系への刺激は大きいものの、レップスがあまりに少なすぎるため筋緊張時間が短く、筋肥大には向かないとされている。
高重量を扱い、同時に筋緊張時間も稼ぐためのテクニックとして、「レストポーズ法」というものがある。これはマックスの90~95%の重量を扱い、まず2~3回行って数十秒休み、また1~2回行って数十秒休み…といった要領でセットを続け、トータルで10レップス程度を行う方法だ。
実際にやってみると体力的にはそれほどハードでないため、1セットだけでは物足りず、あと数セット行いたくなるだろう。しかし運動生理学的に言って「強度」というのは、使用重量とほとんど同じ意味である。
つまり行っている時はきつく感じなくても、レストポーズ法は高強度のトレーニングなのである。実は強いダメージが筋肉と神経系、関節に与えられており、回復するためには思ったよりも時間がかかる。行いすぎるとオーバーワークを招いてしまいやすいテクニックなのだ。

レストポーズ法は強度が高すぎるため、自分の体調を見極めることができるベテラン向けのテクニックである。そこで、もう少し強度を調節して一般向けに行うことのできる方法を紹介しよう。
それが「クラスター・トレーニング(Cluster Training)」というテクニックである。レストポーズ法の場合は数十秒のインターバルを入れつつ、すべてをギリギリのレップスだけ行う。しかしクラスター・トレーニングの場合、最初のほうはある程度余裕をもって行い、意識的に短いインターバルを挟んでいく。それを繰り返しつつ、最終レップスの周辺だけギリギリまで追い込むというものだ。
具体例をあげよう。クラスター・トレーニングが特に有効なエクササイズとして、デッドリフトが勧められる。デッドリフトのマックスが150kgで6回の場合、このようにクラスター・トレーニングを行う。

■クラスター・トレーニングの例

     
  1. 160kgで2回行う。 本来は4回くらいできるが、2回まででストップ。
  2.  
  3. 5~10秒のインターバルを取り、ストラップを締め直してまた2回行う。
  4.  
  5. また5~10秒のインターバルを取り、ストラップを締め直してまた2回行う。
  6.  
  7. 10~15秒のインターバルを取り、ストラップを締め直して1回行う。このあたりでキツクなってくる。
  8.  
  9. 10~15秒のインターバルを取り、ストラップを締め直して1回行う。これがギリギリ。


 [ デッドリフトのスタート ]


 [ デッドリフトのフィニッシュ ]

▼参考動画 デッドリフト クラスター・トレーニング法(インターバル7秒)



つまり最初の数レップスは余裕を持って行う。そしてレストポーズ法よりも短いインターバル(呼吸と気合を整えるぐらい)を取ったら、すぐ次のレップスに移る。それを繰り返し、1レップもできなくなったら、そこで終了する。トータルで8~10レップス程度を目指していこう。
使用重量としては、だいだいギリギリ3~4レップスくらいできるウェイトで設定する。ただし回復の早いウォリアーや女性などは、休みを入れるといくらでもできてしまうことがある。そのような場合はインターバルを5~6秒程度にまで短くし、全体のレップスが15レップスを超えたらそこで強制的に終了するようにする。

エクササイズの選定だが、スクワットやベンチプレスなどは、インターバルごとにいちいちラックに戻す必要がある。またダンベルベンチプレスのようなエクササイズでは、スタートポジションに持ってくるだけで多大なパワーを消費してしまう。
デッドリフトの他ではチンニングやロウイングなどの背中のエクササイズと相性がいい。またレッグプレスやスミスマシンを使ったエクササイズも、インターバルで余計な労力を使わずにすむため、クラスター・トレーニングを行うのに好適である。

エリートレベルのラグビープレイヤーを対象に行われた実験※1では、瞬間的なスピードとパワーを向上させるためには、通常のトレーニングよりもクラスター・トレーニングのほうが有効だったという。壁が破れなくて困っているウォリアーは、ぜひ試してほしい。

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