競技パフォーマンスUP

Part 47 線形ピリオダイゼーションによるプログラム構成

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Part 47 線形ピリオダイゼーションによるプログラム構成

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目  的: 筋力向上、パフォーマンスアップ
メリット: オーバーワークやケガの回避、効率的かつ継続的な発達

 

トレーニングプログラムの構成には、さまざまなアプローチが存在する。一般的には短期的な目標を立てることが多いが、可能ならばシーズンとオフシーズンを合わせた1年単位で計画を立てていくようにしたい。
オリンピックを目指す場合は4年単位で考えることもあるほどで、長期的な計画を事前に組み立て、かつそれを確実に実行してこそ、効率的かつ継続的なパフォーマンスの向上を得ることができるのだ。

長期的な計画を立てる場合、その期間をいくつかに「期分け」していく。例えば「全身のコンディションを整える期間」や「ストレングスを向上させる期間」、「アクティブレストによる回復期間」などに細かく分けていき、目標とする試合期に向けて最大のパフォーマンスを発揮できるようにプログラミングしていくのである。
この「期分け」によるプログラミングのことを、「ピリオダイゼーション」と呼ぶ。ピリオダイゼーションはもともとパフォーマンス向上のための考えだが、例えば「パフォーマンス⇒筋肥大」と考えれば、身体作りに応用することも可能だ。
1年中、同じようなトレーニングをしているウォリアーも多いことだろう。しかし筋肉の発達とは、刺激に対する適応現象である。そこで「期分けすることによって、定期的に与える刺激を変えていく」ことが、継続的な発達を促すことにもつながるのである。
では、ピリオダイゼーションを用いたプログラムの例を紹介しよう。

■ピリオダイゼーションを用いた筋肥大プログラム例

 

1週目~4週目 中重量・中回数による筋肥大フェイズ
各エクササイズ8~12レップス・4セット
インターバル2~4分
5週目~7週目 高重量・低回数による筋力向上フェイズ
各エクササイズ4~6レップス・3セット
インターバル3~5分
8週目~9週目 低重量・高回数による回復フェイズ
各エクササイズ15~20レップス・2セット
インターバル1~2分

※10週目からは最初に戻る。

同じ内容のトレーニングを継続して行う場合、私たちの身体は数週間で適応してしまう。だから一つのフェイズは長くても3~4週間までと考えたい。筋肥大が目的の場合は中重量で行う期間を4週間とし、筋力向上や回復に充てる期間は2~3週間とする。逆に筋力向上が主な目的の場合は高重量・低回数の期間を4週間とし、筋肥大や回復に充てる期間を2~3週間とする。
このように計画に沿って徐々に重量を増やし、レップスを減らしていく方法を「線形ピリオダイゼーション」と呼ぶ。

それとは別に、重量やレップスをトレーニングごとにランダムに変えていく方法を「非線形ピリオダイゼーション」と呼ぶが、こちらは重量やレップスの設定にそれなりの経験が必要となるため、一般的には線形ピリオダイゼーションのほうを推奨したい。
なおベテランのウォリアーならば、筋力向上フェイズの後に、「ネガティブエクササイズ・フェイズ」を2週間ほど行うのも効果的だ。ここではさらに高重量を扱い、筋肉に伸張性の刺激を与えていく。これは身体に与える負担が大きいため、長期的に行うのは望ましくない。2週間だけに区切り、また回復フェイズも3週間は取るようにしておきたい。

【ネガティブエクササイズ(ベンチプレス)】

回復フェイズにおいては、フリーウェイトでのストレッチ系エクササイズは避け、マシンによる収縮系エクササイズを採り入れるようにする。神経系の回復を促すとともに、関節も休めるというわけだ。その代わりインターバルは短めとし、心肺機能や毛細血管の発達を狙いつつ、成長ホルモンを分泌させていく。
現時点において、綿密なピリオダイゼーションを実行しているのは、専門のトレーナーに指導を仰ぐ一流アスリートに限られているようだ。しかし真剣に身体作りに取り組んでいるウォリアーならば、ぜひ一度、ピリオダイゼーションをプログラムに採り入れてほしい。

(Part.46を読む)
(Part.48を読む)

 

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◆目的
筋力向上、パフォーマンスアップ

◆メリット
オーバーワークやケガの回避、効率的かつ継続的な発達

トレーニングプログラムの構成には、さまざまなアプローチが存在する。一般的には短期的な目標を立てることが多いが、可能ならばシーズンとオフシーズンを合わせた1年単位で計画を立てていくようにしたい。
オリンピックを目指す場合は4年単位で考えることもあるほどで、長期的な計画を事前に組み立て、かつそれを確実に実行してこそ、効率的かつ継続的なパフォーマンスの向上を得ることができるのだ。

長期的な計画を立てる場合、その期間をいくつかに「期分け」していく。例えば「全身のコンディションを整える期間」や「ストレングスを向上させる期間」、「アクティブレストによる回復期間」などに細かく分けていき、目標とする試合期に向けて最大のパフォーマンスを発揮できるようにプログラミングしていくのである。
この「期分け」によるプログラミングのことを、「ピリオダイゼーション」と呼ぶ。ピリオダイゼーションはもともとパフォーマンス向上のための考えだが、例えば「パフォーマンス⇒筋肥大」と考えれば、身体作りに応用することも可能だ。
1年中、同じようなトレーニングをしているウォリアーも多いことだろう。しかし筋肉の発達とは、刺激に対する適応現象である。そこで「期分けすることによって、定期的に与える刺激を変えていく」ことが、継続的な発達を促すことにもつながるのである。
では、ピリオダイゼーションを用いたプログラムの例を紹介しよう。

■ピリオダイゼーションを用いた筋肥大プログラム例

1週目~4週目 中重量・中回数による筋肥大フェイズ
各エクササイズ8~12レップス・4セット
インターバル2~4分
5週目~7週目 高重量・低回数による筋力向上フェイズ
各エクササイズ4~6レップス・3セット
インターバル3~5分
8週目~9週目 低重量・高回数による回復フェイズ
各エクササイズ15~20レップス・2セット
インターバル1~2分

※10週目からは最初に戻る。

同じ内容のトレーニングを継続して行う場合、私たちの身体は数週間で適応してしまう。だから一つのフェイズは長くても3~4週間までと考えたい。筋肥大が目的の場合は中重量で行う期間を4週間とし、筋力向上や回復に充てる期間は2~3週間とする。逆に筋力向上が主な目的の場合は高重量・低回数の期間を4週間とし、筋肥大や回復に充てる期間を2~3週間とする。
このように計画に沿って徐々に重量を増やし、レップスを減らしていく方法を「線形ピリオダイゼーション」と呼ぶ。

それとは別に、重量やレップスをトレーニングごとにランダムに変えていく方法を「非線形ピリオダイゼーション」と呼ぶが、こちらは重量やレップスの設定にそれなりの経験が必要となるため、一般的には線形ピリオダイゼーションのほうを推奨したい。
なおベテランのウォリアーならば、筋力向上フェイズの後に、「ネガティブエクササイズ・フェイズ」を2週間ほど行うのも効果的だ。ここではさらに高重量を扱い、筋肉に伸張性の刺激を与えていく。これは身体に与える負担が大きいため、長期的に行うのは望ましくない。2週間だけに区切り、また回復フェイズも3週間は取るようにしておきたい。

【ネガティブエクササイズ(ベンチプレス)】

回復フェイズにおいては、フリーウェイトでのストレッチ系エクササイズは避け、マシンによる収縮系エクササイズを採り入れるようにする。神経系の回復を促すとともに、関節も休めるというわけだ。その代わりインターバルは短めとし、心肺機能や毛細血管の発達を狙いつつ、成長ホルモンを分泌させていく。
現時点において、綿密なピリオダイゼーションを実行しているのは、専門のトレーナーに指導を仰ぐ一流アスリートに限られているようだ。しかし真剣に身体作りに取り組んでいるウォリアーならば、ぜひ一度、ピリオダイゼーションをプログラムに採り入れてほしい。

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