体重・脂肪DOWN

冬こそチャンス、体脂肪をそぎ落とせ。 ー前編ー

冬こそチャンス、体脂肪をそぎ落とせ。 ー前編ー

DESIRE TO EVOLUTION

体重・脂肪DOWN

冬こそチャンス、体脂肪をそぎ落とせ。 ー前編ー

冬こそチャンス、体脂肪をそぎ落とせ。 ー前編ー

冬はこたつでミカン。日本人の伝統的な過ごし方だ。ウォリアーにもひとときの休息は与えられるべきだろう。しかし、休んでばかりはいられない。冬こそウォリアーの肉体をレベルアップさせるのに最適の時期だ。
それはなぜか。人間の身体には「ホメオスタシス」という機能がある。これは「恒常性」と訳され、体内の環境を一定の状態に保ち続けようとする働きをいう。体温や血圧、血糖値などが一定の範囲内に収まっているのは、ホメオスタシスが働いているからである。

■ホメオスタシスと熱産生

外部の環境変化に応じて、ホメオスタシスは稼働する。例えば夏は気温が高い。その影響で体温が高くなり過ぎないように汗をかき、身体を冷やすわけだ。逆に冬は気温が低い。そのため体温が低くなり過ぎないように、熱を生み出そうとする働きが起こる。

熱を生み出す働きは二種類ある。一つは「ふるえ熱産生」と呼ばれるものだ。寒いと自然に身体がふるえるが、これは筋肉が収縮することによって熱を生み出そうとしているからだ。
だが、なぜふるえると熱が出るのだろうか。

ふるえるというのは、ある筋肉が力を発揮すると同時に、その拮抗筋も同じように力を発揮している状態である。力が発揮されるときは、ATP が材料として使われる。そして ATPは糖質やアミノ酸、脂肪を材料としてつくられる。しかし ATP をつくるときには、どうしても無駄が発生する。だいたい 70%は ATP になることができるが、残りの 30%は熱として放散されてしまうのだ。
ふるえるときは、筋肉の収縮に ATP が必要となる。これを生み出すときに、熱が発生する。つまり、ふるえることで熱が産生されるのである。
これは当然ながら、寒いときに起こる現象だ。つまり冬になると起こりやすい。そしてより多くの ATP、熱を作り出すため、消費カロリーが増えることになる。

もう一つは「非ふるえ熱産生」と呼ばれるもので、これは「褐色脂肪組織」と呼ばれる脂肪細胞の働きによるものだ。褐色脂肪組織には「脱共役タンパク」と呼ばれるタンパク質が存在する。ここでの脱共役とは「ATP の合成を邪魔する」という意味となる。つまり通常は 30%ほどが無駄になるのだが、その割合を増やすということだ。無駄が増えれば、それだけ発生する熱も多くなる。
非ふるえ熱産生は常に起こっており、体温の維持に役立っている。これも寒い時期には活性化され、外の冷気に負けないようにしてくれる。このときも当然ながら ATP、熱が発生し、消費カロリーが増えることとなる。

長々と書いてきたが、まとめると「寒い時期は体温をキープするために消費エネルギーが増える。だから体脂肪を減らしやすい」ということである。せっかく体脂肪を減らしやすい時期なのだから、これを利用しない手はない。では、体脂肪が減るときの流れを追ってみよう。

(後編をみる)

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冬はこたつでミカン。日本人の伝統的な過ごし方だ。ウォリアーにもひとときの休息は与えられるべきだろう。しかし、休んでばかりはいられない。冬こそウォリアーの肉体をレベルアップさせるのに最適の時期だ。
それはなぜか。人間の身体には「ホメオスタシス」という機能がある。これは「恒常性」と訳され、体内の環境を一定の状態に保ち続けようとする働きをいう。体温や血圧、血糖値などが一定の範囲内に収まっているのは、ホメオスタシスが働いているからである。

■ホメオスタシスと熱産生

外部の環境変化に応じて、ホメオスタシスは稼働する。例えば夏は気温が高い。その影響で体温が高くなり過ぎないように汗をかき、身体を冷やすわけだ。逆に冬は気温が低い。そのため体温が低くなり過ぎないように、熱を生み出そうとする働きが起こる。

熱を生み出す働きは二種類ある。一つは「ふるえ熱産生」と呼ばれるものだ。寒いと自然に身体がふるえるが、これは筋肉が収縮することによって熱を生み出そうとしているからだ。
だが、なぜふるえると熱が出るのだろうか。

ふるえるというのは、ある筋肉が力を発揮すると同時に、その拮抗筋も同じように力を発揮している状態である。力が発揮されるときは、ATP が材料として使われる。そして ATPは糖質やアミノ酸、脂肪を材料としてつくられる。しかし ATP をつくるときには、どうしても無駄が発生する。だいたい 70%は ATP になることができるが、残りの 30%は熱として放散されてしまうのだ。
ふるえるときは、筋肉の収縮に ATP が必要となる。これを生み出すときに、熱が発生する。つまり、ふるえることで熱が産生されるのである。
これは当然ながら、寒いときに起こる現象だ。つまり冬になると起こりやすい。そしてより多くの ATP、熱を作り出すため、消費カロリーが増えることになる。

もう一つは「非ふるえ熱産生」と呼ばれるもので、これは「褐色脂肪組織」と呼ばれる脂肪細胞の働きによるものだ。褐色脂肪組織には「脱共役タンパク」と呼ばれるタンパク質が存在する。ここでの脱共役とは「ATP の合成を邪魔する」という意味となる。つまり通常は 30%ほどが無駄になるのだが、その割合を増やすということだ。無駄が増えれば、それだけ発生する熱も多くなる。
非ふるえ熱産生は常に起こっており、体温の維持に役立っている。これも寒い時期には活性化され、外の冷気に負けないようにしてくれる。このときも当然ながら ATP、熱が発生し、消費カロリーが増えることとなる。

長々と書いてきたが、まとめると「寒い時期は体温をキープするために消費エネルギーが増える。だから体脂肪を減らしやすい」ということである。せっかく体脂肪を減らしやすい時期なのだから、これを利用しない手はない。では、体脂肪が減るときの流れを追ってみよう。

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