競技パフォーマンスUP
どんなにハードなトレーニングを行っても、ビタミンやミネラルが不足していては本当の効果を得ることはできない。そして本来発揮できるはずのパフォーマンスを発揮することもできない。
残念ながら「バランスの良い食事」をしていても、ビタミンやミネラルは不足してしまう。
特に不足しやすいのが「亜鉛」と「マグネシウム」だ。栄養には気を遣っていると思われるNFLの選手250人以上を調査したところ、70%以上が亜鉛とマグネシウム両方が不足していたという報告もある。
亜鉛を十分に摂取することで、テストステロンが増えたという報告がある。体重1kgあたり3mgの亜鉛を4週間に渡って10名のレスラーに摂取させたところ、総テストステロンと遊離テストステロンレベルが顕著に高くなっていた7。
また普段運動しない人は、運動することによってテストステロンレベルが低下しやすい。そこで4週間に渡って体重1kgあたり3mgの亜鉛を摂取したところ、通常時からテストステロンレベルを高めることができ、運動してもテストステロンレベルの低下はそれほど起こらなかった8。
マグネシウムには筋肉をリラックスさせる作用がある。逆にカルシウムは筋肉を収縮させる作用がある。このバランスが崩れると、筋肉の痙攣が起こりやすい。夏場に肉離れや痙攣が起こりやすいのは、脱水によってミネラルバランスが崩れるからでもある。
カルシウムはホエイプロテインに含まれており、また乳製品などで簡単に摂取できる。しかしマグネシウムはナッツ類や葉野菜、海藻類に多く含まれ、なかなか十分に摂取することができない。
食事では不足しやすい亜鉛やマグネシウムを簡単に摂る方法がある。「ミネラルスーパープレミアム」を飲むことだ。一日分で30.6mgの亜鉛と390mgのマグネシウムを摂取することができる。
適切なミネラル摂取を心がけ、最高のコンディションで試合に臨むようにしたい。
忘れてならないのがプロテインだ。ウォリアーの肉体は「普通の人」の2倍以上のタンパク質を必要とする9,10,11。
そして選ぶべきはホエイプロテインだ。運動前にホエイプロテインを飲むことにより、筋肉を分解するホルモン「コルチゾル」のレベルを下げることができている。また男性ホルモンであるテストステロンのレベルを高めることもできている。大豆プロテインでは、この効果は得られていない12。
特に試合期はコンディションを崩しやすい。そんなときにバカ食いして胃腸を壊してしまっては元も子もない。試合期こそプロテインをうまく利用してたんぱく質を十分に補給し、胃腸の負担を減らすようにしたいものだ。
なおプロテインはタイミングを重視して飲むようにしたい。筋肉はトレーニング開始直後から早くも筋タンパク合成能力が亢進していることがわかっている13。
そのため、トレーニングや試合の開始60~90分前にはホエイプロテインを飲んでおくようにしたい。
また運動直後にプロテインを飲んだ場合と運動2時間後に飲んだ場合を比較したところ、直後に摂取したほうが筋肉量と筋力の増加が大きくなったという報告14や、運動前後にプロテインを飲んだ場合と朝晩にプロテインを飲んだ場合とでは、運動前後に飲んだ場合のほうが筋肉量の増加が大きかったという報告15がある。
これらの報告から考えて、試合の60~90分前にホエイプロテインを飲み、試合が終わってからもホエイプロテインを飲んでおくようにしたい。ビールで乾杯するのではなく、プロテインドリンクで乾杯する習慣をつけたいものだ。
オフシーズンに向上させた身体能力を試合の結果に落とし込む。そのための栄養戦略を完璧にして勝負に臨むようにしていきたい。
参考文献
※7:The effect of exhaustion exercise on thyroid hormones and testosterone levels of elite athletes receiving oral zinc.
Neuro Endocrinol Lett. 2006 Feb-Apr;27(1-2):247-52.
※8:Effect of fatiguing bicycle exercise on thyroid hormone and testosterone levels in sedentary males supplemented with oral zinc.
Neuro Endocrinol Lett. 2007 Oct;28(5):681-5.
※9:Evaluation of protein requirements for trained strength athletes.
J Appl Physiol (1985). 1992 Nov;73(5):1986-95.
※10:Protein and amino acid needs of the strength athlete.
Int J Sport Nutr. 1991 Jun;1(2):127-45.
※11:ISSN exercise & sport nutrition review: research & recommendations.
J Int Soc Sports Nutr. 2010 Feb 2;7:7. doi: 10.1186/1550-2783-7-7.
※12:The effects of soy and whey protein supplementation on acute hormonal reponses to resistance exercise in men.
J Am Coll Nutr. 2013;32(1):66-74. doi: 10.1080/07315724.2013.770648.
※13:Increased rates of muscle protein turnover and amino acid transport after resistance exercise in humans.
Am J Physiol. 1995 Mar;268(3 Pt 1):E514-20.
※14:Timing of postexercise protein intake is important for muscle hypertrophy with resistance training in elderly humans.
J Physiol. 2001 Aug 15;535(Pt 1):301-11.
※15:Effects of supplement timing and resistance exercise on skeletal muscle hypertrophy.
Exercise Metabolism Unit, Center for Ageing, Rehabilitation, Exercise and Sport; and the School of Biomedical Sciences, Victoria University, Melbourne, Victoria, Australia.
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特に不足しやすいのが「亜鉛」と「マグネシウム」だ。栄養には気を遣っていると思われるNFLの選手250人以上を調査したところ、70%以上が亜鉛とマグネシウム両方が不足していたという報告もある。
亜鉛を十分に摂取することで、テストステロンが増えたという報告がある。体重1kgあたり3mgの亜鉛を4週間に渡って10名のレスラーに摂取させたところ、総テストステロンと遊離テストステロンレベルが顕著に高くなっていた7。
また普段運動しない人は、運動することによってテストステロンレベルが低下しやすい。そこで4週間に渡って体重1kgあたり3mgの亜鉛を摂取したところ、通常時からテストステロンレベルを高めることができ、運動してもテストステロンレベルの低下はそれほど起こらなかった8。
マグネシウムには筋肉をリラックスさせる作用がある。逆にカルシウムは筋肉を収縮させる作用がある。このバランスが崩れると、筋肉の痙攣が起こりやすい。夏場に肉離れや痙攣が起こりやすいのは、脱水によってミネラルバランスが崩れるからでもある。
カルシウムはホエイプロテインに含まれており、また乳製品などで簡単に摂取できる。しかしマグネシウムはナッツ類や葉野菜、海藻類に多く含まれ、なかなか十分に摂取することができない。
食事では不足しやすい亜鉛やマグネシウムを簡単に摂る方法がある。「ミネラルスーパープレミアム」を飲むことだ。一日分で30.6mgの亜鉛と390mgのマグネシウムを摂取することができる。
適切なミネラル摂取を心がけ、最高のコンディションで試合に臨むようにしたい。
忘れてならないのがプロテインだ。ウォリアーの肉体は「普通の人」の2倍以上のタンパク質を必要とする9,10,11。
そして選ぶべきはホエイプロテインだ。運動前にホエイプロテインを飲むことにより、筋肉を分解するホルモン「コルチゾル」のレベルを下げることができている。また男性ホルモンであるテストステロンのレベルを高めることもできている。大豆プロテインでは、この効果は得られていない12。
特に試合期はコンディションを崩しやすい。そんなときにバカ食いして胃腸を壊してしまっては元も子もない。試合期こそプロテインをうまく利用してたんぱく質を十分に補給し、胃腸の負担を減らすようにしたいものだ。
なおプロテインはタイミングを重視して飲むようにしたい。筋肉はトレーニング開始直後から早くも筋タンパク合成能力が亢進していることがわかっている13。
そのため、トレーニングや試合の開始60~90分前にはホエイプロテインを飲んでおくようにしたい。
また運動直後にプロテインを飲んだ場合と運動2時間後に飲んだ場合を比較したところ、直後に摂取したほうが筋肉量と筋力の増加が大きくなったという報告14や、運動前後にプロテインを飲んだ場合と朝晩にプロテインを飲んだ場合とでは、運動前後に飲んだ場合のほうが筋肉量の増加が大きかったという報告15がある。
これらの報告から考えて、試合の60~90分前にホエイプロテインを飲み、試合が終わってからもホエイプロテインを飲んでおくようにしたい。ビールで乾杯するのではなく、プロテインドリンクで乾杯する習慣をつけたいものだ。
オフシーズンに向上させた身体能力を試合の結果に落とし込む。そのための栄養戦略を完璧にして勝負に臨むようにしていきたい。
参考文献
※7:The effect of exhaustion exercise on thyroid hormones and testosterone levels of elite athletes receiving oral zinc.
Neuro Endocrinol Lett. 2006 Feb-Apr;27(1-2):247-52.
※8:Effect of fatiguing bicycle exercise on thyroid hormone and testosterone levels in sedentary males supplemented with oral zinc.
Neuro Endocrinol Lett. 2007 Oct;28(5):681-5.
※9:Evaluation of protein requirements for trained strength athletes.
J Appl Physiol (1985). 1992 Nov;73(5):1986-95.
※10:Protein and amino acid needs of the strength athlete.
Int J Sport Nutr. 1991 Jun;1(2):127-45.
※11:ISSN exercise & sport nutrition review: research & recommendations.
J Int Soc Sports Nutr. 2010 Feb 2;7:7. doi: 10.1186/1550-2783-7-7.
※12:The effects of soy and whey protein supplementation on acute hormonal reponses to resistance exercise in men.
J Am Coll Nutr. 2013;32(1):66-74. doi: 10.1080/07315724.2013.770648.
※13:Increased rates of muscle protein turnover and amino acid transport after resistance exercise in humans.
Am J Physiol. 1995 Mar;268(3 Pt 1):E514-20.
※14:Timing of postexercise protein intake is important for muscle hypertrophy with resistance training in elderly humans.
J Physiol. 2001 Aug 15;535(Pt 1):301-11.
※15:Effects of supplement timing and resistance exercise on skeletal muscle hypertrophy.
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