体重・筋量UP

戦略的にデカくしろ! Part 2 ー前編ー

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戦略的にデカくしろ! Part 2 ー前編ー

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Part 1ではタンパク質と炭水化物について取り上げた。Part 2となる今回は脂肪とビタミン、ミネラルについて解説していこう。


■脂肪の役割とは

「脂肪」というと体脂肪が想起され、あまり良いイメージがないかもしれない。しかし、脂肪には非常に重要な役割がある。

まず、脂肪はホルモンの材料になる。男性ホルモンはコレステロールからつくられるが、コレステロールの材料は脂肪だ。そのため脂肪の摂取量が少ないベジタリアンは、男性ホルモンのレベルが低くなることも報告されている1,2,3,4,5

そして脂肪は、生体膜の材料にもなる。細胞を取り囲む膜は必要なものを中に取り入れ、不必要なものは中に入れないようにしている。脂肪の摂取量が不足してこの膜が正常につくられなくなると、本来入ってはいけないものが細胞内に入ってしまい、細胞の機能に異常をきたしてしまうのだ。

また、脂肪はもちろんエネルギー源にもなる。糖質制限時のエネルギーとして使われるケトン体も、脂肪が材料だ。さらにエイコサノイドと呼ばれるホルモン様物質の材料にもなり、内臓の位置を正常に保つ働きもある。褐色脂肪という、体温を保つ働きを持つ脂肪も存在する。

 

■脂肪の摂取源は

脂肪は「飽和脂肪」と「不飽和脂肪」の二つに大きく分けられる。ステーキの脂身に代表される白い脂肪が飽和脂肪で、常温で固体となっていることが多い。不飽和脂肪はオリーブオイルやサラダ油などで、常温で液体となっていることが多い。青魚やナッツ類にも、不飽和脂肪が多く含まれる。

肉の脂身は身体に悪いとされており、病気の原因になると思われがちだ。しかし最近の研究によると、必ずしもそうではない。飽和脂肪酸を食べる量が少ないと、脳卒中のリスクが上昇するという日本人での調査がある6,7。またカロリーを同じに設定して高炭水化物食と高脂肪食(半分は飽和脂肪)で比較したところ、高脂肪食は善玉コレステロールを増やし、健康への悪影響は見られなかったばかりか、代謝マーカーの改善が見られたという報告もある8

つまり、肉の脂肪を避ける必要はまったくない。むしろ良質のエネルギー源として、積極的に食べるようにしたい。その一方で、青魚やアボカド、ナッツ類などに含まれる不飽和脂肪も、身体に良い影響が数多くある。血液の流れを良くしたり、インスリンの働きを高めたり、免疫を高めたり、炎症を抑えたりといった作用が期待できるのだ。

もう肉の脂身を取り除く必要はない。卵の黄身を捨てるのも愚の骨頂だ。サーロインステーキに舌鼓を打ち、卵は全卵で食べよう。加えて青魚やアボカド、ナッツ類を積極的に食べれば、ウォリアーとして十分な脂肪を摂取することができる。

EPA

【1日(2粒)あたり】エネルギー:19.2kcal、たんぱく質:0.6g、脂質:1.8g、炭水化物:0.15g、食塩相当量:0~0.01mg、(EPA:400mg、DHA:171mg)

詳しい情報・ご購入はこちらから DNS Online Shop

(後編に続く)

【参考文献】

  • 1:Influence of diet on plasma steroids and sex hormone-binding globulin levels in adult men. J Steroid Biochem. 1989 Jun;32(6):829-33.
  • 2:Effect of a vegetarian diet and dexamethasone on plasma prolactin, testosterone and dehydroepiandrosterone in men and women. Cancer Lett. 1979 Sep;7(5):273-82.
  • 3:Dietary and hormonal interrelationships among vegetarian Seventh-Day Adventists and nonvegetarian men. Am J Clin Nutr. 1985 Jul;42(1):127-34.
  • 4: Testosterone, sex hormone-binding globulin, calculated free testosterone, and oestradiol in male vegans and omnivores. Br J Nutr. 1990 Jul;64(1):111-9.
  • 5:Serum sex hormones and endurance performance after a lacto-ovo vegetarian and a mixed diet. Med Sci Sports Exerc. 1992 Nov;24(11):1290-7.
  • 6:Dietary intake of saturated fatty acids and incident stroke and coronary heart disease in Japanese communities: the JPHC Study. Eur Heart J. 2013 Apr;34(16):1225-32. doi: 10.1093/eurheartj/eht043. Epub 2013 Feb 12.
  • 7:High Dietary Saturated Fat is Associated with a Low Risk of Intracerebral Hemorrhage and Ischemic Stroke in Japanese but not in Non-Japanese: A Review and Meta-Analysis of Prospective Cohort Studies. J Atheroscler Thromb. 2018 May 1;25(5):375-392. doi: 10.5551/jat.41632. Epub 2017 Dec 20.
  • 8:Visceral adiposity and metabolic syndrome after very high-fat and low-fat isocaloric diets: a randomized controlled trial. Am J Clin Nutr. 2017 Jan;105(1):85-99. doi: 10.3945/ajcn.115.123463. Epub 2016 Nov 30.
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Part 1ではタンパク質と炭水化物について取り上げた。Part 2となる今回は脂肪とビタミン、ミネラルについて解説していこう。


■脂肪の役割とは

「脂肪」というと体脂肪が想起され、あまり良いイメージがないかもしれない。しかし、脂肪には非常に重要な役割がある。

まず、脂肪はホルモンの材料になる。男性ホルモンはコレステロールからつくられるが、コレステロールの材料は脂肪だ。そのため脂肪の摂取量が少ないベジタリアンは、男性ホルモンのレベルが低くなることも報告されている1,2,3,4,5

そして脂肪は、生体膜の材料にもなる。細胞を取り囲む膜は必要なものを中に取り入れ、不必要なものは中に入れないようにしている。脂肪の摂取量が不足してこの膜が正常につくられなくなると、本来入ってはいけないものが細胞内に入ってしまい、細胞の機能に異常をきたしてしまうのだ。

また、脂肪はもちろんエネルギー源にもなる。糖質制限時のエネルギーとして使われるケトン体も、脂肪が材料だ。さらにエイコサノイドと呼ばれるホルモン様物質の材料にもなり、内臓の位置を正常に保つ働きもある。褐色脂肪という、体温を保つ働きを持つ脂肪も存在する。

 

■脂肪の摂取源は

脂肪は「飽和脂肪」と「不飽和脂肪」の二つに大きく分けられる。ステーキの脂身に代表される白い脂肪が飽和脂肪で、常温で固体となっていることが多い。不飽和脂肪はオリーブオイルやサラダ油などで、常温で液体となっていることが多い。青魚やナッツ類にも、不飽和脂肪が多く含まれる。

肉の脂身は身体に悪いとされており、病気の原因になると思われがちだ。しかし最近の研究によると、必ずしもそうではない。飽和脂肪酸を食べる量が少ないと、脳卒中のリスクが上昇するという日本人での調査がある6,7。またカロリーを同じに設定して高炭水化物食と高脂肪食(半分は飽和脂肪)で比較したところ、高脂肪食は善玉コレステロールを増やし、健康への悪影響は見られなかったばかりか、代謝マーカーの改善が見られたという報告もある8

つまり、肉の脂肪を避ける必要はまったくない。むしろ良質のエネルギー源として、積極的に食べるようにしたい。その一方で、青魚やアボカド、ナッツ類などに含まれる不飽和脂肪も、身体に良い影響が数多くある。血液の流れを良くしたり、インスリンの働きを高めたり、免疫を高めたり、炎症を抑えたりといった作用が期待できるのだ。

もう肉の脂身を取り除く必要はない。卵の黄身を捨てるのも愚の骨頂だ。サーロインステーキに舌鼓を打ち、卵は全卵で食べよう。加えて青魚やアボカド、ナッツ類を積極的に食べれば、ウォリアーとして十分な脂肪を摂取することができる。

EPA

【1日(2粒)あたり】エネルギー:19.2kcal、たんぱく質:0.6g、脂質:1.8g、炭水化物:0.15g、食塩相当量:0~0.01mg、(EPA:400mg、DHA:171mg)

詳しい情報・ご購入はこちらから DNS Online Shop

(後編に続く)

【参考文献】

  • 1:Influence of diet on plasma steroids and sex hormone-binding globulin levels in adult men. J Steroid Biochem. 1989 Jun;32(6):829-33.
  • 2:Effect of a vegetarian diet and dexamethasone on plasma prolactin, testosterone and dehydroepiandrosterone in men and women. Cancer Lett. 1979 Sep;7(5):273-82.
  • 3:Dietary and hormonal interrelationships among vegetarian Seventh-Day Adventists and nonvegetarian men. Am J Clin Nutr. 1985 Jul;42(1):127-34.
  • 4: Testosterone, sex hormone-binding globulin, calculated free testosterone, and oestradiol in male vegans and omnivores. Br J Nutr. 1990 Jul;64(1):111-9.
  • 5:Serum sex hormones and endurance performance after a lacto-ovo vegetarian and a mixed diet. Med Sci Sports Exerc. 1992 Nov;24(11):1290-7.
  • 6:Dietary intake of saturated fatty acids and incident stroke and coronary heart disease in Japanese communities: the JPHC Study. Eur Heart J. 2013 Apr;34(16):1225-32. doi: 10.1093/eurheartj/eht043. Epub 2013 Feb 12.
  • 7:High Dietary Saturated Fat is Associated with a Low Risk of Intracerebral Hemorrhage and Ischemic Stroke in Japanese but not in Non-Japanese: A Review and Meta-Analysis of Prospective Cohort Studies. J Atheroscler Thromb. 2018 May 1;25(5):375-392. doi: 10.5551/jat.41632. Epub 2017 Dec 20.
  • 8:Visceral adiposity and metabolic syndrome after very high-fat and low-fat isocaloric diets: a randomized controlled trial. Am J Clin Nutr. 2017 Jan;105(1):85-99. doi: 10.3945/ajcn.115.123463. Epub 2016 Nov 30.