競技パフォーマンスUP

BCAAを使いこなせ!ー後編ー

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BCAAを使いこなせ!ー後編ー

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・回復を促進する

BCAAはインスリンの分泌を刺激すると前に書いたが、それによってグリコーゲンの回復を促進することができる。またBCAAは筋ダメージの回復を早め、トレーニングによる筋肉痛を軽減することも示されている1,2,3。これは筋タンパクの合成を促進することにもよるものだろう。

・集中力をアップさせる

血液中にはアルブミンというタンパク質が存在する。普段はアルブミンにアミノ酸のトリプトファンが結合している。しかし運動時など、脂肪がエネルギーとして動員されるときは脂肪酸がアルブミンと結合する。するとアルブミンはトリプトファンを離してしまうのだ。そしてトリプトファンはフリーとなるため、脳に入ることができるようになる4

脳に入ったトリプトファンはセロトニンとなり、これが精神的な疲労の原因になるという説がある。実際、セロトニン受容体の活性化は筋収縮の発火頻度を低下させるという報告がある5

BCAAも脳に入ることができるが、このときにトリプトファンと同じ運搬体を使う。そこでBCAAを摂取することにより、トリプトファンが脳に入るのを防ぐことができるというわけだ。そのため、BCAAの摂取は脳内セロトニンを減らし、精神的な疲労を軽減するといわれている6

■BCAAの使い方

BCAAを摂取した場合、摂取後15~30分で血中レベルが最大になり、それからゆっくりと低下して2時間後には元のレベルに戻る。集中力アップやエネルギー増大、タンパク合成活性化などを狙うためには、トレーニングや試合の30分前に摂取して血中濃度を最大にしておくといいだろう。

短時間で終わる運動ならばそれだけで十分だ。ただし運動が長時間に渡る場合は、運動中のドリンクにBCAAを入れ、少しずつ飲むようにしたい。そうすることで体内のBCAAを常にハイレベルに保つことができる。

プロテインと同様、BCAAも普通の食事に含まれるため、チビチビ飲んでも効果はない。さまざまな報告から考えて、だいたい体重1kgあたり、0.8g~1.0gは摂取するようにしたい。体重の軽いウォリアーは5g、体重の重いウォリアーは10gを目安に摂取していこう7,8

BCAA

【1回(5.5g)あたり】エネルギー:22kcal、たんぱく質:5.0g、脂質:0.02g、炭水化物:0.4g、ナトリウム:9mg(食塩相当量:0~0.1g)、L-ロイシン:2,450.0mg、L-バリン:1,375.5mg、L-イソロイシン:1,375.5mg

詳しい情報・ご購入はこちらから DNS Online Shop

【参考文献】

  • 1:Branched-chain amino acid ingestion can ameliorate soreness from eccentric exercise. Med Sci Sports Exerc. 2010 May;42(5):962-70. doi: 10.1249/MSS.0b013e3181c1b798.
  • 2:Branched-chain amino acid supplementation before squat exercise and delayed-onset muscle soreness. Int J Sport Nutr Exerc Metab. 2010 Jun;20(3):236-44.
  • 3:Exercise-induced muscle damage is reduced in resistance-trained males by branched chain amino acids: a randomized, double-blind, placebo controlled study. J Int Soc Sports Nutr. 2012 Jul 12;9:20. doi: 10.1186/1550-2783-9-20. eCollection 2012.
  • 4:Brain serotonin content: physiological regulation by plasma neutral amino acids. 1971. Obes Res. 1997 Jul;5(4):377-80.
  • 5:Serotonin spillover onto the axon initial segment of motoneurons induces central fatigue by inhibiting action potential initiation. Proc Natl Acad Sci U S A. 2013 Mar 19;110(12):4774-9. doi: 10.1073/pnas.1216150110. Epub 2013 Mar 4.
  • 6:A role for branched-chain amino acids in reducing central fatigue. J Nutr. 2006 Feb;136(2):544S-547S.
  • 7:[Effects of branched amino acids in endurance sports: a review]. Nutr Hosp. 2014 Nov 16;31(2):577-89. doi: 10.3305/nh.2015.31.2.7852.
  • 8:Effect of BCAA intake during endurance exercises on fatigue substances, muscle damage substances, and energy metabolism substances. J Exerc Nutrition Biochem. 2013 Dec;17(4):169-80. doi: 10.5717/jenb.2013.17.4.169. Epub 2013 Nov 28.
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・回復を促進する

BCAAはインスリンの分泌を刺激すると前に書いたが、それによってグリコーゲンの回復を促進することができる。またBCAAは筋ダメージの回復を早め、トレーニングによる筋肉痛を軽減することも示されている1,2,3。これは筋タンパクの合成を促進することにもよるものだろう。

・集中力をアップさせる

血液中にはアルブミンというタンパク質が存在する。普段はアルブミンにアミノ酸のトリプトファンが結合している。しかし運動時など、脂肪がエネルギーとして動員されるときは脂肪酸がアルブミンと結合する。するとアルブミンはトリプトファンを離してしまうのだ。そしてトリプトファンはフリーとなるため、脳に入ることができるようになる4

脳に入ったトリプトファンはセロトニンとなり、これが精神的な疲労の原因になるという説がある。実際、セロトニン受容体の活性化は筋収縮の発火頻度を低下させるという報告がある5

BCAAも脳に入ることができるが、このときにトリプトファンと同じ運搬体を使う。そこでBCAAを摂取することにより、トリプトファンが脳に入るのを防ぐことができるというわけだ。そのため、BCAAの摂取は脳内セロトニンを減らし、精神的な疲労を軽減するといわれている6

■BCAAの使い方

BCAAを摂取した場合、摂取後15~30分で血中レベルが最大になり、それからゆっくりと低下して2時間後には元のレベルに戻る。集中力アップやエネルギー増大、タンパク合成活性化などを狙うためには、トレーニングや試合の30分前に摂取して血中濃度を最大にしておくといいだろう。

短時間で終わる運動ならばそれだけで十分だ。ただし運動が長時間に渡る場合は、運動中のドリンクにBCAAを入れ、少しずつ飲むようにしたい。そうすることで体内のBCAAを常にハイレベルに保つことができる。

プロテインと同様、BCAAも普通の食事に含まれるため、チビチビ飲んでも効果はない。さまざまな報告から考えて、だいたい体重1kgあたり、0.8g~1.0gは摂取するようにしたい。体重の軽いウォリアーは5g、体重の重いウォリアーは10gを目安に摂取していこう7,8

BCAA

【1回(5.5g)あたり】エネルギー:22kcal、たんぱく質:5.0g、脂質:0.02g、炭水化物:0.4g、ナトリウム:9mg(食塩相当量:0~0.1g)、L-ロイシン:2,450.0mg、L-バリン:1,375.5mg、L-イソロイシン:1,375.5mg

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【参考文献】

  • 1:Branched-chain amino acid ingestion can ameliorate soreness from eccentric exercise. Med Sci Sports Exerc. 2010 May;42(5):962-70. doi: 10.1249/MSS.0b013e3181c1b798.
  • 2:Branched-chain amino acid supplementation before squat exercise and delayed-onset muscle soreness. Int J Sport Nutr Exerc Metab. 2010 Jun;20(3):236-44.
  • 3:Exercise-induced muscle damage is reduced in resistance-trained males by branched chain amino acids: a randomized, double-blind, placebo controlled study. J Int Soc Sports Nutr. 2012 Jul 12;9:20. doi: 10.1186/1550-2783-9-20. eCollection 2012.
  • 4:Brain serotonin content: physiological regulation by plasma neutral amino acids. 1971. Obes Res. 1997 Jul;5(4):377-80.
  • 5:Serotonin spillover onto the axon initial segment of motoneurons induces central fatigue by inhibiting action potential initiation. Proc Natl Acad Sci U S A. 2013 Mar 19;110(12):4774-9. doi: 10.1073/pnas.1216150110. Epub 2013 Mar 4.
  • 6:A role for branched-chain amino acids in reducing central fatigue. J Nutr. 2006 Feb;136(2):544S-547S.
  • 7:[Effects of branched amino acids in endurance sports: a review]. Nutr Hosp. 2014 Nov 16;31(2):577-89. doi: 10.3305/nh.2015.31.2.7852.
  • 8:Effect of BCAA intake during endurance exercises on fatigue substances, muscle damage substances, and energy metabolism substances. J Exerc Nutrition Biochem. 2013 Dec;17(4):169-80. doi: 10.5717/jenb.2013.17.4.169. Epub 2013 Nov 28.