体重・筋量UP
世界的に「ヴィーガン」が増えてきているようだ。
これにはさまざまな背景がある。倫理的なものやエコロジーに配慮したもの、健康に考慮したもの、あるいはこれらのミックスなど、それぞれの理由によって、動物性の食品を避けているのだ。では、ウォリアーにとってはどうだろう。
『THE GAME CHANGERS』というドキュメンタリー映画は、アーノルド・シュワルツェネッガーが菜食を始め、カール・ルイスも菜食主義者だったことに触れている。ボディビル界でも、アンドレアス・コーリングという有名選手は菜食主義者だった。
動物性食品を避けるということは、ホエイプロテインもNGだ。ウォリアーにとってたんぱく質は量だけでなく質も大事。だが、ホエイを摂らなくても大丈夫なのだろうか。
ただし、ホエイプロテインが出てきたのは1990年代のこと。それまではソイ(大豆)プロテインが主で、ボディビルダー達もソイプロテインで筋肉を作ってきた。つまり、ソイプロテインでも十分にたんぱく質を補うことはできる。
問題はホエイとの比較である。まずはアミノ酸のバランスから考えてみよう。以下にホエイとカゼイン、ソイのアミノ酸プロフィールを挙げる1(表1)。
表1. ホエイ、カゼインおよびソイプロテインのアミノ酸プロフィール(文献1より作成)
この表を見てわかる通り、ソイはアルギニンを多く含む。そして何と、グルタミンもホエイより多い。ただしロイシンはホエイのほうが多く、他のBCAAであるイソロイシンとバリンは同等である。そこから考えると筋肉への影響としては、ホエイとソイはあまり変わらないはずだ。
なお、硫黄を含むアミノ酸であるメチオニンやシステインはホエイの方が多く含む。このことが、ホエイによる免疫向上効果とリンクしていると考えられる。
では実際に、ホエイとソイを比較してみよう。
平均年齢26歳の男性を対象に、菜食かつソイプロテイン摂取群19名、雑食かつホエイプロテイン群19名で比較した研究がある2。どちらも週2回のウェイトトレーニングを12週間継続。たんぱく質の摂取量は1日あたり、体重1kgにつき1.6gに調整した。
その結果、筋力や筋肥大の割合に差は出なかった。
つまり菜食であり、ソイプロテインであっても、十分なたんぱく質量を摂取できていれば筋発達効果を期待できる、ということになる。
メタ分析の結果はどうだろうか。266人の参加者を含む9つの研究(6週間以上行われた長期研究)を対象にしたところ、5つの研究ではホエイとソイが比較され、4つの研究ではソイと他のたんぱく質(牛肉、牛乳、乳製品)が比較された3。その結果でも、ソイとホエイ、他のタンパク質に差はなく、ソイプロテインにも十分な効果があることがはっきりとわかった。
では、ホエイとソイをどのように使い分ければいいのか。
例えば、トレーニング後にソイ100を摂ったなら、間食などにもう一度プロテインを飲む時にはホエイを飲むと良いだろう。
前述の通り、アルギニンはホエイに少なく、ソイに多い。メチオニンはソイに少なく、ホエイに多い。この二つを上手く組み合わせて飲むことで、アミノ酸プロフィールの弱点を補い合うことができるわけだ。
また別々のタイミングではなく、一杯ずつ混ぜて飲むというテクニックもある。そうすればホエイがまず吸収され、次にソイが吸収されるというタイムリリース効果も得られることになる。
今まではホエイ一択だったが、今後はぜひソイも選択肢に入れて考えるようにしてほしい。
世界的に「ヴィーガン」が増えてきているようだ。
これにはさまざまな背景がある。倫理的なものやエコロジーに配慮したもの、健康に考慮したもの、あるいはこれらのミックスなど、それぞれの理由によって、動物性の食品を避けているのだ。では、ウォリアーにとってはどうだろう。
『THE GAME CHANGERS』というドキュメンタリー映画は、アーノルド・シュワルツェネッガーが菜食を始め、カール・ルイスも菜食主義者だったことに触れている。ボディビル界でも、アンドレアス・コーリングという有名選手は菜食主義者だった。
動物性食品を避けるということは、ホエイプロテインもNGだ。ウォリアーにとってたんぱく質は量だけでなく質も大事。だが、ホエイを摂らなくても大丈夫なのだろうか。
ただし、ホエイプロテインが出てきたのは1990年代のこと。それまではソイ(大豆)プロテインが主で、ボディビルダー達もソイプロテインで筋肉を作ってきた。つまり、ソイプロテインでも十分にたんぱく質を補うことはできる。
問題はホエイとの比較である。まずはアミノ酸のバランスから考えてみよう。以下にホエイとカゼイン、ソイのアミノ酸プロフィールを挙げる1(表1)。
表1. ホエイ、カゼインおよびソイプロテインの
アミノ酸プロフィール(文献1より作成)
この表を見てわかる通り、ソイはアルギニンを多く含む。そして何と、グルタミンもホエイより多い。ただしロイシンはホエイのほうが多く、他のBCAAであるイソロイシンとバリンは同等である。そこから考えると筋肉への影響としては、ホエイとソイはあまり変わらないはずだ。
なお、硫黄を含むアミノ酸であるメチオニンやシステインはホエイの方が多く含む。このことが、ホエイによる免疫向上効果とリンクしていると考えられる。
では実際に、ホエイとソイを比較してみよう。
平均年齢26歳の男性を対象に、菜食かつソイプロテイン摂取群19名、雑食かつホエイプロテイン群19名で比較した研究がある2。どちらも週2回のウェイトトレーニングを12週間継続。たんぱく質の摂取量は1日あたり、体重1kgにつき1.6gに調整した。
その結果、筋力や筋肥大の割合に差は出なかった。
つまり菜食であり、ソイプロテインであっても、十分なたんぱく質量を摂取できていれば筋発達効果を期待できる、ということになる。
メタ分析の結果はどうだろうか。266人の参加者を含む9つの研究(6週間以上行われた長期研究)を対象にしたところ、5つの研究ではホエイとソイが比較され、4つの研究ではソイと他のたんぱく質(牛肉、牛乳、乳製品)が比較された3。その結果でも、ソイとホエイ、他のタンパク質に差はなく、ソイプロテインにも十分な効果があることがはっきりとわかった。
では、ホエイとソイをどのように使い分ければいいのか。
例えば、トレーニング後にソイ100を摂ったなら、間食などにもう一度プロテインを飲む時にはホエイを飲むと良いだろう。
前述の通り、アルギニンはホエイに少なく、ソイに多い。メチオニンはソイに少なく、ホエイに多い。この二つを上手く組み合わせて飲むことで、アミノ酸プロフィールの弱点を補い合うことができるわけだ。
また別々のタイミングではなく、一杯ずつ混ぜて飲むというテクニックもある。そうすればホエイがまず吸収され、次にソイが吸収されるというタイムリリース効果も得られることになる。
今まではホエイ一択だったが、今後はぜひソイも選択肢に入れて考えるようにしてほしい。