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健康・体力・美容UP

Part 55 “ストレッチ”をトレーニングに応用しろ

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Part 55 “ストレッチ”をトレーニングに応用しろ

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目的:筋力増加、筋肥大

メリット:トレーニングのレベルアップ、プラトー打破

トレーニングによって筋肉が強化される。それはいったいどのようなメカニズムによるものなのだろうか。

一般には「超回復」によるものだと考えられている。トレーニングによる刺激を受け、それに負けないようにカラダが前よりも強くなる。これはわかりやすい考え方だ。

しかし実はそうではない。筋肉が発達するのは「超回復」ではなく、「ストレスに対する適応現象」なのだ。詳しくはこちらの記事をご一読いただきたい。

参考記事
Part 50 「回復期に行うトレーニングとは」

 

■筋肉を発達させるシグナルとは

さて筋肉がストレスに適応して強くなる時は、筋たんぱくの合成が盛んになっている。具体的には4E-BP1のリン酸化やP70S6kの活性化が起こることによりたんぱく質の合成が増加するわけだが、これはどのようなシグナルによって起こるのだろうか。

このシグナルとなるのが、テストステロンやインスリン、成長ホルモンなどのホルモンである。テストステロンは男性ホルモンであり、男性が女性よりも筋肉が多くなる理由は、ここにある。

またインスリンは糖質やアミノ酸の摂取によって分泌される。つまり多くの糖質やアミノ酸を摂取するほど、筋たんぱくの合成が高まるわけだ。しかしインスリンは脂肪細胞にも働くため、過剰な糖質やアミノ酸の摂取は体脂肪を増やすことにもつながってしまう。

そして成長ホルモンはIGF-1という「成長因子」に変換され、筋たんぱくの合成を促す。トレーニングによって成長ホルモンが分泌され、それがIGF-1に変換されて筋肉が発達するわけだ。

しかしそれだけではない。トレーニングによって分泌された成長ホルモンは肝臓でIGF-1に変換されて全身に回り、全身的に作用する。すると筋肉だけでなく、心臓や肝臓、腎臓などの臓器も肥大させるのである。そのためトレーニングすると筋肉だけでなく、臓器も全体的に肥大するのである。(※1、※2)

 

◆ストレッチが筋肉を発達させる

面白いことにトレーニングによって発生するIGF-1はこれだけではない。トレーニングを行った部位そこだけに発生するIGF-1もあるのだ。このように局所的に生理活性物質が分泌されることを「オートクリンorパラクリン(自主分泌or傍分泌)」と呼ぶ。

トレーニングを行った筋肉に発生するIGF-1、それをMGF (Mechano Growth Factor)、別名IGF-1Ecと呼ぶ。そしてMGFはトレーニングだけでなく、ストレッチ刺激によっても分泌されるのだ。

では、どんなストレッチに効果があるのだろうか。いわゆる「静的ストレッチ」すなわち持続的に長時間行うストレッチよりも、短時間に何度も行うパッシブストレッチ(※3)に効果があるという日本での研究がある。

この研究では15分間ずっとストレッチしていた場合よりも、1分間に15回のパッシブストレッチを15分間に渡って行ったほうが、MyoDやMyogenin(筋細胞が分化するときに発生する転写因子)が遥かに多く発現したという結果が出ている。(※4)

 

【パッシブストレッチをトレーニングに応用する】

 

30秒4セットのストレッチを週3回、10週間行ったところ、筋力が29%アップしたという研究もあり(※5)、普通の静的ストレッチにも効果は認められている。
一般的なトレーニングに加えて静的あるいは動的ストレッチを行うようにすることで、通常のトレーニングを超える効果を得ることが可能となるかもしれない。

 

(Part 54を読む)
(Part 56を読む)

 

【参考文献】

  • 1:A comparison of organ-tissue level body composition between college-age male athletes and non-athletes International Journal of Sports Medicine, 28(2)
  • 2:Organ Size Increases With Weight Gain in Power-Trained Athletes. International Journal of Sport Nutrition & Exercise Metabolism, 01 December 2013, vol./is. 23/6
  • 3:Passive repetitive stretching for a short duration within a week increases myogenic regulatory factors and myosin heavy chain mRNA in rats’ skeletal muscles. ScientificWorldJournal. 2013 May 23;2013:493656. doi: 10.1155/2013/493656. Print 2013.
  • 4:A 10-week stretching program increases strength in the contralateral muscle. J Strength Cond Res. 2012 Mar;26(3):832-6. doi: 10.1519/JSC.0b013e3182281b41.
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目的:筋力増加、筋肥大

メリット:トレーニングのレベルアップ、プラトー打破

トレーニングによって筋肉が強化される。それはいったいどのようなメカニズムによるものなのだろうか。

一般には「超回復」によるものだと考えられている。トレーニングによる刺激を受け、それに負けないようにカラダが前よりも強くなる。これはわかりやすい考え方だ。

しかし実はそうではない。筋肉が発達するのは「超回復」ではなく、「ストレスに対する適応現象」なのだ。詳しくはこちらの記事をご一読いただきたい。

参考記事
Part 50 「回復期に行うトレーニングとは」

 

■筋肉を発達させるシグナルとは

さて筋肉がストレスに適応して強くなる時は、筋たんぱくの合成が盛んになっている。具体的には4E-BP1のリン酸化やP70S6kの活性化が起こることによりたんぱく質の合成が増加するわけだが、これはどのようなシグナルによって起こるのだろうか。

このシグナルとなるのが、テストステロンやインスリン、成長ホルモンなどのホルモンである。テストステロンは男性ホルモンであり、男性が女性よりも筋肉が多くなる理由は、ここにある。

またインスリンは糖質やアミノ酸の摂取によって分泌される。つまり多くの糖質やアミノ酸を摂取するほど、筋たんぱくの合成が高まるわけだ。しかしインスリンは脂肪細胞にも働くため、過剰な糖質やアミノ酸の摂取は体脂肪を増やすことにもつながってしまう。

そして成長ホルモンはIGF-1という「成長因子」に変換され、筋たんぱくの合成を促す。トレーニングによって成長ホルモンが分泌され、それがIGF-1に変換されて筋肉が発達するわけだ。

しかしそれだけではない。トレーニングによって分泌された成長ホルモンは肝臓でIGF-1に変換されて全身に回り、全身的に作用する。すると筋肉だけでなく、心臓や肝臓、腎臓などの臓器も肥大させるのである。そのためトレーニングすると筋肉だけでなく、臓器も全体的に肥大するのである。(※1、※2)

 

◆ストレッチが筋肉を発達させる

面白いことにトレーニングによって発生するIGF-1はこれだけではない。トレーニングを行った部位そこだけに発生するIGF-1もあるのだ。このように局所的に生理活性物質が分泌されることを「オートクリンorパラクリン(自主分泌or傍分泌)」と呼ぶ。

トレーニングを行った筋肉に発生するIGF-1、それをMGF (Mechano Growth Factor)、別名IGF-1Ecと呼ぶ。そしてMGFはトレーニングだけでなく、ストレッチ刺激によっても分泌されるのだ。

では、どんなストレッチに効果があるのだろうか。いわゆる「静的ストレッチ」すなわち持続的に長時間行うストレッチよりも、短時間に何度も行うパッシブストレッチ(※3)に効果があるという日本での研究がある。

この研究では15分間ずっとストレッチしていた場合よりも、1分間に15回のパッシブストレッチを15分間に渡って行ったほうが、MyoDやMyogenin(筋細胞が分化するときに発生する転写因子)が遥かに多く発現したという結果が出ている。(※4)

 

【パッシブストレッチをトレーニングに応用する】

 

30秒4セットのストレッチを週3回、10週間行ったところ、筋力が29%アップしたという研究もあり(※5)、普通の静的ストレッチにも効果は認められている。
一般的なトレーニングに加えて静的あるいは動的ストレッチを行うようにすることで、通常のトレーニングを超える効果を得ることが可能となるかもしれない。

 

(Part 54を読む)
(Part 56を読む)

 

【参考文献】

  • 1:A comparison of organ-tissue level body composition between college-age male athletes and non-athletes International Journal of Sports Medicine, 28(2)
  • 2:Organ Size Increases With Weight Gain in Power-Trained Athletes. International Journal of Sport Nutrition & Exercise Metabolism, 01 December 2013, vol./is. 23/6
  • 3:Passive repetitive stretching for a short duration within a week increases myogenic regulatory factors and myosin heavy chain mRNA in rats’ skeletal muscles. ScientificWorldJournal. 2013 May 23;2013:493656. doi: 10.1155/2013/493656. Print 2013.
  • 4:A 10-week stretching program increases strength in the contralateral muscle. J Strength Cond Res. 2012 Mar;26(3):832-6. doi: 10.1519/JSC.0b013e3182281b41.