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腸内細菌とスポーツ

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執行役員 SOScientific Officer
栄養学博士 青柳清治

■「脳腸相関」

腸内細菌とヒトの健康にはさまざまな関係性があります。腸内の状態によって健康状態は大きく変わる、と言っても過言ではないでしょう。

特に注目されているのが「脳腸相関」または「腸脳相関」という、腸と脳の密接な関係です(図1)。精神状態が不安定な時や多くのストレスを受けた時に腸の具合が悪くなり、それが原因でさらにストレスがかかる、という悪循環が続きます。

ここでも腸内細菌が深く関与していることが、多くの研究でわかってきました

「腸脳相関」もしくは「脳腸相関」
図1. 「腸脳相関」もしくは「脳腸相関」

 

脳からの信号で分泌されたストレスホルモン(コルチゾールなど)が腸の粘膜細胞を刺激したり、腸の動きを抑制することで、下痢や炎症が起こります。

腸内細菌は腸管細胞と密接な関係を持っており、腸の状態が悪化すると病原性が高まったり、粘膜細胞の重要なエネルギー源であるプロピオン酸、酪酸、酢酸などの短鎖脂肪酸(SCFA: short-chain fatty acid)産生にも変化が起こります。その際に腸内細菌の状態をよくしてあげれば、悪循環を止めることができます。

この「脳腸相関」の異常が原因とされる「過敏性腸症候群」という、腹痛や下痢を伴う病気の患者に、さまざまなプロバイオティクス(乳酸菌)を投与しても、明確な変化はありませんでした。しかし、プレバイオティクス(食物繊維)やシンバイオティクス(乳酸菌+オリゴ糖+グルタミン)を投与した結果、完治には至らなかったものの、症状の一定の改善が確認されています

■腸内細菌とスポーツパフォーマンスの関係

最近「Nature」という国際的な総合科学ジャーナルに、腸内細菌とスポーツパフォーマンスに関する最新の見解が掲載されました。それによると、最近の腸内細菌の研究に遺伝子解析の技術の発展が大きく寄与していて、便中のあらゆる細菌を詳しく特定できるようになったようです。

 Estakiらはその技術を使い、健康な成人の心肺機能(VOmax)と腸内細菌の関係を調べたところ、腸内細菌の多様性(ダイバーシティー)が重要であることがわかりました

パフォーマンスに直接影響する特定の細菌を見出すには至りませんでしたが、心肺機能が優れている人には、腸管粘膜細胞のエネルギー源になるSCFAを作る細菌が多いことがわかりました。

Bartonらが、ラグビー選手と一般成人で腸内細菌叢を比較したところ、明らかにSCFAを作る細菌と、炭水化物とアミノ酸の代謝に影響する細菌に差が見られました。しかし「これらの研究はあくまでもアスリートと一般人の差を瞬間的に観察・比較しているだけで、運動をすると腸内細菌叢がどのように変わっていくかが重要である」としています。

そこで、「Nella」というアスリート向けプロバイオティクスを開発したScheimanら(FitBiomics社、USA)は、レース後のマラソン選手の腸内に「ベイヨネラ属」という細菌が特異的に増えることを発見しました

このベイヨネラ属は、乳酸をエネルギー源にすることがわかっています。そのため「マラソンで蓄積した乳酸を消費している」という理論が成り立ちます。菌の種類は未公表としていますが、おそらくNellaの中にはベイヨネラ属の細菌が入っていると思います。果たして効果はどうなのでしょうか? 少なくとも、胃酸や胆汁酸で菌が死滅しないようなカプセルに入っているようです。

一方、国際スポーツ栄養学会は、スポーツにおける生菌剤の利用と効果について慎重な立場を取っています。

2019年のプロバイオティクスについてのポジションスタンドでは、「特定の菌株(属でも種のレベルではなく)は、継続的な運動もしくは強度の運動により壊れた腸管バリアを改善することや、抗炎症性の菌株は筋損傷の修復に役立つかもしれない」としています。さらに、「ホルモンの変動や乳酸減少などの効果に関しては、更なる研究が必要である」としており、「スポーツに特化したプロバイオティクスは学術的にも時期尚早」と結論づけています。

アスリートも人間ですので、健康維持のために腸の状態を健全にしておくことは重要です。そのためには、しっかりと腸まで届くエビデンスのあるビフィズス菌BB-12と、善玉菌のエサになるイヌリンのコンビネーション(シンバイオティクス)を毎日摂取して、腸の状態をよくすることをお勧めします。

シンバイオティクス グルタミンプラス

【1包(5.1g)あたり】

エネルギー:19.9kcal、たんぱく質:2.5g、脂質:0g、炭水化物: 2.46g(糖質:0.16g、食物繊維:2.3g)食塩相当量:0.0015g、BB12:10億個、グルタミン:2.5g

詳しい情報・ご購入はこちらから DNS Online Shop

参考文献
1.Carabotti M et al. The gut-brain axis: interactions between enteric microbiota, central and enteric nervous systems. Annals of Gastroenterology 28, 203-209 (2015).
2.DuPont HL. Review article: evidence for the role of gut microbiota in irritable bowel syndrome and its potential influence on therapeutic targets. Aliment Pharmacol Ther. 39:1033-1042 (2014).
3.Andriulli A et al. Clinical trial on the efficacy of a new symbiotic formulation, Florec, in patients with irritable bowel syndrome. J Clini Gastroentro 42;S218-223 (2008).
4.Makin S. Do microbes affect athletic performance? Nature 592:S17-S19 (2021).
5.Estaki M et al. Cardiorespiratory fitness as a predictor of intestinal microbial diversity and distinct metagenomic functions. Microbiome 4;42 (2016).
6.Barton W et al. The microbiome of professional athletes differs from that of more sedentary subjects in composition and particularly at the functional metabolic level. Gut 67;625-633 (2018).
7.Scheiman J et al. Meta-omics analysis of elite athletes identifies a performance-enhancing microbe that functions via lactate metabolism. Nature Med 25;1104-1109 (2019).
8.Jaeger R et al. International Society of Sports Nutrition. 16;62 (2019).

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青柳 清治

青柳 清治 │ Seiji_Aoyagi

栄養学博士、(株)DNS 執行役員 
米国オキシデンタル大学卒業後、㈱協和発酵バイオでアミノ酸研究に従事する中で、イリノイ大学で栄養学の博士号を取得。以降、外資企業で栄養剤ビジネス、商品開発の責任者を歴任した。日本へ帰国後2015年から、ウェアブランド「アンダーアーマー」の日本総代理店・㈱ドームのサプリメントブランド「DNS」にて責任者を務める。2020年より分社化した㈱DNSでサイエンティフィックオフィサーを務める。

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栄養学博士 青柳清治

■「脳腸相関」

腸内細菌とヒトの健康にはさまざまな関係性があります。腸内の状態によって健康状態は大きく変わる、と言っても過言ではないでしょう。

特に注目されているのが「脳腸相関」または「腸脳相関」という、腸と脳の密接な関係です(図1)。精神状態が不安定な時や多くのストレスを受けた時に腸の具合が悪くなり、それが原因でさらにストレスがかかる、という悪循環が続きます。

ここでも腸内細菌が深く関与していることが、多くの研究でわかってきました

「腸脳相関」もしくは「脳腸相関」
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脳からの信号で分泌されたストレスホルモン(コルチゾールなど)が腸の粘膜細胞を刺激したり、腸の動きを抑制することで、下痢や炎症が起こります。

腸内細菌は腸管細胞と密接な関係を持っており、腸の状態が悪化すると病原性が高まったり、粘膜細胞の重要なエネルギー源であるプロピオン酸、酪酸、酢酸などの短鎖脂肪酸(SCFA: short-chain fatty acid)産生にも変化が起こります。その際に腸内細菌の状態をよくしてあげれば、悪循環を止めることができます。

この「脳腸相関」の異常が原因とされる「過敏性腸症候群」という、腹痛や下痢を伴う病気の患者に、さまざまなプロバイオティクス(乳酸菌)を投与しても、明確な変化はありませんでした。しかし、プレバイオティクス(食物繊維)やシンバイオティクス(乳酸菌+オリゴ糖+グルタミン)を投与した結果、完治には至らなかったものの、症状の一定の改善が確認されています

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最近「Nature」という国際的な総合科学ジャーナルに、腸内細菌とスポーツパフォーマンスに関する最新の見解が掲載されました。それによると、最近の腸内細菌の研究に遺伝子解析の技術の発展が大きく寄与していて、便中のあらゆる細菌を詳しく特定できるようになったようです。

 Estakiらはその技術を使い、健康な成人の心肺機能(VOmax)と腸内細菌の関係を調べたところ、腸内細菌の多様性(ダイバーシティー)が重要であることがわかりました

パフォーマンスに直接影響する特定の細菌を見出すには至りませんでしたが、心肺機能が優れている人には、腸管粘膜細胞のエネルギー源になるSCFAを作る細菌が多いことがわかりました。

Bartonらが、ラグビー選手と一般成人で腸内細菌叢を比較したところ、明らかにSCFAを作る細菌と、炭水化物とアミノ酸の代謝に影響する細菌に差が見られました。しかし「これらの研究はあくまでもアスリートと一般人の差を瞬間的に観察・比較しているだけで、運動をすると腸内細菌叢がどのように変わっていくかが重要である」としています。

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このベイヨネラ属は、乳酸をエネルギー源にすることがわかっています。そのため「マラソンで蓄積した乳酸を消費している」という理論が成り立ちます。菌の種類は未公表としていますが、おそらくNellaの中にはベイヨネラ属の細菌が入っていると思います。果たして効果はどうなのでしょうか? 少なくとも、胃酸や胆汁酸で菌が死滅しないようなカプセルに入っているようです。

一方、国際スポーツ栄養学会は、スポーツにおける生菌剤の利用と効果について慎重な立場を取っています。

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アスリートも人間ですので、健康維持のために腸の状態を健全にしておくことは重要です。そのためには、しっかりと腸まで届くエビデンスのあるビフィズス菌BB-12と、善玉菌のエサになるイヌリンのコンビネーション(シンバイオティクス)を毎日摂取して、腸の状態をよくすることをお勧めします。

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青柳 清治

青柳 清治 │ Seiji_Aoyagi

栄養学博士、(株)DNS 執行役員 
米国オキシデンタル大学卒業後、㈱協和発酵バイオでアミノ酸研究に従事する中で、イリノイ大学で栄養学の博士号を取得。以降、外資企業で栄養剤ビジネス、商品開発の責任者を歴任した。日本へ帰国後2015年から、ウェアブランド「アンダーアーマー」の日本総代理店・㈱ドームのサプリメントブランド「DNS」にて責任者を務める。2020年より分社化した㈱DNSでサイエンティフィックオフィサーを務める。