身体を作り、機能させる栄養・サプリメント情報 より効率的な身体作りのために
これまで何度も示してきたように、βアラニンの摂取は筋中のカルノシンを増加させ、乳酸の酸を中和することで筋疲労を軽減できる可能性がある。欧米を中心に、エルゴジェニックエイドとしてアスリートに広く用いられているこのβアラニン。今回はそのβアラニンの摂取方法について解説する。
・効果的なβアラニンの摂取量と期間
βアラニンのエルゴジェニックな効果を得るためにはどの程度の摂取量と期間が必要なのだろうか?国際スポーツ栄養学会のβアラニンに対する見解1によれば、パフォーマンス向上効果を得るためには、4-6g/日のβアラニンを少なくとも4週間摂取することが推奨されている。一方、国際オリンピック委員会(IOC)のコンセンサスでは、体重1㎏あたり~65mg/日のβアラニン(体重60㎏なら3.9g)を10-12週間摂取と記載されていることから、いずれにせよ継続的にβアラニンを摂取することで、エルゴジェニックな効果が期待できるようだ。
・βアラニン摂取による肌のピリピリ感
すでにβアラニンを摂取したことがある方はご存知かもしれないが、実はβアラニンを摂取すると5~10分程度で手のひらをはじめ肌にピリピリ感が生じる。一般に”βアラニンフラッシュ”と呼ばれているこの現象はβアラニンの特徴でもある。もちろん健康上問題はない。しかし、仮にこのピリピリした感覚を好まない方がいる場合には、1日の中でβアラニン摂取を複数回に分割することでピリピリ感を抑えることが出来ると言われている1,2。
・βアラニンはどのような競技に向いているのか?
βアラニンが有効とされる運動時間は、およそ30秒~10分程度だと言われている2,3。少し幅が広いようにも感じられるが、つまりは筋内pHの低下が疲労の要因となるような運動に対して、βアラニン摂取(カルノシン増加)が効果を発揮すると理解できる。陸上や競泳なら中距離・長距離といったところだろうか。参考までに、βアラニン摂取によりパフォーマンス向上が期待できる陸上競技種目についての国際陸上競技連盟の見解を、クレアチンと比較して示す(表1)4。
・βアラニンとクレアチンをどちらも摂取する
6-8.βアラニンの働きとは? において、クレアチンとβアラニンでは働きが異なると述べた。この両者、確かに役割が異なるのだが、併用することでそれぞれを単体で摂るよりも高いパフォーマンス向上効果が期待できるようだ1。クレアチンの効果でより大きな力を発揮し、βアラニンの効果で疲れにくくできる為にパフォーマンスに対してポジティブな効果が得られると考えればいいだろう。1+1が2となるような単純なものではないが、これからはサプリメントをうまく併用してより大きな効果を得る、そんな時代が訪れるだろう。
【参考文献】
これまで何度も示してきたように、βアラニンの摂取は筋中のカルノシンを増加させ、乳酸の酸を中和することで筋疲労を軽減できる可能性がある。欧米を中心に、エルゴジェニックエイドとしてアスリートに広く用いられているこのβアラニン。今回はそのβアラニンの摂取方法について解説する。
・効果的なβアラニンの摂取量と期間
βアラニンのエルゴジェニックな効果を得るためにはどの程度の摂取量と期間が必要なのだろうか?国際スポーツ栄養学会のβアラニンに対する見解1によれば、パフォーマンス向上効果を得るためには、4-6g/日のβアラニンを少なくとも4週間摂取することが推奨されている。一方、国際オリンピック委員会(IOC)のコンセンサスでは、体重1㎏あたり~65mg/日のβアラニン(体重60㎏なら3.9g)を10-12週間摂取と記載されていることから、いずれにせよ継続的にβアラニンを摂取することで、エルゴジェニックな効果が期待できるようだ。
・βアラニン摂取による肌のピリピリ感
すでにβアラニンを摂取したことがある方はご存知かもしれないが、実はβアラニンを摂取すると5~10分程度で手のひらをはじめ肌にピリピリ感が生じる。一般に”βアラニンフラッシュ”と呼ばれているこの現象はβアラニンの特徴でもある。もちろん健康上問題はない。しかし、仮にこのピリピリした感覚を好まない方がいる場合には、1日の中でβアラニン摂取を複数回に分割することでピリピリ感を抑えることが出来ると言われている1,2。
・βアラニンはどのような競技に向いているのか?
βアラニンが有効とされる運動時間は、およそ30秒~10分程度だと言われている2,3。少し幅が広いようにも感じられるが、つまりは筋内pHの低下が疲労の要因となるような運動に対して、βアラニン摂取(カルノシン増加)が効果を発揮すると理解できる。陸上や競泳なら中距離・長距離といったところだろうか。参考までに、βアラニン摂取によりパフォーマンス向上が期待できる陸上競技種目についての国際陸上競技連盟の見解を、クレアチンと比較して示す(表1)4。
・βアラニンとクレアチンをどちらも摂取する
6-8.βアラニンの働きとは? において、クレアチンとβアラニンでは働きが異なると述べた。この両者、確かに役割が異なるのだが、併用することでそれぞれを単体で摂るよりも高いパフォーマンス向上効果が期待できるようだ1。クレアチンの効果でより大きな力を発揮し、βアラニンの効果で疲れにくくできる為にパフォーマンスに対してポジティブな効果が得られると考えればいいだろう。1+1が2となるような単純なものではないが、これからはサプリメントをうまく併用してより大きな効果を得る、そんな時代が訪れるだろう。
【参考文献】