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Nutrition Guide

身体を作り、機能させる栄養・サプリメント情報 より効率的な身体作りのために

6-6.実際にカフェインを摂取してみよう

効果的なカフェインの摂取量

これまで、どの程度のカフェイン摂取量が運動パフォーマンス向上に効果的か様々な研究で検討されてきた。数多くの研究結果を分析し解析したシステマティックレビューでは、運動開始のおよそ60分前に3-6mg/kg BWのカフェインを、カプセルやパウダーなどから摂取することで、持久系運動に対するパフォーマンス向上の効果が期待できると示されている1。さらに、上記に示したよりもさらに少ないカフェイン量(<3mg/kg BW、~200mg)でも、パフォーマンス向上の効果が期待できるとの報告もある2

ただし、この量のカフェインをコーヒーや紅茶などの飲料から摂取しようと思うと少々難しい。実際コーヒー100㏄にはおよそ60mgのカフェインしか入っていない為、効果を得るためには何杯も飲む必要がある。したがって、効率的にカフェインを摂取したいならコーヒーや紅茶などの飲料よりもサプリメントがよいと思われる。

 

注意すべきこと

一方、カフェインの多量摂取については十分留意する必要がある。まず、カフェイン摂取量の違いによるパフォーマンス向上効果を比較した研究では、6mg/kg BWのカフェインと比較して、9mg/kg BWのカフェインを摂取してもパフォーマンスに与える効果は同程度であったと報告されている3
また、一度に多量のカフェインを摂取することは、吐き気、不安、不眠症、集中力の低下などの副作用のリスクが上昇すると可能性もある。最悪のケースでは、カフェインが強化されたエナジードリンクの多量摂取による死亡事故まで、国内外で発生している。

6-5.カフェインの働きとは?でも述べたように、カフェインは現在WADAの監視プログラムとして指定されている。もちろん、検出されても失格にはならないが、乱用されている事実が認められれば禁止薬物に規定される可能性が高い項目である。カフェインの乱用はパフォーマンス向上には寄与せず、また健康を害する可能性もある。推奨される容量で、モラルを持って使用して頂きたい。

 

  • 【参考文献】
  • 1.Ganio, M. S., Klau, J. F., Casa, D. & Armstrong, L. Effect of Caffeine on Sport-Specific Endurance Performance: A Systematic Review. J. Strength Cond. Res. 23, 315-324 (2009).
  • 2.Spriet, L. L. Exercise and Sport Performance with Low Doses of Caffeine. Sport. Med. 44, 175-184 (2014).
  • 3.Bruce, C. R. et al. Enhancement of 2000-m rowing performance after caffeine ingestion. Med. Sci. Sports Exerc. 32, 1958-1963 (2000).

Nutrition Guide 身体を作り、機能させる栄養・サプリメント情報 より効率的な身体作りのために

6-6.実際にカフェインを摂取してみよう

効果的なカフェインの摂取量

これまで、どの程度のカフェイン摂取量が運動パフォーマンス向上に効果的か様々な研究で検討されてきた。数多くの研究結果を分析し解析したシステマティックレビューでは、運動開始のおよそ60分前に3-6mg/kg BWのカフェインを、カプセルやパウダーなどから摂取することで、持久系運動に対するパフォーマンス向上の効果が期待できると示されている1。さらに、上記に示したよりもさらに少ないカフェイン量(<3mg/kg BW、~200mg)でも、パフォーマンス向上の効果が期待できるとの報告もある2

ただし、この量のカフェインをコーヒーや紅茶などの飲料から摂取しようと思うと少々難しい。実際コーヒー100㏄にはおよそ60mgのカフェインしか入っていない為、効果を得るためには何杯も飲む必要がある。したがって、効率的にカフェインを摂取したいならコーヒーや紅茶などの飲料よりもサプリメントがよいと思われる。

 

注意すべきこと

一方、カフェインの多量摂取については十分留意する必要がある。まず、カフェイン摂取量の違いによるパフォーマンス向上効果を比較した研究では、6mg/kg BWのカフェインと比較して、9mg/kg BWのカフェインを摂取してもパフォーマンスに与える効果は同程度であったと報告されている3
また、一度に多量のカフェインを摂取することは、吐き気、不安、不眠症、集中力の低下などの副作用のリスクが上昇すると可能性もある。最悪のケースでは、カフェインが強化されたエナジードリンクの多量摂取による死亡事故まで、国内外で発生している。

6-5.カフェインの働きとは?でも述べたように、カフェインは現在WADAの監視プログラムとして指定されている。もちろん、検出されても失格にはならないが、乱用されている事実が認められれば禁止薬物に規定される可能性が高い項目である。カフェインの乱用はパフォーマンス向上には寄与せず、また健康を害する可能性もある。推奨される容量で、モラルを持って使用して頂きたい。

 

  • 【参考文献】
  • 1.Ganio, M. S., Klau, J. F., Casa, D. & Armstrong, L. Effect of Caffeine on Sport-Specific Endurance Performance: A Systematic Review. J. Strength Cond. Res. 23, 315-324 (2009).
  • 2.Spriet, L. L. Exercise and Sport Performance with Low Doses of Caffeine. Sport. Med. 44, 175-184 (2014).
  • 3.Bruce, C. R. et al. Enhancement of 2000-m rowing performance after caffeine ingestion. Med. Sci. Sports Exerc. 32, 1958-1963 (2000).
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