Nutrition Guide 身体を作り、機能させる栄養・サプリメント情報 より効率的な身体作りのために

3-2.効果的な摂取量とは?

 アスリートのエンジンともいえる筋肉(=骨格筋)の重量は、それを構成するタンパク質の合成と分解のバランスによって調整されている。アスリートがより強い肉体を手にするために骨格筋を肥大させるには、分解よりも合成が上回る必要がある。

 筋タンパク質合成は、食事や筋力トレーニングによって増加・活性化することがよく知られているが、特にトレーニング後のたんぱく質摂取は、単にたんぱく質を摂取した場合と比較して著しい筋タンパク質合成の促進をもたらすことが明らかとなっている(図1)1。筋量の多い強い肉体を手に入れる為、「鍛えたら、プロテインを飲む」という事をしっかりと習慣化して欲しい。




 アスリートにおける1日に必要なたんぱく質の摂取量は、体重1kgあたり2.0g程度と言われており2、生体内でたんぱく質の代謝、修復、リモデリング、新陳代謝などに利用される。さらに、短期間のエネルギー制限による減量中であれば、除脂肪体重維持の為により多くのたんぱく質摂取が必要となる可能性がある3

 では、1回あたりのたんぱく質摂取量はどの程度が効果的なのだろうか。レジスタンス運動直後に0、10、20、40gのプロテインを摂取して筋タンパク質合成速度を測定した研究では、0~20gまでは容量依存的な増加が確認されたものの、それ以上の40gのプロテインを摂取しても有意な増加は確認されなかったことが報告されている (図2) 4。しかしながら、同じくレジスタンス運動直後に20gもしくは40gのプロテインを摂取させ、筋タンパク質合成速度を比較した研究では、40gのプロテインを摂取した場合、20g摂取と比較して有意な筋タンパク質合成の増加が認められている(図3)5。これらより、運動後のたんぱく質摂取量に関しては20~40gが適当であると考えられる。

 2018年に発表された国際スポーツ栄養学会のレビューにおいても、運動後のたんぱく質摂取量は、体重1kgあたり0.25~0.55g、あるいは20~40gが推奨されている6


 
 体重70kgのアスリートなら、1日140gがたんぱく質の必要摂取量になる。これを食事だけで摂取しようとすれば、ステーキ700~800g程度に相当する。1日くらいなら食べられるかも知れないが毎日継続するのは不可能に近いだろう。「たんぱく質」が足りなければ、筋肉をはじめとして身体の多くの組織は作られない。食事で補いきれない分はプロテインを有効活用して摂取して欲しい。プロテインであれば、ステーキのように調理の手間もなく手軽にたんぱく質の必要量を確保できる。



【引用文献】

  • 1.Churchward-venne, T. A., Burd, N. A. & Phillips, S. M. Nutritional regulation of muscle protein synthesis with resistance exercise: strategies to enhance anabolism. Nutr. Metab. 9, 1-8 (2012).
  • 2.Thomas, D. T., Erdman, K. A. & Burke, L. M. Nutrition and athletic performance. Med. Sci. Sports Exerc. 162, 543-568 (2016).
  • 3.Mettler, S., Mitchell, N. & Tipton, K. D. Increased protein intake reduces lean body mass loss during weight loss in athletes. Med. Sci. Sports Exerc. 42, 326-337 (2010).
  • 4.Moore, D. R. et al. Ingested protein dose response of muscle and albumin protein synthesis after resistance exercise in young men. Am. J. Clin. Nutr. 86, 161-168 (2009).
  • 5.Macnaughton, L. S. et al. The response of muscle protein synthesis following whole‐body resistance exercise is greater following 40 g than 20 g of ingested whey protein. Physiol. Rep. 4, e12893 (2016).
  • 6.Kerksick, C. M. et al. ISSN exercise & sports nutrition review update: research & recommendations. J. Int. Soc. Sports Nutr. 15, 38 (2018).
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